AirPodsがMacBookに接続できないとき|切り分けの順番

AirPodsがMacBookに接続できないとき、原因はひとつではない。リストに出てこないのか、出てくるのに繋がらないのか、繋がっているのに音が出ないのか、繋がったあとで勝手に切れるのか。この4つは別の不具合で、直し方も別である。この記事では、どの症状なのかを先に見分けてから、公式に案内されている手順の順番どおりに当たっていく形で整理する。

「接続できない」と呼ばれている症状は4種類ある

検索して出てくる対処法が噛み合わないのは、症状の切り分けをせずに手順だけを並べた記事が多いためである。iPhoneを前提に書かれた説明をMacで試すと、そもそも画面が違う。まず自分の症状がどれなのかを決める。

症状 見込みのある原因 最初に見る場所
Bluetoothのリストに出てこない このMacと一度もペアリングしていない、またはペアリングの状態になっていない 充電ケースの蓋と、設定ボタンかケース前面
リストにはあるが接続できない 古いペアリングの記録が残っている、ほかのデバイスが使っている いったん登録を解除してから、もう一度ペアリングする
接続できているのに音が出ない 音の出口がMacの内蔵スピーカーのままになっている 出力先の選択
繋がったあとで勝手に切れる ほかのAppleデバイスへの自動の切り替え 同じApple Accountで繋がっているデバイス

上の表で言うと、1行目と2行目の違いが一番大きい。一度もペアリングしていないAirPodsは、ケースを開けてペアリングの状態にしないとMacの画面に出てこない。リストに既に名前があるAirPodsは、Macの側に記録が残っているので、その記録自体が邪魔をしていることがある。

どの症状であっても、その前に片方の充電を確かめる。左右のどちらかが充電できていないAirPodsは、Bluetoothの不具合とほとんど同じ見え方になる。片側だけ音が出る、接続してすぐ切れる、という症状はここで説明が付くことが多い。

手順の並びには理由がある

公式に案内されている手順は、後ろの手順が前の手順を前提にする形で並んでいる。途中を飛ばすと、何を確かめられたのかが分からなくなる。

お使いのAirPodsがデバイスのリストに表示されない場合や、表示されるものの接続できない場合は、次の手順に進んでください。 出典: support.apple.com

並びは次のようになっている。MacをアップデートしてmacOSを最新にする、左右両方のAirPodsを充電ケースに入れて両方とも充電されているか確認する、Bluetoothがオンになっていることを確認する、AirPodsを充電ケースから取り出して耳に装着する。次に、コントロールセンターを開いてAirPlayボタンを押し、一覧にAirPodsが出ていれば選んで音を鳴らして確かめる。

それでも駄目なら、左右両方のAirPodsを充電ケースに戻して蓋を閉じ、15秒待ってから蓋を開ける。この待ち時間は形式的なものではない。蓋を閉じてすぐ開けると、ケースが自分の存在を知らせる状態に入り直せない。

そのあとがペアリングの状態にする操作である。ここでMacの場合は、手動でペアリングする手順に案内が分かれる。方法は機種によって違い、AirPods 4、AirPods 5、AirPods Pro 3はケースの前面をダブルタップする。設定ボタンがある機種はケースの背面のボタンを長押しし、AirPods Maxではノイズコントロールボタンが同じ役割になる。いずれもステータスランプが白く点滅するのが合図で、白以外の色はペアリングの状態になっていないという意味になる。

リセットはこの並びの最後に置かれている。最初に試すものとして案内されているわけではない。

macOSのアップデートを飛ばさない理由

先頭に置かれているアップデートは、いちばん省略されやすいうえに、理由がはっきりしている手順である。AirPodsは世代ごとに動作するシステムの条件があり、条件を下回るMacでは認識そのものが安定しない場合や、認識はしても新しい機能が使えない場合がある。

買ったばかりのAirPodsを、しばらく更新していないMacBookに繋ごうとしている場合は、ここが原因である見込みが十分にある。Bluetoothの設定を何度も入れ直しても状況は変わらない。ソフトウェアアップデートの画面を先に開いて、待っている更新が無いかを見ておく。

逆に、昨日まで問題なく使えていて今日から繋がらなくなった場合は、アップデートの直後かどうかを思い出す価値がある。システムを更新した日を境に挙動が変わったのであれば、切り分けの範囲がかなり狭くなる。

