AlDenteの料金と無料でできる範囲|買い切りか、継続課金か
メニューバーの右端に電池まわりのアイコンが増え、押したいものを探すのに毎回目が泳ぐ。そのうちの一つがAlDenteで、無料のまま使い続けるか、有料版に切り替えるかを決めかねている。この記事は、2026年9月10日時点で配布元が公開している料金表と機能の区切りをそのまま並べ、どこまでが無料で動き、どこから支払いが必要になるのかを整理したものである。
料金の話は、金額の比較だけでは終わらない。支払いの入口が3つあり、それぞれ解約の窓口も台数の数え方も違う。さらに、この分野はmacOS側の標準機能が近づいてきている領域でもあるため、いま払う意味がどこにあるのかも変わりつつある。順に見ていく。
無料版で丸が付いているのは2項目だけ
配布元の料金ページには、無料版と有料版で使える機能が縦に並べて示されている。並んでいるのは全13項目で、そのうち無料版に丸が付いているのはCharge Limiter(充電上限)とDischarge(放電)の2項目である。残りの11項目には、無料版の列にバツが付いている。
バツが付いている側を書き出すと、次のようになる。
- Automatic Discharge(設定した上限より電池が多いとき、自動で放電する)
- Discharge in Clamshell Mode(蓋を閉じて外部ディスプレイに繋いだ状態での放電)
- Heat Protection(電池温度が閾値を超えたら充電を止める)
- Sailing Mode(下限を決めて、こまめな再充電を減らす)
- Control MagSafe LED(充電状態に合わせてLEDの色を変える)
- Top Up(一度だけ100%まで充電する)
- Calibration Mode(充電と放電を一巡させて残量表示のずれを直す)
- Apple Shortcuts Support(ショートカットからの操作)
- Customizable Menubar Icons(メニューバーに出す項目の作り替え)
- Customizable Popup Window(ポップアップ画面の作り替え)
- E-Mail Support(メールでの問い合わせ対応)
メニューバーが埋まっている人にとって見逃せないのは、この一覧の下から3番目である。メニューバーに何を出すかを選ぶ設定そのものが有料版側にあり、無料版では既定の表示のまま使うことになる。電池の表示を細かくしたい、あるいは表示を減らしたいという要求は、料金の判断と切り離せない位置にある。
有料版の入口は3つあり、値段の考え方が違う
有料版への入口は、配布元のページに3つ並んでいる。2026年9月10日時点の表示価格は次のとおりである。
| 入口 | 表示価格 | 支払いの形 |
|---|---|---|
| 年額ライセンス | 11.49ユーロ | 1年ごとの自動更新。いつでも解約可 |
| 買い切りライセンス | 23.99ユーロ | 一度きりの支払い |
| Setapp経由 | 9.99ユーロ/月 | 240本以上のアプリを含む月額サービス |
年額と買い切りの関係は、割り算をすると見えてくる。年額11.49ユーロを2年分積み上げると22.98ユーロで、買い切りの23.99ユーロをまだ下回る。3年分では34.47ユーロになり、買い切りを上回る。つまり、3年目に入る時点で買い切りのほうが安くなる計算になる。いま使っているMacをあと何年使うつもりかが、そのまま判断材料になる。
3つ目のSetappは、この製品だけを買う入口ではない。配布元のページには、月額9.99ユーロで有料版に加えて240本以上のアプリが使えると書かれている。この製品だけを目当てにするなら年額より高くつくが、ほかにも使いたいアプリが同じサービスに含まれているなら見え方が変わる。ここは、手元にあるアプリの棚卸しをしてから決める部分になる。
支払いと解約は決済代行の側にある
配布元のよくある質問には、決済まわりの窓口について書かれている。購入の処理を担っているのは決済代行のPaddleで、領収書の再発行、ライセンスコードの再送、支払い方法の変更、そして定期購入の解約は、いずれもPaddleの購入者向けページから手続きする流れになっている。手順としては、購入に使ったメールアドレスを入力して確認メールを受け取り、取引の一覧から該当の取引を開き、問い合わせの窓口に用件を書き込む、という形である。
この構造は、覚えておく価値がある。アプリを消しただけでは定期購入は止まらない。年額を選んだ場合、Macから削除しても更新は続くため、やめると決めた時点で決済代行側の手続きを踏む必要がある。
