Vanilla fuguaiの切り分け|見えない、進めない、ずれるを順に直す

Vanilla fuguai と検索する人の「動かない」は、話を聞くと3つか4つの決まった形に分かれます。設定用の目印がメニューバーに見当たらない。許可を求める画面から先へ進めない。動いてはいるが、矢印の隣に妙な隙間ができる。ログイン時に立ち上がらない。原因はそれぞれ別で、直し方も別です。ここでは症状ごとに、配布元が公開している案内を根拠にして、どこを見ればよいかを順に整理します。

まず、アプリの不調ではない場合を外す

この分野で最も多い勘違いは、macOS側の仕様をアプリの不具合だと受け取ってしまうことです。メニューバーに入りきらない項目が出たとき、macOSは2段目に折り返さず、警告も出さず、単に描画をやめます。表示されていないだけで、そのアプリ自体は正常に動いています。

つまり、アイコンが消えたという症状の何割かは、道具を入れ替えても直りません。切り分けの最初にやるのは、メニューバーに並んでいる項目を数えて、幅が足りているかを確かめることです。アプリ側のメニューが長いアプリ、たとえば設計や開発の道具を前面に出すと、その分だけ右側の状態表示に使える幅が減ります。前面のアプリを切り替えたときだけ消えるなら、幅の問題です。

確かめ方は単純です。アプリをいったん完全に終了し、その状態でメニューバーの項目を左から右まで数えます。終了しているのに項目が足りないなら、原因はアプリの外にあります。数が合っているのに動作がおかしいなら、原因はアプリか許可の側です。この1回の確認で、探す範囲が半分になります。

この前提を踏まえたうえで、症状ごとの話に入ります。

症状1: 設定用の目印が見当たらない

このアプリの設定は、メニューバーに置かれた小さな目印を左右に動かして行います。その目印そのものが見えないと、設定に入れません。配布元は、この状況に専用の案内ページを用意しています。

The notch at the top of the display in these new machines reduces the amount of space available to menu bar items. If you have more menu bar items than will fit in the right-hand side of the notch, macOS hides any icons that overflow this area. You can't see them, access them… or even know that they're there. 出典: matthewpalmer.net

案内されている手順は、いったん幅を空けてから設定する、という順番です。まずアプリを終了します。次に、ほかの常駐アプリを一時的に終了するか、メニューバーの項目を減らして、すべてがノッチの右側に収まる状態を作ります。その状態でアプリを開き、設定の窓を出します。「完全に取り除く」の設定を有効にしていれば目印は2つ、していなければ1つ見えるはずです。目印が見えたら、Commandキーを押しながら右端まで動かします。そのあとで、終了させていたアプリを起動し直し、外していた項目を戻します。戻ってきた項目は目印の左側に並ぶので、あとは目印を左右に動かして区切りを決められます。

この手順の要点は、目印を右端に置いてから項目を戻す点です。順番を逆にすると、また目印が押し出されて同じ状態に戻ります。

症状2: 許可を求める画面から先へ進めない

このアプリは、macOS Catalina以降で画面収録の許可を求めます。配布元は、その理由をはっきり書いています。メニューバーの見た目を読み取って背景となじませるために画面の上端を撮っており、撮っているのは上から50ピクセルの範囲だけで、保存も送信もしていない、という説明です。加えて、アクセシビリティの許可も使います。

進めなくなるのは、この2つの許可の記録が食い違っているときです。配布元の案内では、両方の記録をいったん完全に消してから、手で登録し直す方法が示されています。順番はこうです。目印から、またはアクティビティモニタからアプリを終了します。プライバシーとセキュリティの設定を開き、アクセシビリティの一覧でこのアプリの行を選んで、マイナスのボタンで削除します。続いてプラスのボタンでアプリケーションフォルダから同じアプリを選び、登録し直します。同じことを画面収録の一覧でも行い、最後にアプリを開き直します。

案内のページはシステム環境設定という古い呼び名で書かれていますが、現行のmacOSでは名前がシステム設定に変わり、プライバシーとセキュリティの下に同じ項目が並んでいます。場所が見つからない場合は、設定の検索欄に「画面収録」と入れると直接たどり着けます。

古い記録が消えないまま新しい記録を足すと、許可が付いているのに動かない状態になります。削除を先、追加を後にしてください。

症状3: 矢印の隣に隙間ができる

動いてはいるが表示が不自然、という症状には、原因がはっきりしているものがあります。配布元の案内によると、macOS 12.4以降で時計の表示に既定の設定が追加され、空きに応じて日付を出したり引っ込めたりするようになりました。この出し入れが起きるたびにメニューバーの幅が動くため、区切りの位置と噛み合わなくなります。

対処は、日付の表示を空き次第にせず、常に出すか、常に出さないかのどちらかに固定することです。macOS 12の案内ではDockとメニューバーの設定にありましたが、現行のmacOSではコントロールセンターの設定の中にある時計の項目に移っています。固定したあと、区切りの位置が一時的にずれることがあるので、目印の矢印を押すか、アプリを終了して開き直せば位置を取り直します。

同じ性質の症状として、外付けのディスプレイを抜き差ししたあとに配置が崩れる場合があります。画面の構成が変わるとメニューバーの幅そのものが変わるので、同じように区切りの取り直しが必要になります。

症状4: ログインしても立ち上がらない

ログイン時の自動起動は、有料の機能として案内されているものです。ここが効かない場合、見る場所は2つあります。

ひとつはシステム設定の一般にあるログイン項目です。もうひとつがオートメーションの許可です。配布されているファイルの中を見ると、自動起動のためにSystem Eventsを使うと明記されており、この仕組みを使うアプリは、System Eventsを操作してよいかの許可を別に求められます。この許可を過去に断っていると、設定の画面上は自動起動が有効に見えるのに、実際には起動しません。プライバシーとセキュリティのオートメーションを開き、このアプリの下にSystem Eventsの行があるか、その印が付いているかを確かめてください。