Mac側のペアリング画面は、iPhoneとは別物

AirPodsの説明は、iPhoneを前提に書かれているものが多い。iPhoneでは画面にカードが出てきて、そこを押すだけで終わる。Macにはそのカードが出ないので、設定の画面から操作する。

Appleメニューからシステム設定を開き、サイドバーのBluetoothを選ぶ。項目が下のほうにあるので、スクロールが必要になることがある。ケースを開けてペアリングの状態にしていれば、近くのデバイスの一覧にAirPodsの名前が出る。名前の上にポインタを重ねると接続のボタンが出るので、そこを押す。

この画面で引っかかりやすい点が2つある。

ひとつは、一覧が「このMacに登録済みのデバイス」と「近くにあるデバイス」に分かれていること。登録済みのほうに名前があるのに繋がらない場合は、接続のボタンを何度も押すより、いったん登録を解除してから新しいデバイスとしてペアリングし直すほうが早い。古い記録が残ったままでは、同じ状態に戻ることが多い。

もうひとつは、探している瞬間にAirPods側が自分の存在を知らせている必要があること。蓋を開けたまま何分も置いたケースは、その状態から抜けている。閉じてから開け直す。

一度ペアリングできたあとは、コントロールセンターのBluetoothの項目から一覧を出して選ぶほうが手数が少ない。毎日の操作はこちらになる。

接続できているのに音が出ない場合

これは一番Bluetoothの不具合に見えにくく、そして一番Bluetoothの不具合と間違われる症状である。接続済みと表示され、バッテリーの残量も見えているのに、音はMacBookのスピーカーから出る。

Macでは、Bluetoothの接続と音の出口の設定が別になっている。接続されたデバイスは「出力先として選べる状態」になるだけで、自動的に選ばれるわけではない。公式の手順でも、コントロールセンターを開いてAirPlayボタンを押し、一覧からAirPodsを選ぶという操作が別の手順として置かれている。

この症状が繰り返す理由も2つある。アプリによっては自分の側で出力先を持っていて、システムの設定とは別に動く。通話のアプリや音楽のアプリが、ほかは切り替わったあともスピーカーを使い続けるのはこれである。もう一方は、AirPodsが一時的に切れている間に選ばれた出力先が、戻ってきたあとも選ばれたままになること。日によって出たり出なかったりするのは、設定を変えていなくても起こる。

音が出ないことが本題なら、Bluetooth側を触る前に出力先の選択を見る。ペアリングが原因でない症状は、ペアリングをやり直しても直らない。

勝手に切れるのは、多くの場合は切り替えの動作

AirPodsは、1台のAppleデバイスで設定すると、同じApple Accountにサインインしているほかのデバイスにも自動で繋がる。机の上にMacBookとiPhoneが並んでいる状態では、この動作が不具合とほとんど同じ見え方になる。作業の途中でAirPodsがMacから離れ、Macは接続が切れたと表示する。

実際に起きているのは、iPhoneの側がAirPodsを呼んだことである。音の出る通知、着信、動画の再生開始で足りる。壊れているわけではない。

見分け方は時刻の一致である。iPhoneが何かをした瞬間に切れているなら切り替えの動作で、iPhoneが別の部屋にあり電源も切れている状態で切れるなら、それは切り替えではない。後者はMac側を見る話になる。

リセットで失うもの

リセットは手順の最後に置かれている操作で、走らせる前に何が消えるのかを知っておく価値がある。AirPods自身が覚えているペアリングの記録が消えるので、そのAirPodsを使っていたすべてのデバイスで、もう一度ペアリングすることになる。困っているMacだけの話では終わらない。

AirPodsを充電ケースに入れ、蓋を閉めて30秒待ちます。 出典: support.apple.com

この手順が当てはまるのはAirPods 1からAirPods 3、AirPods Pro 1とAirPods Pro 2である。蓋を開けたあと、ケースの背面にある設定ボタンを15秒ほど長押しする。ステータスランプがオレンジ色に点滅し、続いて白く点滅したら、画面の案内に従って繋ぎ直す。

