Alfredの代わりを探すとき|手放してよい機能を先に決める

キーボードから呼び出して何でも探せる道具の、代わりになるものを探している。理由は費用かもしれないし、macOSを上げてから挙動が変わったからかもしれないし、常駐アプリを一度棚卸ししているからかもしれない。候補のアプリ名を並べるところから始めると、この作業は長引く。先に決めるべきなのは「いま使っている機能のうち、どれを手放してよいか」のほうである。この記事では、公開されている資料をもとに、その仕分けの材料を整理する。

無料の側と有料の側で、線はどこに引かれているか

この道具は、本体が無料で配られていて、追加の機能をまとめた有料の拡張を買い足す形になっている。開発元の販売ページによれば、価格は単独ライセンスが34ポンド、上位の扱いが59ポンドで、後者には以後の版への無料更新が付く。単独ライセンスのほうはバージョン5に対するもので、次の大きな版が出たときは更新の扱いが別途案内される。2026年9月10日に販売ページで確認した内容になる。

無料のまま使える範囲は、アプリの起動、Webの検索、計算、辞書の参照といったあたりになる。有料の拡張に含まれるのは、クリップボードの履歴、定型文の自動展開、そしてワークフローと呼ばれる自動化の仕組みである。代わりを探している理由が費用なら、まずこの線引きを見て、有料側の機能を実際に使っているかを確かめる余地がある。

もう一つ、入手先についての事実がある。開発元の案内では、Mac App Storeに置かれているのは古い版で、更新は止まっている。2012年6月にAppleがApp Storeの要件を変更したことを理由に、現行の版は無料も有料も開発元のサイトからのみ配布されている。App Storeで探して古い版に当たり、動きの違いから「代わりを探そう」と考えている場合は、まず配布元を確かめ直すほうが早い。

使っている機能を4つに仕分ける

この種の道具に含まれる機能は、性質の違うものが混ざっている。仕分けは次の4つで付けやすい。

  • アプリを起動する機能。名前の頭を2文字か3文字打って開く、という使い方がこれにあたる
  • 探す機能。Mac内のファイル、連絡先、ブラウザのブックマーク、Webの検索を1つの入口から引く部分になる
  • 貼り付けを助ける機能。クリップボードの履歴と、キーワードで展開する定型文が含まれる
  • 自動化の機能。ホットキーとアクションをつないで、複数の操作を1回で走らせる部分になる

代わり探しが長引く原因は、この4つをまとめて「ランチャー」と呼んでいることにある。1つ目と2つ目だけなら選べる先はかなり広く、そこにはmacOSに最初から入っているものも含まれる。3つ目まで必要になると候補は絞られ、4つ目まで必要なら、移行先で同じことができるかを1つずつ確かめる作業が要る。

設定画面を開いて、実際に触ったことのある項目に印を付けてみると、多くの場合は1つ目と2つ目に集中する。自動化の仕組みは、入れた当時に2つか3つ作ったきり、というのがよくある状態である。

印を付ける作業には、もう一つの効き目がある。使っていない機能に権限を渡し続けている状態が見えることである。定型文の自動展開や貼り付けの操作には、macOSのアクセシビリティや入力監視の許可が要る。使わない機能のためにそれらを許可したままにしているなら、代わりを探す前に、その許可を外すだけで気持ちの整理が付く場合もある。

仕分けの結果は、そのまま移行先の要件になる。1つ目と2つ目だけに印が付いたなら、必要なのは呼び出しが速く、結果の並び方が自分の感覚に合う道具であって、機能の数ではない。3つ目に印が付いたなら、履歴の保存期間と、画像やファイルを扱えるかどうかを見る。4つ目に印が付いたなら、移行先で同じ処理を組めるかを、実際に1つ作って確かめてから決めることになる。

macOS側が受け持つようになった範囲

判断の前提として、OS標準の検索がどこまで来ているかを見ておきたい。Appleの利用ガイドでは、macOS Tahoe 26のSpotlightについて次のように説明されている。

