メニューバーに残すアイコンの決め方と、隠してよいものの見分け方
メニューバーの整理についての説明は、たいてい「使っていないものを隠しましょう」で終わります。当たり前に聞こえて、実際には誰の役にも立ちません。そこに並んでいるアイコンは、どれも理由があって動いているアプリが置いたものだからです。問われているのは、そのアプリが必要かどうかではありません。そのアイコンが必要かどうかです。
この2つは別の問いで、切り分けることが仕事のほとんどを占めます。アプリは欠かせないのに、アイコンには何の価値もない、という組み合わせが普通に起こります。正常に動いているときと、静かに止まっているときとで、同じ絵が表示されているからです。この記事では、10分でメニューバーを仕分けられる基準と、たいていのMacにいる常連の扱い方、そして残った集団をどうするかを順に整理します。
基準は1つ。状態は残し、起動用は隠す
そのアイコンの見た目が変化して、ちらりと見た数秒のうちに知りたいことを教えてくれるなら、常に表示する価値があります。
判断はこれだけです。バッテリーの残量は変わります。VPNの表示はトンネルが切れたときに変わります。録画中の表示は、画面やマイクを取っている何かがあるときに現れます。集中モードの表示は、通知が静かな理由を教えてくれます。どれもクリックせずに読めます。画面のいちばん上という場所が得意なのは、まさにこれです。
いつ見ても同じ形をしているアイコンは、状態ではありません。状態アイコンの服を着た起動ボタンです。正常に同期しているクラウドストレージは、正常に同期しているクラウドストレージと同じ見た目をしています。つまり、ちらりと見ても何も分かりません。メモアプリ、スクリーンショットの道具、クリップボード履歴、ウインドウ整列は、実際にはどれもキーボードショートカットで呼ばれています。アイコンがあるのは、開発元が「入っています」と伝え続けたいからです。
仕分けるときは、アプリを使う頻度ではなく、アイコンが何を教えるかで並べ替えてください。この基準を正直に当てはめると、ふつうのMacで常に表示するものは4〜6個に落ち着きます。残りは見えないところで動き続けます。
常連ごとの判断
どのMacにも、だいたい同じ顔ぶれがいます。基準を当てはめると次のようになります。
macOS標準の項目
Wi-Fi、Bluetooth、音量、バッテリー、時計、集中モード、そしてコントロールセンター自体。残す候補としては最も強い集団ですが、全部が残るわけではありません。
バッテリーはノートでは価値があり、デスクトップでは意味がありません。Wi-Fiは、複数のネットワークを行き来する人や、切断に気付きたい人には価値があり、有線でつないだまま動かさない機械ではほとんど価値がありません。Bluetoothは、ヘッドフォンやキーボードを取り替える人には価値があり、買った日に一度つないだきりのキーボードしかないなら、ほぼ何もしていません。時計は、実際に読んでいるなら残す価値があり、外部ディスプレイと携帯と腕時計が視界に入っているなら外してよい項目です。
この集団はすべて、システム設定のコントロールセンターで表示を切り替えられます。隠しても失うものはありません。コントロールセンターの中には残るからです。
クラウドストレージと同期クライアント
Dropbox、Google Drive、OneDriveなど。状態アイコンだと最も強く主張しながら、実際にはいちばん果たしていない集団です。
主張は、同期の進み具合が分かるというものです。実際には、同期している最中と20分前に終わった状態は、通りすがりに見分けられるほど違いません。サインインの画面で止まっている場合も、また似た見た目になります。多くの人にとっては仕切りの向こうが適切です。例外は、大きなアップロードの完了を本当に見ている人で、その場合はアップロード中だけ仕事をしていて、残りの時間は何もしていないアイコンだということになります。
会議アプリとチャットアプリ
Zoom、Slack、Teams、Discord。チャットアプリのアイコンは未読の数を出せるので、これは本物の状態です。そして、多くの人が逃れようとしているのも、まさにそれです。
会議アプリは事情が違います。残す理由は通話中のミュートの状態が分かることで、隠す理由は残りの23時間もそこにいることです。条件によって出し入れできる仕組みが、いちばん効くのがこの集団です。