AirPods 4、AirPods 5、AirPods Pro 3には設定ボタンが無い。ケースの前面をダブルタップする操作を、ステータスランプの状態を見ながら段階的に行う。終わりの合図はどの機種でも同じで、オレンジ色の点滅から白い点滅に変わる。

リセットの前に飛ばしやすい手順が1つある。公式の手順では、ペアリングしているデバイスのBluetoothの一覧からAirPodsの登録を先に解除するよう案内されている。困っているMacの側でも、同じように登録を解除しておく。古い記録を残したままリセットすると、同じ状態に繋ぎ直してしまうことがある。

AirPodsではなくMac側が原因のとき

ここまでは、AirPodsだけが繋がらない前提で書いている。そうでない場合がある。

判定はほかのデバイスで行う。Bluetoothのマウスやキーボード、スピーカーも同時に繋がらない、あるいはBluetoothの画面に近くのデバイスが1つも出てこないなら、Mac側を見る。この段階で再起動は妥当な手になる。Bluetoothの仕組みも一緒に起動し直るためである。ふだん使っている入力機器が繋がらなくなっている場合に備えて、有線のキーボードか本体のトラックパッドを使える状態にしておく。

物理的な条件は、見た目より効く。Bluetoothは届く距離が短く、ほかの機器と同じ帯を共有している。ドッキングステーション、物の多い机、金属のモニタースタンドが間に入るだけで、机の反対側では問題なく使える接続が不安定になる。

メニューバー側から確かめられること

ここまでの切り分けは、Bluetoothの状態が画面のどこかに見えているほど速く進む。Bluetoothの項目をメニューバーに出すかどうかは、Bluetoothの設定ではなく、システム設定のサイドバーにある「メニューバー」で決まる。ここに並んだコントロールのチェックボックスを選ぶ形になっている。接続と切断が繰り返される症状を追うなら、出しておいたほうがよい項目である。

ところがMacBookのメニューバーは、常駐アプリのアイコンで先に埋まっている。画面の幅は決まっているので、増えた分だけ古いものが押し出される。ノッチのある機種では、隠れて押せなくなる項目も出る。Bluetoothの項目が最初に犠牲になるのは、この順番のためである。

メニューバーを整理する道具を入れると、使う項目と、ふだんは見なくてよい項目を分けられる。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける形にしておくと、必要なときだけ呼び出す運用になる。何を隠して何を残せるのかはできることにまとめてある。対応しているmacOSの版や、同じ役目の道具を2つ同時に動かした場合にどうなるかはよくある質問に書いてある。

切り分けの実務としては、Bluetoothと音量の項目を常に見える側に置き、日に一度も押さない常駐アプリを隠す側に回す。この並べ替えだけで、接続が切れた瞬間に何が起きたのかを画面で確かめられるようになる。試す場合の条件は料金に書いてある。

よくある質問

iPhoneには繋がるのにMacBookに繋がらないのはなぜ?

AirPodsは同じApple Accountのデバイスに自動で繋がる仕組みで、出力先としては一度に1台しか持てない。iPhoneが先に使っている間、Macの側では接続が切れた表示になる。MacのコントロールセンターにあるBluetoothの項目から選び直すと戻ってくる。

接続はできているのに音が出ないときはどこを見ればよい?

Bluetoothの接続と音の出口は別の設定である。コントロールセンターを開いてAirPlayボタンからAirPodsを選ぶ。アプリが自分の側で出力先を持っている場合があるため、ほかのアプリでは音が出るのに特定のアプリだけ出ないときは、そのアプリの設定も見る。

リセットは最初に試してよい?

公式の手順ではリセットは最後に置かれている。macOSのアップデート、左右の充電の確認、蓋を閉じて15秒待ってから開ける操作、ペアリングの状態にする操作を先に行う。リセットするとAirPods側のペアリングの記録が消えるため、使っていたすべてのデバイスで繋ぎ直すことになる。

Bluetoothの一覧にAirPodsの名前が出てこないのはなぜ?

Macが探している瞬間に、AirPods側が自分の存在を知らせていないためである。ケースに入れて蓋を開けた状態で、AirPods 4、AirPods 5、AirPods Pro 3はケース前面をダブルタップし、それより前の機種は背面の設定ボタンをステータスランプが白く点滅するまで長押しする。蓋を開けたまま放置したケースはこの状態から抜けているため、閉じて開け直す。

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