Spotlight helps you quickly find things on your computer and shows suggestions from apps, files, actions, the internet, and the Clipboard. 出典: support.apple.com

同じページには、キーボードから手を離さずに操作を実行できること、そのための短いキーが用意されていること、過去にコピーした内容を呼び出せることが書かれている。上の仕分けで言えば、1つ目と2つ目に加えて、3つ目のクリップボード履歴の一部までがOS側に入ってきたことになる。

これは、乗り換え先を検討する人にとって重要な前提になる。アプリの起動と検索だけが目的なら、選択肢はサードパーティの中だけにあるのではない。一方で、定型文の自動展開や、複数の操作をつないだ自動化までは標準の機能に含まれない。自分がどちら側の使い方をしているかで、探すべき範囲が変わる。

同じ用途の道具を、費用の形で並べる

比較するなら、機能の多さより費用の形から見るほうが決めやすい。2026年9月10日に各社の公開ページで確認した内容を並べる。

道具 費用の形 提供元
いま使っている道具の無料版 無料 Running with Crayons
同じ道具の有料拡張 34ポンドまたは59ポンドの買い切り Running with Crayons
macOS標準の検索 OSに同梱 Apple
Raycast 個人は無料。上位プランは月10ドル、年払いなら月あたり8ドル Raycast
LaunchBar 6 30日の試用のあとも無料で使える。有料ライセンスは別途 Objective Development
Quicksilver 無料。オープンソース Quicksilver

補足として、Raycastの無料プランではクリップボード履歴の保存期間が3か月に区切られ、上位プランでは無期限になる。生成AIの機能は上位プランに含まれ、上位のモデルを使う追加分は月8ドルの追加になる。組織で使う場合は1人あたり月15ドル、年払いなら1人あたり月12ドルという別の表になる。

LaunchBarは配布ページで、30日の試用期間のあとも、登録せずに使い続けられると案内されている。ただし時々、短い休憩を促す表示が入る形になる。動作条件は macOS Tahoe に対応し、Sequoia、Sonoma、Ventura、Monterey でも動くとされている。

費用の形が違うと、比較の意味も変わる。買い切りは最初に払って終わり、期間契約は使い続ける限り払い続ける。3年使うつもりなら、買い切りの34ポンドと、月10ドルの契約では総額が大きく開く。逆に、半年だけ試したいなら結論は反対になる。

引き継げるもの、引き継げないもの

移行の作業量を見誤りやすいのがこの部分である。持ち出せるものと、作り直しになるものを分けておく。

  • 定型文は、内容そのものはテキストなので移せる。ただしキーワードの記法や展開の条件は道具ごとに違い、そのまま貼り付けて動くとは限らない
  • クリップボードの履歴は、基本的に引き継げない。過去のコピーを参照する使い方をしているなら、切り替えの前後で一度途切れることになる
  • 自動化のワークフローは、それぞれの道具の独自形式になっている。同じことをする別の仕組みは移行先にもあるが、ファイルを移して済む話ではなく、作り直しになる
  • 呼び出しのキーの組み合わせは移せるが、指のほうが覚えている操作の順番は移せない。移行後の数日は、検索結果の並び方の違いに慣れる時間が要る

このうち手間が大きいのは自動化の作り直しで、4つ目の機能を日常的に使っている人ほど、乗り換えの費用は金額より時間の側に出る。逆に1つ目と2つ目しか使っていない人にとっては、移行の作業はほとんど発生しない。

乗り換えの前に片付ける手続き

別のものに移ると決めた場合、消す前に済ませておくことがある。開発元の案内から要点を挙げる。

  • 有料ライセンスの情報は購入時のメールに記載されている。手元で分からなくなっている場合は、開発元の窓口で再発行を受け付けている
  • 設定の同期を有効にしている場合、設定の実体は同期先のフォルダにある。本体だけ消しても、そちらは残る
  • アンインストールは、メニューバーのアイコンから終了させたうえで、アプリケーションフォルダからゴミ箱へ移す形になる。開発元は、いわゆるアプリ掃除ツールの使用を勧めていない。必要なファイルまで巻き込む例があるためとされている
  • macOSのプライバシー設定に残った許可は、本体を消しても一覧に残ることがある。設定のプライバシーとセキュリティから、アクセシビリティと入力監視の一覧を見て、使わなくなったものを外しておく