購入後にライセンスコードが届かないという相談についても、配布元は原因を並べている。届くまで最大で30分ほどかかること、迷惑メールに入っていること、購入時にメールアドレスを打ち間違えていること、決済網の障害である。心当たりを順に潰してから、決済代行の窓口に購入時のメールアドレスを添えて連絡する流れになる。なお学生向けの割引についても、外部のサービスを通じて用意されていると案内されている。
ライセンスは3アカウントまで。30日ごとに通信が要る
金額と同じくらい効いてくるのが、1つのライセンスをどこまで使えるかである。配布元は次のように書いている。
For each purchase, you get one license key which can be activated on up to three different macOS user accounts at the same time. These user Accounts can be on one or up to three different MacBooks. 出典: apphousekitchen.com
購入1件につきライセンスキーが1つ発行され、同時に有効にできるのはmacOSのユーザーアカウント3つまで、という内容である。3つのアカウントは1台のMacの中にあってもよいし、最大3台のMacに分かれていてもよい。仕事用と個人用でユーザーを分けている場合、1台のMacで2枠を使うことになる点は見落としやすい。
機種を買い替えるときは、古いMac側で先に解除しておく。ダッシュボードを開き、左下の歯車から「Manage License」に進み、ライセンスコードを控えたうえで「Deactivate」を押す、という手順が案内されている。解除を忘れたまま古いMacを手放した場合は、決済代行の窓口に連絡する流れになる。
もう一点、有料版は最大で30日に一度ライセンスの照合を行うと書かれている。30日を超えてインターネットに繋がらない状態が続くと有料版のライセンスは無効になり、無料版の状態に戻る。再び接続したあとは手動で有効にし直す必要がある。長期間ネットワークから切り離して使う機材では、この条件を先に確認しておきたい。
払う前に、対応するmacOSと機種を先に確かめる
金額を比べる前に確かめておきたいのが、手元のMacが対象に入っているかどうかである。配布元のよくある質問には、macOS 11 Big Surに対応するのは1.37.3までで、1.38以降はmacOS 12 Montereyからのみ対応すると書かれている。上限は執筆時点でmacOS 26 Tahoeまでで、料金ページの対応表にもその範囲が示されている。古いmacOSを使い続けている場合は、旧版を入手できるかどうかが実際の判断材料になる。
機種の一覧も細かい。料金ページには対応するMacの型が世代ごとに並んでおり、MacBook Proは2013年後半のRetina機から、MacBook Airは2013年半ばの機種から挙げられている。ノート型だけでなく、iMac、Mac mini、Mac Studio、Mac Proといった据え置き型も一覧に入っている。ただし、電池を持たない据え置き型で使える機能は限られるため、目的が充電上限であればノート型が前提になる。
もう一点、蓋を閉じた状態やスリープ中の挙動は、無料版と有料版ではっきり分かれる。配布元は、スリープ中や電源を切った状態では他社製アプリが動けないため、無料版では100%まで充電が進むと説明している。これを止めるための「Stop charging when sleeping」と「Stop charging when powered off」は有料版側の機能である。夜のあいだ電源に繋いだまま蓋を閉じる使い方をしているなら、ここが支払いの理由になりやすい。
macOS側に充電上限が入った後の判断材料
料金を考えるうえで、2026年に起きた変化を外すわけにはいかない。配布元は自社ブログで、macOS 26.4の最初のベータでAppleが「最適化されたバッテリー充電」を広げ、手動の充電上限を組み込んだと書いている。そのうえで、よくある質問では、AlDenteとmacOSが互いに干渉しないよう、macOS側の充電上限は100%にして最適化されたバッテリー充電は切ることを勧めている。加えて、macOS側の上限はMacの電源を切ると保持されないとも書かれている。
これは、無料版で使える2項目のうち中心にあたる充電上限が、OSの標準機能と重なってきたということでもある。上限を1つ決めて放っておくだけなら、標準機能で足りる場面が増えた。一方で、温度で止める、時間帯で切り替える、蓋を閉じたまま放電する、といった条件付きの制御は有料版側にある。どちらが必要かは、Macの使い方によって分かれる。
