AlDenteの使い方と初期設定|入れた直後に決めておくこと

充電の上限を決めるアプリを入れたものの、設定画面に並ぶ項目が多くて、どれを触ればよいのか分からないまま既定のまま使っている。あるいは上限を決めたはずなのに、朝になると100%まで充電されている。AlDenteの使い方でつまずくのは、たいていこの2か所である。

この記事は、導入から初期設定までを決める順番に並べ直したものである。機能の一覧を頭から眺めるのではなく、最初に決めるべきこと、あとで足せばよいこと、そして触ると別の設定と衝突するものを分けていく。あわせて、この種の常駐アプリがメニューバーに置く枠をどう扱うかも最後に整理する。

導入は署名付きのインストーラを通る

配布元の導入案内によれば、手順はダウンロードしたpkg形式のファイルを開き、インストーラの案内に沿って進める形になっている。途中でMacのパスワードを求められることがあり、これはインストーラがシステム側の場所にファイルを置くために必要なものだと説明されている。完了したらアプリケーションフォルダから起動し、初回の案内に従って設定を進める、という流れである。

ここで押さえておきたいのは、この種のアプリが管理者権限で動く補助プログラムを併せて入れる作りになっている点である。充電を止めたり再開したりする操作は、通常のアプリの権限では届かない層にある。だからパスワードを求められるし、あとで消すときにも同じようにパスワードを求められる。過去の更新履歴には、再起動のたびに補助プログラムの再導入を促す不具合を直した、という記述もある。導入直後にこの種の確認が繰り返し出る場合は、アプリ側の版が古い可能性を先に疑うとよい。

配布元は、アプリがAppleの公証を受けていることを料金ページに明記している。初回起動時に警告が出た場合は開くを選ぶ、という案内も導入手順に含まれている。対応するのはmacOS 12 Montereyから26 Tahoeまでで、macOS 11 Big Surは1.37.3までとされている。手元のmacOSがこの範囲に入っているかは、入れる前に確かめておきたい。

最初に決めるのは上限の数字だけでよい

初期設定でまず決めるのは充電の上限である。配布元の機能解説には、スライダーを動かすか、パーセント表示を直接押して数字を打ち込むかの2通りが書かれている。現在の残量が設定した上限より高ければ、その場で充電が止まり、残量はそのまま保たれる。上限より低ければ、上限に達するまで充電が続き、達したところで充電が止まって電源アダプタからの給電だけになる。

上限を何%にするかについて、配布元は断定を避けている。研究によって値が違い、MacBookの電池も世代ごとに変わるためだとしたうえで、非常に穏やかな水準としては50%が定着しており、80%も電池の寿命にとって良好であるとしている。まとめると50%から80%の範囲が良い、という書き方である。据え置きで使う時間が長いなら低め、持ち出す頻度が高いなら高めという分け方が現実的になる。

注意点が1つある。2026年9月8日に公開された1.39では、80%より低い上限を使う場合に、充電設定の中のスイッチを別途有効にする必要があるという変更が入っている。Appleの新しい充電制御と組み合わせたときの挙動を優先した変更だと説明されている。以前の版で50%に設定していた人が、更新後に上限が効かないと感じる場面は、この変更が原因になりうる。

macOS側の設定と重ねない

使い方の質問で最も多く、そして最も見落とされやすいのがこの部分である。配布元のよくある質問には、macOS 26.4の充電上限の設定について、macOS側の上限は100%にして最適化されたバッテリー充電は無効にすることを勧める、という記述がある。理由は、アプリとmacOSが互いに干渉して予期しない挙動になるのを避けるためで、加えてmacOS側の上限はMacの電源を切ると保持されないとも書かれている。

Appleの「バッテリー寿命の管理」についても同様に、有効にすると最大容量が恒久的に5%ほど下げられるため、無効にしたうえでアプリ側の上限を使うことを勧める、と案内されている。つまり、初期設定の段階でmacOS側の充電まわりの機能を一度整理してから、アプリ側で上限を決める順番になる。両方を有効にしたまま使うと、どちらが効いているのか分からない状態に陥る。

