Vanillaの使い方と初期設定|入れた直後に決めておくこと

Vanillaを入れたものの、メニューバーに何も起きていないように見える。あるいは権限の画面から先へ進めない。この記事は、インストール直後に何が起き、どこで手を止めて決めるべきかを、配布元が2026年9月10日時点で公開している手順に沿って並べたものである。

この道具の設定は、設定画面のチェックボックスを埋めていく形ではない。メニューバーそのものを触って、境界線を左右に動かす形で決める。だから最初に理解しておくべきなのは、機能の一覧ではなく「印がどこにあるか」である。

設定の中心は、メニューバーに置かれた印である

インストールして起動すると、メニューバーに小さな印が現れる。これが設定の全体を担う。印より右側にあるアイコンが畳む対象になり、左側にあるアイコンは常に見える側に残る。

操作は2種類しかない。印を押すと、右側が畳まれる、あるいは畳まれていたものが出てくる。印を左右にドラッグすると、畳む対象の範囲が変わる。この2つで初期設定は終わる。

印の数は設定によって変わる。配布元の案内では、「メニューバーのアイコンを完全に取り除く」という項目を有効にしていないときは印が1つ、有効にしているときは印が2つ見えるはずだと書かれている。印が2つある状態では、左の印より右かつ右の印より左が畳む区画、右の印よりさらに右が取り除く区画、という三分割になる。

ここで最初の判断が要る。取り除く区画に入れたアイコンは、設定画面を開くまで姿を見せない。押したいときに設定画面を経由する必要があるので、四半期に一度触るかどうかというものだけを入れる場所だと考えたほうがよい。週に一度でも押すものは、畳む区画に置くほうが手数が少ない。

最初の起動で権限を求められる理由

起動の途中で、macOSの画面収録の権限を求める画面が出る。ここで戸惑って止まる人が多いが、理由は配布元が明示している。

Vanilla takes screenshots of your menu bar to hide icons. There is no personal information in these screenshots. The screenshots are not saved or transmitted anywhere. 出典: matthewpalmer.net

同じページには、撮っているのは画面の上端50ピクセルだけであること、その画像はメニューバーの背景とアイコンを継ぎ目なく馴染ませるために使っていること、通信するのは更新の確認とライセンス番号の照合のときだけであることが書かれている。畳んだ部分を背景と同じ見た目にするために、その部分の見た目を知る必要がある、という理屈である。

手順としては、画面の指示に従って続行を選び、macOS側の設定画面で該当のチェックを入れ、いったんアプリを終了してから開き直す。macOS 13以降は「システム設定」の中の「プライバシーとセキュリティ」に画面収録の項目がある。配布元の案内は「システム環境設定」と書かれた時代のもので、名称と場所が変わっているが、たどり着く先は同じである。

もう1つ、アクセシビリティの権限も使う。配布元の解決手順ではこの2つを並べて扱っているので、片方だけ許可した状態だと動きが不完全になることがある。

権限の画面から進めないときの直し方

「次へ」を押しても反応しないという詰まり方が、配布元のヘルプに個別の項目として立っている。案内されている手順は、権限を消して入れ直すという流れである。

最初に、最新版になっているかを確認する。更新は印のメニューから確認できる。そのうえで、アプリをいったん終了する。終了は印のメニュー、Dockのアイコンの右クリック、アクティビティモニタのいずれからでもよい。

次に、macOSの設定でアクセシビリティの一覧を開き、鍵を外して編集できる状態にしてから、該当の登録を選んでマイナスのボタンで削除する。続けてプラスのボタンを押し、アプリケーションフォルダから同じアプリを選んで登録し直す。同じ作業を画面収録の一覧でも行う。両方を消して入れ直したら、アプリを開き直す。

この手順が効くのは、権限の記録が古い場所を指したまま残っている場合があるからである。アプリをダウンロードフォルダで一度起動してから、あとでアプリケーションフォルダへ移した場合などに起きやすい。入れ直しの前にアプリの置き場所をアプリケーションフォルダへ固定しておくと、同じ詰まり方の再発が減る。