設定を初期化したいだけで、乗り換えるわけではない場合もある。開発元は初期化の手順として、本体を終了したうえで、利用者のライブラリにある設定フォルダとplistとキャッシュを削除する方法を公開している。挙動がおかしいから代わりを探す、という段階なら、この初期化を先に試す価値はある。

メニューバーの1マスをどう扱うか

代わりを探す動機がメニューバーの混雑である場合、先に知っておきたい事実がある。この道具は、メニューバーのアイコンを隠す設定を自前で持っている。外観の設定からオプションを開き、メニューバーのアイコンを隠す項目を切り替える形になる。ただし開発元の案内には、隠したあとに呼び出しのキーを忘れると本体にたどり着けなくなる、という注意も併記されている。その場合はアプリケーションフォルダから直接起動して設定を開く流れになる。

つまり、アイコンを1つ減らす方法はすでに手元にある。問題は、この方法が使えるのが自前で隠す設定を持つアプリだけだという点にある。画面上端に並んでいるアイコンを数えると、クラウドストレージ、パスワード管理、チャット、バックアップ、会議、入力の切り替えと、その多くは隠す設定を持っていない。1つずつ設定を探すより、まとめて畳むほうが早い局面がある。

まとめて畳む側を選ぶときの分かれ目は、隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開けるかどうかである。ここができない作りだと、隠すたびに展開の操作が挟まり、結局また表に戻すことになる。メニューバーを整理する道具に何ができるのかはできることに整理されており、同じ用途の道具が複数あるため、対応するmacOSの範囲や提供の形を並べて見たい場合はほかの道具との違いが参考になる。買い切りと期間契約のどちらで考えるかは料金で確かめられ、権限の許可や設定の引き継ぎでつまずきやすい点はよくある質問にまとまっている。実際に手元で試す段になったらダウンロードから対応するmacOSの範囲を見て入手する流れになる。

決める順番をもう一度書いておく。使っている機能を4つに仕分け、1つ目と2つ目だけならOS標準や無料の道具で足りるかを確かめ、3つ目以降が必要なら費用の形を並べる。そのうえで、メニューバーの1マスをどう扱うかは、ランチャーの選び直しとは別の問題として片付ける。この順で進めると、候補を並べるだけで終わる時間を短くできる。

よくある質問

無料のままでも使える機能はどこまで?

アプリの起動、Webの検索、計算、辞書の参照といった範囲は無料で使える。クリップボードの履歴、キーワードで展開する定型文、複数の操作をつなぐ自動化は有料の拡張に含まれる。費用が理由で代わりを探しているなら、有料側の機能を実際に使っているかを先に確かめると判断が早い。

macOS標準の検索だけで足りる?

アプリの起動とファイルの検索が目的なら足りる場合がある。macOS Tahoe 26のSpotlightは、Appleの利用ガイドによれば、アプリ、ファイル、操作、Web、クリップボードの候補を出すと説明されている。ただし定型文の自動展開や、複数の操作をつないだ自動化までは含まれない。

乗り換えるとワークフローは移せる?

そのままの形では移せない。自動化の仕組みは道具ごとの独自形式になっているため、同じことをする仕組みを移行先で作り直す形になる。定型文は内容そのものがテキストなので移せるが、キーワードの記法や展開の条件は違うので、貼り付けて終わりにはならない。

アンインストールにアプリ掃除ツールを使ってよい?

開発元は勧めていない。必要なファイルまで巻き込む例があるためとされており、使ってしまった場合はゴミ箱を確認して該当のファイルを戻す案内が出ている。通常は、メニューバーのアイコンから終了させたうえで、アプリケーションフォルダからゴミ箱へ移す手順で足りる。

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