In general, we recommend setting the macOS charge limit to 100% and disabling Optimized Battery Charging to avoid any unexpected behavior caused by AlDente and macOS interfering with each other. 出典: apphousekitchen.com

蓋を閉じたあとの挙動は、有料版の設定で決まる

上限を決めたのに朝には満充電になっている、という症状の正体はここにある。配布元は、Macがスリープ中や電源を切った状態では他社製のアプリが動けず、充電の挙動に手を出せないと説明している。その結果、電源に繋いだまま蓋を閉じると、設定した上限に関係なく100%まで充電が進む。

これを止めるための設定が2つ用意されている。「Stop charging when sleeping」は、スリープに入る直前で充電を止め、そのときの残量のまま保つ。「Stop charging when app closed」は、アプリを終了しても上限を保持する設定で、Apple silicon搭載機だけの機能とされている。ただし後者はMacの電源を切ると上限が100%に戻る、という但し書きが付いている。

逆に、上限に達するまで眠らせたくない場面のための設定もある。「Disable Sleep until Charge Limit」を有効にすると、上限に達するまでスリープを止めておく。蓋を閉じていても画面が消えるだけで、上限に達した時点でスリープが戻る、という挙動が説明されている。ここで注意したいのは、この設定が有効なあいだMacが眠らないため、システムのスリープが灰色になって選べない、といった別アプリ側の症状につながりうる点である。

なお、複数のユーザーアカウントで1台を使い分けている場合は、それぞれのアカウントにアプリを入れておく必要があると案内されている。入っていないアカウントに切り替えると、その間は100%へ向けて充電が進む。

あとから足す設定は、目的別に分けて考える

上限を決めてmacOS側と整理したら、残りの設定は必要になったときに足せばよい。目的別に並べると次のようになる。

  • 電池の温度が上がるときに充電を止めたい。温度で止める設定を有効にし、上限温度を決める。配布元はAppleが周囲温度35度を超える環境での使用を勧めていないことを挙げ、35度を目安にすると書いている。閾値に達すると充電が止まり、5分単位で判定し直す仕組みになっている
  • 上限のところで細かく充電が入るのを減らしたい。下限を決めて、そこまで下がるまで再充電しない設定を使う。配布元は5%から10%を目安として挙げている
  • 遠出の前だけ満充電にしたい。一度だけ100%まで充電する機能を使う。電源を外すと自動で解除され、元の上限に戻る
  • 残量表示がずれてきた。充電と放電を一巡させる較正の機能を使う。100%まで充電し、10%まで放電し、再び100%にして1時間保ち、元の上限へ戻る流れが説明されている
  • 毎回手で操作したくない。曜日と時刻を決めて動かす予定表の機能を使う。上限の変更、較正の開始、一時的な満充電、充電の一時停止、指定した値までの放電の5種類を割り当てられる
  • ほかの自動化と組み合わせたい。ショートカットアプリからの操作に対応しており、上限の設定、残量の取得、状態の取得、温度の取得などが用意されている

これらはすべて有料版側の機能である。無料版で使えるのは上限と手動の放電の2つだけなので、上の一覧に自分の目的が含まれているかどうかが、そのまま支払いの判断材料になる。

順番としては、上限を1つ決めてmacOS側を整理したら、そのまま1週間ほど何も足さずに使うのがよい。設定を一度にすべて有効にすると、想定と違う動きが出たときに、どの設定が原因なのかを切り分けられなくなる。とくに温度で止める設定と、下限を決めて再充電を減らす設定と、較正の機能は、互いの動作に影響する。配布元も、較正のあいだは温度による停止と自動放電を一時的に無効にすると明記している。足すのは、実際に困った場面が出てからで間に合う。

予定表の機能を使う場合にも、前提が1つある。配布元は、Macがスリープ中や電源を切った状態では予定していた処理が実行されないと説明している。次に電源が入ったときやスリープから復帰したときに実行する設定を有効にすれば取りこぼしは減るが、ほぼ毎日使っているMacでなければ未処理が溜まると注意書きが添えられている。夜中に動かす前提の予定は、思ったとおりに走らない可能性を織り込んでおきたい。

