MacからiPhoneへAirDropできない|送る側で直すところ

MacからiPhoneへAirDropできないとき、真っ先に疑われるのはMacの故障だが、実際に詰まっているのはほとんどの場合設定か通信の条件である。送る側で見る場所は3か所、受け取る側で見る場所は2か所しかない。この記事では、その5か所を順番に確かめる形で、相手のiPhoneが一覧に出てこない状態から抜け出す道筋を整理する。

AirDropはBluetoothとWi-Fiの2つが揃って初めて動く

AirDropが片方だけの通信で成り立っていると思っていると、確認する場所を取り違える。この機能は役割の違う2つの通信を組み合わせていて、片方が欠けた時点で相手を見つける段階か、データを送る段階のどちらかで止まる。

AirDropは、BluetoothとWi-Fiの2つを組み合わせて使います。まずBluetoothで近くの相手の機器を見つけ、実際のデータのやり取りは、より高速なWi-Fiで行います。だから、どちらか一方でもオフだと、相手を見つけられなかったり、送れなかったりするのです。 出典: iuse.co.jp

ここから言えることが2つある。1つは、相手のアイコンが一覧に出てこない症状はBluetooth側の問題である割合が高いこと。もう1つは、相手は出てくるのに送信が途中で止まる症状はWi-Fi側の問題である割合が高いことである。症状で切り分けると、確認する場所が半分に減る。

Wi-Fiについて誤解が多いのは、同じネットワークに繋がっている必要はないという点である。AirDropの転送は機器同士が直接結ぶ経路で行われるので、MacがLANケーブルで繋がっていてWi-Fiをオフにしている環境では、ネットワークには繋がっているのにAirDropだけが動かない。Wi-Fiのスイッチそのものがオンになっているかを、接続先とは別に見る。

Appleが案内している距離の条件も、この仕組みから来ている。機器が互いの約10メートル(30フィート)以内にあることが前提になる。壁を1枚挟むだけで届かなくなる場面があるのは、Bluetoothで相手を探す段階が距離に弱いためである。

送る側のMacで見るのは、コントロールセンターと共有ボタン

Macから送る操作は、メニューバーのコントロールセンターから始まる。Appleのユーザガイドに書かれている道順は次の形である。

メニューバーのコントロールセンター状況メニューをクリックし、AirDropアイコンをクリックします。項目を開き、ツールバーの「共有」ボタンをクリックしてから、「AirDrop」をクリックします。共有したい受信者を選択します。 出典: support.apple.com

ここで見落としやすいのが、AirDropアイコンの色である。青くなっていればオン、灰色のままならオフで、オフのまま共有ボタンを押しても相手の一覧は埋まらない。コントロールセンターを開いてアイコンの色を見る、これが1か所めである。

2か所めは、Wi-FiとBluetoothの両方がオンになっているかどうか。コントロールセンターの同じ画面に並んでいるので、AirDropの色と一緒に確認できる。機内モードに近い状態にしているとき、Bluetoothだけをオフにしているとき、節電のために一時的に切ったままになっているときに、この条件が崩れる。

3か所めは、Macの側の受信設定である。Finderのサイドバーから開くAirDropのウインドウにも、コントロールセンターの中にも、誰からの受信を許すかを選ぶ項目がある。ここが受信しない側に寄っていると、Mac自身が相手の一覧に出てこなくなる。MacからiPhoneへ送る操作だけを見れば受信設定は関係なさそうに見えるが、相手を探す通信は双方向なので、片側が完全に閉じていると発見の段階で噛み合わない場面がある。

この3か所を見ても相手が出てこない場合、原因は送る側ではなく受け取る側にある可能性が高くなる。

受け取る側のiPhoneで見るのは、受信の許可と連絡先の中身

iPhoneの側には、誰からの項目を受け取るかを決める設定がある。ここが受信を許さない側になっていると、送る側でどれだけ操作してもアイコンは現れない。設定を開き、一般の中のAirDropに進むと、受け取る範囲を選ぶ画面が出る。すべての人から受け取る設定は、しばらく経つと自動で元に戻る仕組みになっているため、前回うまくいったのに今日は出てこないという症状が起きる。