配布元は同じブログで、2020年2月19日に最初の版をGitHubで公開し、2021年4月に有料版を出したという経緯も明かしている。オーストリアの少人数の開発元が続けてきた製品で、2024年には開発者が1人加わっている。運営が別の会社に移ったという発表は、2026年9月10日時点では見当たらない。最新版は1.39.1で、2026年9月9日に公開されている。この版ではmacOS 27に対応する形で充電制御が作り直され、80%より低い上限を使うには設定内で別のスイッチを入れる必要がある、という変更が入っている。
メニューバーの1枠として見たときの費用
支払うかどうかとは別に、この種の常駐アプリはメニューバーの枠を1つ占める。電池の状態を常に見たい人にとっては必要な1枠だが、ほかに10個以上のアイコンが並んでいるなら話が変わる。
配布元の案内には、見た目まわりの設定として「Hide Menubar Icon」と「Show Dock Icon」が挙げられている。前者を有効にするとメニューバーからアイコンが消えるが、その代わりに残量を見る場所も、上限を変える入口も無くなる。後者を切ればDockからは消えるが、メニューバーの1枠は残る。つまり、この製品の設定だけで「枠は空けたいが、押したいときには押したい」を実現するのは難しい。
ここに、別の解き方がある。メニューバーの項目そのものを畳んで、必要なときだけ広げる道具を1つ入れておけば、電池のアイコンを消さずに視界から外せる。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りになっているものなら、畳んだ状態のまま上限を変えられる。何を隠して何を残すかを決める話は、料金の話とは独立して先に片付けておける。
公開情報のどこを見て決めるか
有料版に払うかどうかを決める前に、同じ用途の道具が何をどこまでやるのかを見比べておくと、判断の軸が定まる。メニューバーを整理する道具の案内ページでは、畳み方や隠した項目の呼び出し方が説明されている。できることには、メニューバーの項目をどう扱えるかが並んでいる。
同じ分野の道具は、対応するmacOSの範囲も支払いの形もそれぞれ違う。ほかの道具との違いでは、用途の近い道具について提供の形が並べて示されている。比較の情報は時期によって変わるため、見た日付を意識して読む必要がある。
支払いの形そのものを比べるなら、料金に、買い切りか期間ごとの支払いか、どこまでが対象になるかが書かれている。今回のように年額と買い切りが並んでいる製品では、使い続ける年数を先に決めておくと迷いが減る。
導入時につまずきやすい点や、権限まわりの疑問は、質問をまとめたページに集まっていることが多い。よくある質問には、入れた直後に出やすい症状への回答が並んでいる。実際に手元で試す段になったら、ダウンロードから対応するmacOSの範囲を確かめて入手する。
この記事に挙げた金額と機能の区切りは、2026年9月10日に配布元の公開ページで確認したものである。価格も対応範囲も改定されうるため、支払う直前にもう一度、配布元のページで同じ項目を見ておくのが確実な進め方になる。
よくある質問
AlDenteは無料のままでも充電上限を使える?
使える。配布元の料金表では、無料版に丸が付いているのは充電上限と手動の放電の2項目である。上限を1つ決めて固定するだけの使い方なら無料版で足りる。温度で充電を止める、時間帯で切り替える、蓋を閉じたまま放電するといった条件付きの制御は有料版側にある。
年額と買い切りは、どちらが得になる?
2026年9月10日時点の表示価格は年額11.49ユーロ、買い切り23.99ユーロである。年額2年分は22.98ユーロで買い切りを下回り、3年分の34.47ユーロでは上回る。3年目に入る時点で買い切りのほうが安くなる計算になるため、そのMacをあと何年使うかで決めるとよい。
1つのライセンスは何台のMacで使える?
購入1件につきライセンスキーが1つ発行され、同時に有効にできるのはmacOSのユーザーアカウント3つまでと案内されている。3つのアカウントは1台のMacの中でも、最大3台のMacに分かれていてもよい。仕事用と個人用でユーザーを分けている場合は、1台で2枠を使う点に注意したい。
アプリを消せば年額の支払いも止まる?
止まらない。定期購入の解約は決済代行の購入者向けページから手続きする流れになっており、Macからアプリを削除しただけでは更新が続く。やめると決めた時点で、購入に使ったメールアドレスで取引を呼び出し、解約の手続きを済ませておく必要がある。