AlDenteの代わりを探すとき|手放してよい機能を先に決める
充電を80%で止めるために入れた常駐アプリの、代わりになるものを探している。理由は費用かもしれないし、動作が不安定になったからかもしれないし、メニューバーの一等地をひとつ占め続けていることかもしれない。代わりを探す作業は、候補を並べるところから始めると長引く。先に決めるべきなのは「いま使っている機能のうち、どれを手放してよいか」のほうである。この記事は、公開されている情報をもとに、その仕分けの材料をまとめたものになる。
充電を止める働きは、macOS本体の側に寄りはじめた
バッテリーの充電上限を下げて長持ちさせる、という考え方は、いまや一部の人の工夫ではなくなった。Appleは以前からOptimized Battery Chargingを用意しており、開発元の説明によれば、macOS 26.4の最初のベータで手動の充電上限の設定が加わっている。
macOS 26.4 has entered its first beta, and with it, Apple expanded Optimized Battery Charging to include a built-in manual Charge Limiter. 出典: apphousekitchen.com
この動きは、代わりを探している人にとって重要な前提になる。充電上限を決めるという一点だけが目的なら、選択肢はサードパーティのアプリの中だけにあるのではない、ということだからである。開発元は2020年2月19日にGitHubで最初の版を公開し、有料版のPro版は2021年4月に始まった。その6年ほどの間に、OS側が同じ領域に降りてきた形になる。
一方で、開発元は同じ記事の中で、Apple側の実装は基本的な用途を押さえるもので、細かい制御まで置き換えるものではないという立場を示している。どちらが正しいかを決める必要はない。読む側がすべきなのは、自分が使っているのが「基本的な用途」の側なのか、それとも細かい制御の側なのかを見極めることである。
代わりを探す前に、使っている機能を4つに仕分ける
充電制御の常駐アプリに含まれる機能は、性質の違うものが混ざっている。手放してよいかどうかの判断は、次の4つに分けると付けやすい。
- 上限を決めて止めるだけの機能。プラグを挿したまま80%で保つ、といった使い方がこれにあたる
- スリープ中や電源オフ中も上限を守らせる機能。蓋を閉じたあとの挙動を決める部分になる
- 電池の状態を測って直す機能。放電、キャリブレーション、発熱による充電停止などが含まれる
- 見せ方と操作の機能。メニューバーの表示内容、ポップアップの見た目、ショートカット連携など
代わりを探すときに詰まる原因は、この4つをひとまとめに「充電を管理するアプリ」と呼んでいることにある。1つ目だけが必要なら選べる先は広く、2つ目や3つ目まで必要なら選べる先は急に狭くなる。まずは設定画面を開いて、実際に触ったことのある項目に印を付けるところから始めたい。
印を付けてみると、多くの場合は1つ目と、せいぜい2つ目までしか使っていない。3つ目のキャリブレーションや発熱制御は、詰まったときに一度触るだけで、日常的に操作するものではない。4つ目の見せ方は、メニューバーの混雑という別の問題に直結しているので、あとの節で改めて扱う。
無料版とPro版の線引きは公開されている
同じ名前のアプリの中でも、無料版と有料版で線が引かれている。開発元の料金ページに一覧があり、無料版に入るのは充電上限と放電の2つだけで、残りは有料版の側に置かれている。
| 機能 | 無料版 | Pro版 |
|---|---|---|
| 充電上限(Charge Limiter) | あり | あり |
| 放電(Discharge) | あり | あり |
| 自動放電 | なし | あり |
| 蓋を閉じた状態での放電 | なし | あり |
| 発熱時の充電停止(Heat Protection) | なし | あり |
| Sailing Mode | なし | あり |
| MagSafeのLED制御 | なし | あり |
| キャリブレーションモード | なし | あり |
| Apple ショートカット連携 | なし | あり |
| メニューバー表示の変更 | なし | あり |
| ポップアップ画面の変更 | なし | あり |