症状5: 隠したはずの項目が戻ってくる

隠した項目が翌日には表示側に戻っている、という相談もあります。この場合、疑う先はアプリではなく、アイコンを出している側です。

常駐アプリの中には、更新のたびにメニューバーの項目を出し直す作りのものがあります。並び順は macOS が覚えていて、新しく登録された項目は既定の位置に入るため、区切りより表示側に現れます。区切りの向こうへもう一度送れば済む話ですが、更新のたびに繰り返すのであれば、そのアプリ側の設定でアイコンの表示自体を切っておくほうが根本的です。多くのアプリは、環境設定にメニューバーへ出すかどうかの項目を持っています。

もうひとつの原因が、切り替えてから一定時間で自動的に隠し直す設定です。配布元の案内では、この自動の隠し直しは切り替えから5秒後と説明されています。意図せず隠れると感じる場合は、この設定が効いている可能性があります。逆に、隠れないという症状であれば、同じ設定が無効になっていないかを見てください。

入れ直すときの順番

ここまでを試しても直らない場合は、入れ直しです。順番を守らないと、同じ状態が再現するだけで終わります。

まずアプリを終了します。次にアプリケーションフォルダから本体を取り除きます。そのあとで、プライバシーとセキュリティにあるアクセシビリティと画面収録の一覧を開き、このアプリの行を削除します。ここまで済ませてから、配布元のページで最新のファイルを取得して入れ直し、求められた許可を新しく与えます。

順番の理由は、古い許可の記録が残ったまま同じ場所に同じ名前のアプリを置くと、どちらの記録が効いているのか判別できなくなるからです。記録を先に消しておけば、新しい側だけが残ります。入れ直したあとは一度ログインし直して、再起動をまたいでも配置が保たれるかを確かめてください。

版とmacOSの組み合わせを確かめる

ここまでで直らない場合は、動いている版そのものを疑います。2026年9月10日に配布元から取得した版は2.2、内部の通し番号は61で、署名は2025年9月16日、Appleの公証も通っています。動作の下限は macOS 12.4と指定されているので、これより古いmacOSでは起動しません。

手元の版は、アプリのメニューから確認できます。更新の確認は同じメニューから行えますが、うまく取得できない場合は配布元のページから最新のファイルを落とし直すほうが早く済みます。macOSを大きく更新した直後に挙動が変わったときは、まずこの確認から始めてください。この種類の道具は、毎年秋のmacOSの更新に追従する必要があるため、更新の有無が挙動に直結します。

切り分けの順番を固定しておく

同じ場所を何度も往復しないために、順番を決めておくと早く終わります。

  • 幅の問題かどうかを先に見る。アプリを完全に終了して、メニューバーの項目数を数える
  • 次に許可を見る。アクセシビリティと画面収録の記録を、削除してから登録し直す
  • その次に版を見る。動作の下限と、手元の版の番号を確かめる
  • 最後に配置を取り直す。目印を右端に置いてから、ほかのアプリを戻す

この順番にする理由は、前の段階の結果が次の段階の判断を変えるからです。幅が足りていないのに許可を触っても、症状は変わりません。

メニューバーを整理する道具の側から見えること

不具合の相談を分類していくと、道具そのものの不調より、macOS側の仕様との噛み合わせで起きているものが多いことが分かります。幅が足りないときに黙って描画をやめる挙動、許可の記録が古いまま残る挙動、時計の表示が幅を動かす挙動。どれも特定の製品の問題ではなく、この種類の道具すべてが向き合っている条件です。

そのうえで、製品ごとに差が出るのは復旧の手間です。配置が崩れたときに、目印を1つ動かせば戻るのか、設定の窓を開いて作り直すのかで、月に何度かの作業量が変わります。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りなら、そもそも広げる操作が要らないため、崩れる場面自体が減ります。どこまでできるかはできることに、各社の作りの違いは調べた日と出典を添えてほかの道具との違いに置いてあります。導入前後に出やすい疑問はよくある質問にまとめてあるので、切り分けの前に一度目を通しておくと、確かめる場所を絞り込めます。

よくある質問

設定用の目印がメニューバーに見当たりません。壊れていますか?

壊れていません。メニューバーに入りきらない項目が出ると、macOSは折り返しも警告もせず描画をやめます。配布元は専用の案内を用意しており、ほかの常駐アプリを一時的に終了して幅を空け、目印を右端に動かしてから、終了させたアプリを戻す順番が示されています。順番を逆にすると同じ状態に戻ります。

画面収録の許可を求められるのはなぜですか?

メニューバーの見た目を読み取って背景となじませるためです。配布元は、撮っているのは画面の上から50ピクセルの範囲だけで、保存も送信もしていないと説明しています。許可の画面から進めない場合は、アクセシビリティと画面収録の記録を一度削除してから、手で登録し直してください。

矢印の隣に隙間ができるのは直せますか?

直せます。macOS 12.4以降で追加された、空きに応じて日付を出し入れする時計の設定が原因だと配布元が案内しています。日付の表示を常に出すか常に出さないかに固定してください。現行のmacOSでは、コントロールセンターの設定の中にある時計の項目で変更できます。

ログイン時に自動で起動しません。どこを見ますか?

システム設定の一般にあるログイン項目と、プライバシーとセキュリティのオートメーションの2か所です。このアプリは自動起動にSystem Eventsを使うと明記しており、その操作の許可を過去に断っていると、設定上は有効に見えても実際には起動しません。オートメーションの一覧で印が付いているか確かめてください。

記事一覧へ戻る