もう1つの落とし穴は、連絡先のみを選んでいる場合の条件である。Appleは送る側に何が必要かをこう書いている。

受信者が「連絡先のみ」を選択している場合は、あなたがその連絡先リストに登録されていて、連絡先カードにあなたのApple Accountのメールアドレスまたは電話番号が含まれている必要があります。 出典: support.apple.com

自分のMacから自分のiPhoneへ送る場面では、両方が同じApple Accountで繋がっているので、この条件は普通に満たされる。詰まるのは、家族や同僚の機器へ送る場面である。連絡先に名前は入っているのに、そのカードに登録されているのが会社のメールアドレスだけで、相手がApple Accountに使っているアドレスや電話番号が入っていないと、連絡先のみの設定では相手として認識されない。この場合は、相手に一時的にすべての人から受け取る設定へ切り替えてもらうのが早い。

画面がロックされたままのiPhoneも、一覧に出てこないことがある。画面を点けてロックを解除した状態で送る側の操作をやり直すと、それだけで現れる場面がある。

相手が出てこないときに試す順番

条件を1つずつ疑うより、影響の大きいものから順に当てたほうが早く終わる。実務で効く順番は次のようになる。

1つめは、両方の機器を近づけること。距離の条件があるので、机の反対側や別の部屋にある状態で探しても始まらない。手を伸ばせば届く位置に置く。

2つめは、iPhoneの画面を点けてロックを解除すること。

3つめは、Wi-FiとBluetoothを一度オフにして、数秒おいてからオンに戻すこと。Bluetoothで相手を探す部分は、繋ぎ直すことで復活する場面が多い。

4つめは、送る側のAirDropのウインドウを閉じて開き直すこと。開いたまま長く放置したウインドウは、相手の一覧を更新しないことがある。

5つめは、受信設定をすべての人から受け取る側へ一時的に変えること。これで出てくるなら、原因は連絡先カードの中身である。

6つめは、VPNの接続を切ること。仕事用のVPNを常時繋いでいる環境では、機器同士の直接の通信が経路の設定に引っかかる場面がある。

7つめが再起動である。順番を飛ばして最初に再起動する人が多いが、上の6つで直る割合のほうが高く、作業中のアプリを閉じずに済む。

ファイアウォールと共有の設定が通信を塞いでいる場合

送る側のMacで設定を整えても動かないとき、残っている場所がセキュリティ側の設定である。

Macで、ファイアウォールの設定が「外部からの接続をすべてブロック」になっていると、AirDropの通信もさえぎられ、受信できないことがあります。システム設定のセキュリティ項目で、この設定を確認しましょう。ただし、ファイアウォールはセキュリティのための大切な機能です。むやみに全部オフにするのではなく、必要な確認にとどめるのが安心です。 出典: iuse.co.jp

ここで大事なのは、ファイアウォールそのものをオフにする必要はないという点である。問題になるのは、すべての着信接続を塞ぐという強い設定を入れている場合だけで、通常の状態のままAirDropは通る。会社から配られたMacでは、管理者が構成プロファイルでこの設定を固定していることがあり、その場合は自分の操作では変えられない。画面の項目が灰色になって触れないなら、管理している部署に確認する話になる。

もう1つ、同じ画面の近くにある共有の設定も確認する対象になる。画面共有やファイル共有のために特定の項目を細かく調整したMacでは、その調整がAirDropの発見に影響する場面がある。設定を触った記憶がある日から動かなくなったのであれば、その日に何を変えたかを思い出すのが最短の手掛かりになる。

送れないファイルと、急ぐときに取る別の道

条件が揃っていても、送るものの側に理由がある場合がある。容量の大きい動画は、転送の完了までに時間がかかり、その間にどちらかの機器がスリープに入ると中断する。電源に繋いだ状態で送る、送信中は画面を点けたままにするという対処で通ることがある。