料金は年額11.49ユーロのサブスクリプションと、買い切りの23.99ユーロのライセンスがあり、Setappの月額9.99ドルのプランに含まれる形でも提供されている。ライセンスは1つの購入につき1つのキーで、同時に有効化できるのは3つのmacOSユーザーアカウントまでとされている。対応するmacOSは12 Montereyから26 Tahoeまでで、11 Big Sur向けは1.37.3までの旧版がGitHubに置かれている。この情報は2026年9月10日に公式の料金ページで確認したもので、価格や対応範囲は改定されることがある。
線引きを見ると分かるのは、無料版のままでも上限を決める用途は満たせるということである。費用が理由で代わりを探しているなら、別のアプリに移る前に、有料版で使っている機能が本当に必要かを確かめる余地がある。
macOS側でまかなえる範囲と、その限界
macOSに元から入っている機能で代替できるかどうかは、上の仕分けの1つ目に絞ったときに検討する価値がある。開発元のよくある質問には、macOS 26.4の充電上限の設定と併用する場合の推奨が書かれており、双方が干渉しないよう、macOS側の上限を100%にしてOptimized Battery Chargingを切ることが勧められている。逆に言えば、macOS側だけで運用するならサードパーティのアプリを外しておくのが筋になる。
同じページには、macOS側の上限設定はMacの電源を切った状態では保持されないという記述もある。蓋を閉じたあとや電源を落としたあとの充電まで抑えたい場合、この差は効いてくる。Appleの「バッテリー寿命の管理」については、有効にすると最大容量が約5%恒久的に引き下げられるという説明が開発元側から出ている。macOSの各版の仕様はAppleの公開情報で確認できる。
まとめ方としては、「プラグを挿しっぱなしの時間が長く、上限を決めたいだけ」ならOS側の機能で足りる可能性が高い。「蓋を閉じた状態や電源オフ中の挙動まで決めたい」「放電やキャリブレーションを自分の意思で走らせたい」なら、OS側だけでは届かない。
有志が公開している充電制御の道具
無料で使える別系統の選択肢として、オープンソースで公開されているものがある。事実として確認できる範囲を並べる。
- Battery Toolkit。Apple silicon搭載Macの電源状態を制御するアプリで、ライセンスはBSD-3-Clause。GitHubのスター数は2,500前後
- battery。Apple siliconのMac向けにコマンドラインと画面の両方から充電状態を管理する道具で、ライセンスはMIT。スター数は7,200前後
どちらもApple silicon向けであり、Intel搭載機を使っている場合は前提が変わる。数値は2026年9月10日時点のもので、開発の状況や対応範囲は各リポジトリの記載を見るのが確実になる。オープンソースであることは、費用がかからないという意味と、サポートの窓口が有償の製品とは違う形になるという意味の両方を持つ。
費用が理由なら、先に金額の計算を済ませる
更新の案内が届いたことがきっかけで代わりを探し始めた場合、金額が小さいだけに、感覚ではなく数字で比べておいたほうが早く決まる。
年額のサブスクリプションは11.49ユーロ、買い切りのライセンスは23.99ユーロである。単純に割ると、およそ2年を超えて使い続ける見込みがあるなら、年額を払い続けるより買い切りのほうが総額は小さくなる。更新の案内をきっかけに探し始めた人の一定数は、この一点を確かめるだけで、乗り換えずに支払いの形を変える結論に落ち着く。
Setappの経路は考え方が違う。月額9.99ドルは単体のライセンスの何倍かにあたるため、同じ束に入っている240本を超える他のアプリを使いたい場合に意味を持つ。束は束として評価するもので、1本の道具を手に入れる手段として見ると割高に見える。
この金額に対して、無料版、macOS本体の充電上限、オープンソースの道具は、いずれも費用がかからない。つまり有料版に払っているのは、先の仕分けで言う2つ目から4つ目の部分ということになる。印を付けた項目が1つ目だけだったなら比べるまでもなく、印が2つ目以降に付いていたなら、年額はコーヒー数杯分であり、判断の軸は費用ではないところにある。
もう一つ、計算に入れておきたい変数がある。充電制御の道具を試して入れ替える時間そのものも費用である。しかも充電の挙動は、静かに効かなくなっていても画面上は何も変わらないため、気づくまでに数週間かかることがある。上限が守られていない状態と守られている状態は、電池の健康状態の数字が動くまで見分けが付きにくい。