なお、macOS 15以降では、画面収録の権限を持つアプリについて、macOSが月に一度の頻度で再確認の画面を出す。当初の設計では週に一度だったものが、公開までに月に一度へ変わった経緯が報じられている。これは不具合ではなくOS側の仕様なので、出たら許可を選び直すことになる。

ノッチのあるMacでは、設定の順番が逆になる

ノッチのあるMacBookでは、初期設定でつまずく場所が1つ増える。メニューバーに入りきらない項目をmacOSが黙って落とすため、設定の印そのものが見えないことがある。

If you have more menu bar items than will fit in the right-hand side of the notch, macOS hides any icons that overflow this area. You can't see them, access them… or even know that they're there. 出典: matthewpalmer.net

配布元が案内している手順は、先に場所を空けてから設定するという順番である。まずアプリを終了し、他の常駐アプリを一時的に終了するか、メニューバーの項目をいくつか外して、残りがノッチの右側に収まる状態を作る。その状態でアプリを開き、設定画面を開く。印が1つか2つ見えることを確認したら、コマンドキーを押しながら印を右端へドラッグして位置を固定する。ここまで終わってから、先ほど終了したアプリを起動し直す。戻ってきたアイコンは印の左側に並ぶので、あとは印を左右に動かして区画を決める。

順番を逆にすると、印が画面の外へ押し出されて操作できない状態に戻ってしまう。この初期設定は有料版でも短くならないので、ノッチのある機種を使っているなら最初に通しておく作業だと考えたほうがよい。

時計の日付表示と印の位置がぶつかる

macOS 12.4以降、メニューバーの時計に「スペースがある場合に表示」という既定の設定が入った。日付が出たり消えたりするたびにメニューバーの幅が変わるため、印の位置がずれる原因になる。

配布元の案内では、この動的な切り替えを止めることを勧めている。macOSの設定で時計の項目を開き、日付の表示を「常に表示」か「表示しない」のどちらかに固定する。どちらを選ぶかは好みでよく、大事なのは幅が動かない状態にすることである。設定を変えた直後は印の位置が一時的にずれることがあるが、印を押すか、アプリを終了して開き直せば元に戻る。

何を印の右へ置くかを決める手順

区画の分け方で迷ったら、アイコンの名前ではなく、押した回数で並べ替えるとよい。いま並んでいるアイコンを1つずつ見て、「今日押した」「今週押した」「押した記憶がない」の3つに分ける。

今日押したものは印より左に残す。時計、電池、入力ソース、通信状態のように、押さなくても見た瞬間に情報を取るものも左に残す価値がある。畳んでしまうと、確認のために毎回開くことになるからである。今週押したものは畳む区画へ入れる。押した記憶がないものは、有料版を使っているなら取り除く区画へ、無料の範囲なら畳む区画の右端へ寄せる。

この分け方をしておくと、あとで並べ替える回数が減る。逆に、見た目の派手さやアイコンの色で決めると、数日で「あれがどこに行ったか分からない」という状態になり、結局すべて出しっぱなしに戻ることになる。

有料版を入れている場合は、この段階でキーボードの割り当ても決めておく。畳んだ状態と開いた状態を行き来する回数が多い人ほど効く設定で、ポインタをメニューバーまで運ぶ動作がそのまま消える。合わせて、切り替えてから5秒後に自動で畳み直す設定と、ログイン時の自動起動も、この段階で入れておくと運用が固まる。

印を2つに増やす設定は、場所を確保してから入れる

「メニューバーのアイコンを完全に取り除く」という項目を有効にすると、印が1つ増える。ここで注意が要るのは、印が増えるということはメニューバーの幅をさらに使うということである。

配布元のノッチ向けの案内でも、この項目を切り替えた直後に印が見えなくなることがある、と書かれている。ノッチの右側に収まる幅はもともと限られており、そこへ印がもう1つ加わると、いちばん左にあった項目が押し出されて消える。押し出された項目は画面に出ないだけで動いてはいるので、消えたことに気づきにくい。

だから、この項目を入れるのは、区画の分け方が固まったあとにするほうが安全である。手順としては、先に畳む区画の中身を決め、常に見せる側の項目数を減らし、余裕ができたところで項目を有効にして、増えた印を右端へ動かす。もし印が見えなくなったら、いったんこの項目を無効に戻し、他の常駐アプリを終了して幅を空けてからやり直す。