複数のファイルを一度にまとめて送るときも、途中で止まりやすい。数を分けて送り直すと通る場面が多い。アプリの中から共有ボタンで送る形と、Finderでファイルを選んで送る形では、扱われるデータの形が違うことがあるため、片方で失敗したらもう片方を試す価値がある。

期限が迫っている作業では、原因を追うより別の経路で渡してしまうほうが合理的である。写真アプリのiCloud写真、iCloud Drive、メッセージへの添付、いずれも同じ機器の組み合わせで使える。原因の切り分けは手が空いたときに回す。

メニューバーが埋まって、AirDropの入口に手が届かない場合

見落とされがちな詰まり方がもう1つある。設定は正しいのに、送る操作を始める場所そのものが押せない状態である。常駐するアプリが増えるほどメニューバーのアイコンは左へ伸び、画面の幅は決まっているので、古いものから順に押し出されて見えなくなる。ノッチのある機種では、アプリのメニューとアイコンの列がぶつかった場所から先が消える。コントロールセンターの項目は右端に近い位置にあるため消えにくいが、Wi-FiやBluetoothの状況メニューを個別に出している構成では、それらが押し出されて通信の状態を目で確かめられなくなる。

このとき起きているのは、AirDropの不調ではなく、確認したい表示に手が届かないという別の問題である。切り分けの手順を1つずつ試すには、Wi-FiとBluetoothの状態が一目で見える状態と、AirDropの入口に1手で届く状態が要る。メニューバーを整理する道具を入れると、仕切りより左に送った項目は畳まれて、通信の状態と時計のまわりが空く。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける形にしておけば、隠した項目も呼び出す手数は増えない。何を分けられるのかはできることに一覧がある。

分け方の目安は、状態を見るだけの項目を隠す側に回し、日に何度も押す項目を見える側に残すことである。AirDropの切り分けを頻繁にする環境なら、Wi-FiとBluetoothの表示は見える側に残す価値がある。逆に、同期の完了を知らせるだけのアイコンや、月に一度しか触らない設定の入口は隠す側に回して差し支えない。同じ役目の道具が複数あるので、方式の違いはほかの道具との違いに整理してある。対応するmacOSの版や必要な許可はよくある質問に書いてある。

通信の条件を整えるのが片方の作業、確かめたい表示に手が届く状態を作るのがもう片方の作業になる。この2つが揃うと、次にAirDropが動かない日が来たときに、原因の場所を目で見て絞り込めるようになる。手元で確かめる場合の条件は料金に、入手の方法はダウンロードに書いてある。

よくある質問

MacとiPhoneが同じWi-Fiに繋がっていないとAirDropは使えない?

同じネットワークに繋がっている必要はない。転送は機器同士が直接結ぶ経路で行われるため、条件はWi-FiとBluetoothのスイッチが両方オンであることと、互いの約10メートル以内にあることである。MacをLANケーブルだけで繋いでWi-Fiをオフにしている環境では、AirDropだけが動かなくなる。

相手のiPhoneが一覧に出てこないときは何から見る?

距離を詰め、iPhoneの画面を点けてロックを解除し、両方のWi-FiとBluetoothを一度オフにしてオンに戻す、この3つを先に試す。それでも出ないなら、iPhoneの設定の一般にあるAirDropで、受け取る範囲を一時的にすべての人へ変えて確かめる。ここで出るなら原因は連絡先カードの中身である。

連絡先に入っている相手なのに送れないのはなぜ?

連絡先のみを選んでいる場合、連絡先カードに相手のApple Accountのメールアドレスか電話番号が含まれている必要がある。会社のアドレスだけを登録したカードでは、条件を満たさず相手として認識されない。カードに正しいアドレスか電話番号を足すか、相手にすべての人から受け取る設定へ切り替えてもらう。

ファイアウォールはオフにしたほうがいい?

オフにする必要はない。影響するのは、すべての着信接続を塞ぐ強い設定を入れている場合だけである。通常の状態のままAirDropは通るため、その項目だけを確認して元に戻す。会社から配られたMacで項目が灰色になって触れない場合は、管理している部署に確認する話になる。

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