動かなくなったときに最初に見る場所

配布元は、macOSの更新のあとに一部の利用者で一時的に動かなくなる場合があると認めている。案内されている手順は、電源を外して現在の上限より低いところまで放電し、Macの電源を切って蓋を閉じ数分待ち、電源アダプタをコンセントから抜いて数分待ち、Macを起動して繋ぎ直す、という順番である。

充電そのものが始まらなくなった場合は別の手順が用意されている。Apple silicon搭載機では、電源に繋いだ状態でMacの電源を切り、蓋を閉じて2分待ってから起動する。Intel搭載機ではAppleの案内に沿ってSMCをリセットする。この症状は導入や削除の途中で何かがうまくいかなかったときに起きやすいと説明されている。macOSの操作手順そのものはAppleサポートにまとまっている。

もう1つ、外部機器との相性の話が挙げられている。一部の他社製Thunderboltドックが機能と噛み合わず、放電中に接続が切れる事例が報告されているという記述である。ドック経由で給電している環境で挙動が安定しない場合は、直接電源に繋いだ状態で確認すると切り分けが進む。

メニューバーの枠をどう扱うか

初期設定の最後に決めておきたいのが、この常駐アプリをメニューバーにどう出しておくかである。配布元の案内には、見た目の設定として、メニューバーのアイコンを隠す項目と、Dockのアイコンを出すかどうかの項目が挙げられている。有料版ではメニューバーに出す項目を作り替えることもできる。

ただし、メニューバーのアイコンを隠す設定を使うと、残量を見る場所も上限を変える入口も無くなる。上限を決めて放っておく使い方なら成立するが、遠出の前に満充電へ切り替えるといった操作をする人には向かない。過去の更新履歴には、主要な電池アイコンだけを非表示にすると項目がすべて消えてしまう不具合を直した、という記述もある。表示まわりは、アプリ側の設定だけで思いどおりにするのが難しい領域である。

そこで、メニューバーの並び自体を畳む道具を1つ入れて、電池のアイコンを消さずに視界から外す方法がある。できることには、項目をどう畳み、隠したものをどう呼び出すかが説明されている。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りであれば、畳んだままでも上限の変更に手が届く。

同じ用途の道具は複数あり、対応するmacOSの範囲も提供の形もそれぞれ違う。ほかの道具との違いには、用途の近い道具が並べて示されている。支払いの形を比べるなら料金を、権限や初期設定でつまずきやすい点はよくある質問を見ておくと、入れる前に判断できる。実際に試す段になったらダウンロードから対応範囲を確かめて入手する。

この記事に挙げた設定名と手順は、2026年9月10日に配布元の公開ページと更新履歴で確認したものである。版が上がると設定の位置や既定値が変わることがあるため、手順どおりに進まないときは、まず手元のアプリの版を確かめるところから始めたい。

よくある質問

AlDenteの充電上限は何%にすればよい?

配布元は断定を避けており、非常に穏やかな水準としては50%が定着していること、80%も電池の寿命にとって良好であることを挙げたうえで、50%から80%の範囲が良いとしている。据え置きで使う時間が長いなら低め、持ち出す頻度が高いなら高めに寄せるのが現実的である。

上限を決めたのに、朝には100%になっているのはなぜ?

スリープ中や電源を切った状態では他社製アプリが動けないため、無料版では上限に関係なく充電が進むと配布元が説明している。これを止める「Stop charging when sleeping」と「Stop charging when app closed」は有料版側の設定で、後者はApple silicon搭載機のみが対象である。

macOSの充電上限と同時に使ってもよい?

配布元は、両者が干渉して予期しない挙動になるのを避けるため、macOS側の上限は100%にして最適化されたバッテリー充電を無効にすることを勧めている。Appleの「バッテリー寿命の管理」についても、最大容量が恒久的に下がるため無効にすることを案内している。

メニューバーのアイコンを消すと何が困る?

残量を見る場所と、上限を変える入口が同時に無くなる。上限を決めて放っておく使い方なら成立するが、遠出の前に満充電へ切り替えるような操作をするなら不便になる。メニューバーの並びごと畳む道具を使えば、アイコンを残したまま視界から外せる。

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