外部ディスプレイを使っている場合は、もう1つ確認しておくことがある。メニューバーの幅は接続しているディスプレイの解像度で変わるため、内蔵ディスプレイだけで組んだ区画が、外部ディスプレイに繋いだときには余裕を持ちすぎ、外して持ち歩いたときには入りきらない、という食い違いが起きる。狭いほうの状態で区画を決めておくと、どちらでも破綻しにくい。

macOSを更新したあとに、もう一度通す確認

OSの大きな更新のあとは、権限の登録が外れていることがある。メニューバーが畳めなくなった、印を押しても反応しない、という状態になったら、まず画面収録とアクセシビリティの両方の一覧を開き、チェックが入ったままかを見る。外れていれば入れ直し、入っているのに動かなければ、前述の「削除して追加し直す」手順を通す。

合わせて、アプリ側の更新も確認する。更新の確認はメニューバーの印から行える。OSの仕様が変わったときに配布元が手順のページを追加してきた経緯があるため、動きが変わったと感じたときは、配布元のヘルプに新しい項目が増えていないかを見ると、同じ症状の説明が見つかることがある。

設定は一度で終わらせず、2週間後にもう一度見る

初期設定の直後に決めた区画は、たいてい少し外れている。常駐アプリの中には、通知の有無や状態の変化をアイコンの見た目で伝えているものがあり、畳んだ瞬間にその情報が届かなくなるからである。同期が止まったことに気づかない、更新が待っていることに気づかない、といった形で表面化する。

だから、2週間ほど使ったあとに一度だけ見直すとよい。見直しの基準は「畳んだせいで見落としたものがあったか」の一点でよく、あったものだけを左へ戻す。ここで戻すのは1つか2つのはずで、それ以上戻したくなるなら、そもそも畳む対象を広げすぎている。

畳んだあとの操作にどれだけ手数がかかるかは、道具によって差が出る部分でもある。畳んだ状態から目的のアイコンを押すまでに一度開く動作が挟まる作りと、隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りでは、同じ「隠す」でも日々の手数が変わる。この違いは設定画面の項目名からは読み取れないので、ほかの道具との違いのような比較の情報と、できることにまとまっている機能の範囲を先に見ておくと、自分の設定が最短かどうかを判断しやすい。

設定を詰めていくと、そのうち「この操作は自分の道具でできるのか」という細かい疑問が出てくる。そうした点はよくある質問に整理されている種類の内容で、金額の考え方は料金に、実際に手元で試すならダウンロードから入手して、同じ区画の分け方を自分のメニューバーで再現してみるのが早い。

よくある質問

インストールしたのにメニューバーが変わりません。何を確認すればよいですか?

まず画面収録の権限が有効になっているかを確認します。macOS 13以降はシステム設定のプライバシーとセキュリティにあります。次に、メニューバーに設定用の印が見えているかを確認します。ノッチのあるMacでは項目が多いと印そのものが隠れるため、他の常駐アプリを一時的に終了してから印を右端へ動かす手順が必要です。

画面収録の権限を求められるのはなぜですか?

畳んだ部分をメニューバーの背景と同じ見た目に馴染ませるためです。配布元は、撮っているのは画面の上端50ピクセルだけで、その画像を保存も送信もしていないと説明しています。通信するのは更新の確認とライセンス番号の照合のときだけとされています。

権限の画面で「次へ」を押しても進めないときはどうしますか?

配布元の案内では、アクセシビリティと画面収録の両方から登録を一度削除し、アプリケーションフォルダにあるアプリを手で追加し直す手順が示されています。作業の前にアプリを終了し、最新版になっているかも確認します。両方を入れ直してからアプリを開き直します。

印の位置が勝手にずれるのですが、原因は何ですか?

メニューバーの時計が「スペースがある場合に表示」の設定になっていると、日付の表示が出入りするたびに幅が変わり、印の位置がずれます。macOS 12.4以降の既定です。日付の表示を常に表示か表示しないのどちらかに固定すると起きなくなります。

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