キーボードで呼び出す道具
クリップボード履歴、定型文の展開、ウインドウ管理、スクリーンショット、カラーピッカー、ランチャー。ほとんど一度もクリックされていません。押されているのはキーです。アイコンは純粋な飾りで、最初に隠すべき集団です。
安全とプライバシーに関わる項目
VPNの状態、ディスク暗号化の警告、ウイルス対策、システムの録画中の表示。ここは残します。探しに行かなくても目に入ることが、この種の表示の価値そのものだからです。幅が足りないなら、別のところを削ってください。
| 集団 | 既定の判断 | 理由 |
|---|---|---|
| バッテリー(ノート) | 残す | 数値が変わり、それを見て行動する |
| Wi-Fi(持ち歩く機械) | 残す | 切断に気付く必要がある |
| Wi-Fi(有線のデスクトップ) | 隠す | 状態が変わらない |
| VPNと録画中の表示 | 残す | 探さずに見えることが目的 |
| クラウド同期 | 隠す | 正常と停止の見た目が同じ |
| チャットアプリ | 未読表示しだい | 未読の数は状態、静かなロゴは違う |
| 会議アプリ | 通話中だけ出す | ミュートが要るのは1日1時間 |
| キーボードで呼ぶ道具 | 隠す | そもそもクリックしていない |
| 更新確認の常駐 | 隠す | 更新の合間に読むものが無い |
10分で終わる仕分けの手順
一度やってしまえば、先送りではなく決定になります。
まずシステム設定のコントロールセンターを開きます。macOS標準の項目を上から見て、前の節の基準を通ったものだけをメニューバーに表示する側にします。ここまでは何も入れずにできます。
次にCommandキーを使います。Commandキーを押しながら残ったアイコンを横にドラッグすれば並び替えができ、下方向にメニューバーの外へドラッグすれば消えます。この2つの操作はAppleが公開資料で説明しています。
To rearrange status menus, press and hold the Command key while you drag an icon. To quickly remove a status menu, press and hold the Command key while you drag the icon out of the menu bar. 出典: support.apple.com
最後に、残った数を数えます。4〜6個なら終わりです。15個前後あるなら、残っている問題は第三者製のアイコンで、次の節が本題になります。
並び順は、数と同じくらい効く
残すものが決まったら、どこに置くかで使い勝手が変わります。
macOSが位置を決めている項目が2つあります。時計とコントロールセンターは右端にあり、動きません。それ以外はCommandキーを押しながらドラッグして並べ替えられ、その並びは保たれます。
有効なのは、読むものと押すものを分けることです。バッテリーの数値やVPNの状態のように読むだけの項目は、まとめて置くと一度の視線で全部確認できます。音量や接続先の切り替えのように押す項目は、いつも同じ側に寄せておくと、一週間で手が勝手に動くようになります。この2つを混ぜると、数が少なくても遅く感じます。押すたびに探すところから始まるからです。
並び順にはもう1つ理由があります。幅が足りなくなったとき、macOSは中央に近いものから描画をやめます。つまり、状態アイコンの並びの左端に置いたものが最初に消えます。いちばん惜しくないものを左端に置き、録画中の表示やVPNの状態は安全な側に置いてください。
macOSだけでは届かないところ
システム設定が扱えるのは、macOS自身が持っている項目までです。アプリが動きながら置いていくアイコンは対象外で、それらが一覧になっていて1つずつチェックボックスが付いている画面は存在しません。
自分のアイコンを隠す設定を持つアプリもありますが、持たないアプリも多くあります。ウインドウもDockのアイコンも持たないアプリにとって、メニューバーが唯一の居場所だからで、それ自体は妥当な理由です。結果として、いちばん消したいアイコンほど消す手段が無く、アプリを終了する以外にないという状態になります。それでは動かしている意味がありません。