乗り換えの前に片付けておく手続き
別のものに移ると決めた場合、入れ替えの順番を間違えると充電そのものが止まったままになることがある。公開されている手順から、押さえておく点を挙げる。
- 有料ライセンスを持っているなら、古いMacで無効化してから新しい環境で有効化する。設定画面のライセンス管理から解除する流れになっている
- ライセンスの検証は最長で30日ごとにインターネット接続を求められる。長期間オフラインだと無料版に戻り、再接続後に手動で有効化し直すことになる
- アンインストールの前に充電上限を100%に戻し、30秒ほど待って設定が反映されてからアプリを終了する。開発元は、この手順を踏まずに消すと充電されなくなる例があると案内している
- アンインストール時はヘルパーアプリの削除でmacOSのパスワード入力を求められ、そのあとMacの再起動が案内されている
充電されなくなった場合の戻し方も公開されている。Apple silicon搭載機なら電源に挿したまま電源を切り、蓋を閉じて2分待ってから起動する。Intel搭載機ならSMCのリセットで、手順はAppleサポートに案内がある。
代わりを探しても、メニューバーの混雑は減らない
代わりを探す動機がメニューバーの混雑である場合、注意しておきたい点がある。充電制御のアプリをどれに替えても、メニューバーに置かれるアイコンは1つのままである。減るのではなく、絵柄が変わるだけになる。
いま画面上端に並んでいるアイコンを数えると、クラウドストレージ、チャット、パスワード管理、バックアップ、会議、入力の切り替え、そして充電制御と、10個前後になっていることが多い。押す頻度で分けると、1日に何度も押すものは2つか3つで、残りは状態を見たいときだけ押すもの、あるいは一度も押さないものになる。この仕分けができていれば、充電制御のアイコンをどう扱うかも自然に決まる。状態を色で示す作りになっているため、常に見せておきたい人と、必要なときだけ呼び出せれば足りる人に分かれる。
必要なときだけ呼び出す側を選ぶなら、メニューバーを整理する道具の出番になる。畳んで隠したうえで、押したいときにはその場でメニューを開けるかどうかが分かれ目で、できることには隠したアイコンの呼び出し方が説明されている。同じ用途の道具が複数あるため、対応するmacOSの範囲や提供の形を並べて見たい場合はほかの道具との違いが参考になる。費用の形は買い切りと期間契約で考え方が変わるので、料金で支払いの形を確かめておくとよい。権限の許可や設定の引き継ぎでつまずきやすい点はよくある質問にまとまっており、実際に手元で試す段になったらダウンロードから対応するmacOSの範囲を見て入手する流れになる。
決める順番をもう一度書いておく。使っている機能を4つに仕分け、1つ目だけならOS側か無料版で足りるかを確かめ、2つ目以降が必要なら費用の形を見比べる。そのうえで、メニューバーの1マスをどう扱うかは、充電制御のアプリの選び直しとは別の問題として片付ける。この順番で進めると、候補を並べるだけで終わる時間を短くできる。
よくある質問
無料版のままでも充電上限は使える?
使える。開発元の料金ページでは、無料版に含まれるのは充電上限と放電の2つで、自動放電、発熱時の充電停止、キャリブレーション、表示の変更などは有料版の側に置かれている。上限を決めて止めたいだけなら、無料版で用途を満たせる場合が多い。
macOSの充電上限とアプリの上限は同時に使ってよい?
開発元は干渉を避けるため、macOS側の上限を100%にしてOptimized Battery Chargingを無効にすることを勧めている。両方で上限を決めると意図しない動きになりやすい。どちらに任せるかを先に決め、片方だけを有効にする形が扱いやすい。
乗り換えるときにライセンスはどうすればよい?
古い環境で無効化してから新しい環境で有効化する。1つの購入で得られるキーは、同時に3つのmacOSユーザーアカウントまで有効にできる。無効化を忘れたまま端末を手放した場合は、決済を扱っている事業者の窓口に連絡する案内が出ている。
アンインストールしたら充電されなくなった。
充電上限を100%に戻さないまま削除すると、この状態になることがある。Apple silicon搭載機なら電源に挿したまま電源を切り、蓋を閉じて2分ほど待ってから起動する。Intel搭載機の場合はSMCのリセットで戻る例が案内されている。