この最後の集団に対して、メニューバーを整理する道具が働きます。アプリと帯の間に立ち、どの項目を実際に描画するかを決める仕組みです。この種類の道具は3つの状態を扱います。表示、仕切りの向こうに隠す、そして広げても出てこない常時非表示です。何を制御できて何ができないのかはできることにまとまっています。
製品ごとの差は、導入した初日ではなく数週間後に出ます。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開けるかどうか、再起動やディスプレイの抜き差しのあとに並びを覚えているかどうか、macOSの新版が出てから対応までにどれくらいかかるかどうか。どれも機能の一覧には出てきません。価格の形と、調べた日と、それぞれの出典を添えた比較はほかの道具との違いに、金額の考え方は料金に載せています。
ノッチのあるMacでは、上限が決まっている
ノッチのあるMacBookでは、これは好みの話ではなくなります。カメラの部分がメニューバーの中央を占め、使える幅は左右に分かれ、macOSはあふれた分を折り返しも通知もしません。中央に近いものから順に、単に描画されなくなります。
アプリ自身のメニューが左側を先に使うので、入る状態アイコンの数は前面のアプリによって変わります。Finderでは見えているアイコンが、開発者向けの機能を開いたブラウザでは消えている、ということが起こります。壊れているわけではありません。幅より置きたいものが多いというだけです。
したがってノッチのあるMacでは、表示する集団を平均ではなく最悪の場合に合わせておく必要があります。残したいものの一覧が幅を超えていると、消えるのは自分が選んだ項目ではなくなります。
仕分けたあとに残る疑問
仕分けが終わったあとによく出るのは、隠したアプリはちゃんと動いているのか、という疑問です。隠す操作が変えるのは画面に何を描くかだけで、アプリは動き続け、同期も続き、ショートカットにも反応します。確かめておくべきなのは、隠した項目に素早く手が届くかどうかのほうです。二度と開けないアイコンは、終了したアプリと機能的に同じだからです。
このあたりの疑問はよくある質問に集めてあります。実際に手元のMacで試すところまで進むならダウンロードから入れられます。
最初にやることは決まっています。システム設定のコントロールセンターを開き、状態を読んでいないmacOS標準の項目を切る。たいてい2つか3つあります。そのうえで残ったアイコンを見て、先週と今日で見た目が変わっていないものに印を付けてください。それが起動ボタンで、仕切りの向こうに置くべきものです。
よくある質問
メニューバーのアイコンは何個くらいが適切ですか?
決まった数はありませんが、使いやすい状態になる基準はあります。常に表示するのは、見た目が変化して何かを知らせてくれるものだけにすることです。ふつうのMacではこれで4個から6個に落ち着きます。ノッチのあるMacBookでは、これとは別に幅による上限もあり、前面のアプリのメニューの長さによって入る数が変わります。
Bluetoothのアイコンは残すべきですか?
ヘッドフォンやキーボード、マウスを頻繁に切り替えるなら残してください。接続状態が見え、1クリックで切り替えられます。買ったときにつないだ機器をそのまま使っていて状態が変わらないなら、隠して構いません。システム設定のコントロールセンターで非表示にしてもBluetoothが切れるわけではなく、操作はコントロールセンターの中に残ります。
第三者製アプリのアイコンを、アプリを終了せずに隠せますか?
そのアプリ自身が隠す設定を持っていれば隠せますが、持っていないものも多くあります。ウインドウもDockのアイコンも持たないアプリでは、メニューバーが唯一の入口になっているためです。設定が無い場合は、アプリを動かしたままアイコンだけを表示の列から外せる、メニューバーを整理する道具が選択肢になります。
アイコンを隠すと、そのアプリの動作は止まりますか?
止まりません。隠す操作が変えるのは画面に何を描くかだけです。アプリは動き続け、同期も続き、キーボードショートカットにも反応します。確かめるべきなのは、隠した項目にすぐ手が届くかどうかです。開くのに手間がかかるようだと、実際には終了したアプリと変わらなくなります。