Alfredのアイコンをメニューバーでどう扱うか|消すか、隠すか、残すかの判断
メニューバーの右端に山高帽の形をしたアイコンがある。ランチャーの常駐アイコンで、押した記憶はほとんどない。呼び出しはキーボードで済ませているからである。ではこのアイコンを消してよいのか。この記事は、その帽子が何を担っていて、消したときに何を失い、消す以外にどんな扱い方があるのかを、開発元の公開資料から整理したものになる。
メニューバーのアイコンは「見せるもの」と「入るもの」に分かれる
常駐アプリがメニューバーに置くアイコンは、役割で二つに分かれる。ひとつは表示装置としてのアイコンで、絵柄そのものが状態を伝える。バッテリーの残量、録音中かどうか、同期が走っているかどうかといった情報は、押さなくても目を上げるだけで分かる。もうひとつは入口としてのアイコンで、押して初めてメニューが開き、そこから設定や終了に進む。絵柄は変わらず、情報も持たない。
ランチャーの山高帽は後者にあたる。検索窓を呼び出す本来の操作はキーボードのホットキーが担っており、既定では option キーとスペースキーの組み合わせが割り当てられている。開発元の一般設定の説明でも、この行が最初に置かれている。
By default, the default hotkey to show Alfred's search box is ⌥ Space , but you can change this to another key combination you find more memorable. 出典: alfredapp.com
つまり日常の呼び出しに帽子は使われていない。ここが判断の起点になる。表示装置型のアイコンなら「消すと情報が見えなくなる」という明確な損失が発生するが、入口型のアイコンで失うのは情報ではなく、別の道からでも辿り着ける経路のひとつでしかない。残すか消すかは、押す頻度ではなく、別の経路を自分が覚えているかどうかで決まる。
帽子を消す手順は設定画面の奥にある
非表示にする設定は、開発元が公開している。環境設定のAppearanceタブを開き、左下のOptionsをクリックすると、メニューバーのアイコンを隠す項目が現れる。これを有効にすると帽子は描かれなくなる。
If you'd like to make the bowler hat visible again in your menu bar, go to Alfred's Appearance tab in the preferences, click "Options" (in the bottom left) and uncheck "Hide menu bar icon". 出典: alfredapp.com
引用は元に戻す手順として書かれているが、裏返せば同じ場所が消す手順でもある。作業そのものは数十秒で終わる。ただし、この項目を切り替える前に確認しておきたいことが二つある。
ひとつはホットキーの現在の割り当てである。既定から変えている場合、帽子を消した瞬間に呼び出せなくなる可能性がある。もうひとつは、そのホットキーが他の機能とぶつかっていないかどうかである。command キーとスペースキーの組み合わせに変えている場合、macOS標準の検索と競合するため、開発元は専用の説明ページを別に用意している。競合したままアイコンも消すと、入口が両方ふさがる。
消したあとに残る入口は三つある
帽子を消しても、アプリが止まるわけではない。ログイン時の自動起動は一般設定の別項目で管理されており、アイコンの表示とは独立している。消したあとに使える入口は次の三つになる。
- 設定したホットキーを押す。これが日常の経路になる
- アプリケーションフォルダにあるアプリ本体をダブルクリックする。ホットキーを忘れた場合の受け皿になる
- 検索窓が出ている状態で command キーとカンマを押す。標準の環境設定の呼び出し方と同じで、設定画面が開く
四つ目として、検索窓に preferences と打ち込むと設定画面を開く候補が出る、という経路も案内されている。開発元のトラブルシューティングには「メニューバーの項目を隠したらアプリが見つからなくなった」という項目が独立して置かれている。専用のページが用意されているという事実は、ここで詰まる人が一定数いることを示している。消す前に、上の三つのうち少なくとも二つを実際に試しておくと、戻れなくなる状況は避けられる。
帽子でしかできないことも残っている
入口型のアイコンだから何も失わない、と言い切ると不正確になる。開発元の資料をたどると、帽子を経由する前提で書かれた案内がいくつか見つかる。
ひとつはバージョンの確認である。権限の設定を説明したページでは、いま使っている版を確かめる方法として、メニューバーの帽子をクリックする手順が示されている。設定画面のUpdateタブからも確認できるが、案内の一次経路は帽子側にある。
もうひとつは終了である。古い版を取り除く手順の説明では、まず帽子をクリックしてQuitを選び、アプリを終了させてからアプリケーションフォルダの本体をゴミ箱へ移す、という順で書かれている。終了だけならアクティビティモニタからでもできるが、公開されている手順どおりに進めたい場面では帽子が要る。
三つ目は、ホットキーを忘れたときの最後の受け皿としての役割になる。キーの組み合わせを変えたまま何か月も経つと、押していた指は覚えていても言葉では思い出せない、という状態になりやすい。帽子が残っていれば、その状態でも設定画面まで一手で辿り着ける。ここまでを踏まえると、消すか残すかの二択で考えるのは選択肢を狭めすぎている。
消す前にホットキーを固めておく
帽子を消してよいかどうかは、結局のところホットキーが安定しているかどうかに帰着する。ここが不安定なまま消すと、失った経路を探す時間のほうが、空いた一枠より高くつく。固めておくべき点は三つある。
ひとつは、割り当てを既定のままにするか変えるかを決めることである。既定は option キーとスペースキーの組み合わせで、macOS標準の検索が使う command キーとスペースキーとは重ならないように選ばれている。指に馴染まないからと command 側へ寄せる人は多いが、その場合は標準の検索側の割り当てを外すか変えるかの作業が別途必要になる。開発元がこの組み合わせについて専用の説明ページを用意しているのは、そこで詰まる人が多いためである。
ふたつめは、複数のMacで同じ割り当てにそろえることである。会社の機種と自宅の機種で違うキーを使っていると、片方の指の記憶がもう片方で通じない。環境設定の同期の仕組みが用意されており、設定をまとめて持ち回れる。同期を有効にしておけば、片方で決めた割り当てがもう片方にも届く。
みっつめは、割り当てを紙かメモに書き出しておくことである。素朴だが効く。帽子を消したあとに困るのは、押せないことではなく思い出せないことだからである。この三つが済んでいれば、帽子を消しても戻れなくなる状況はほぼ起きない。逆に、どれか一つでも宙ぶらりんなら、消すのは先送りにしてよい。
「消す」と「畳む」は別の操作である
アイコンをメニューバーから見えなくする方法には、性質の違う二つがある。
ひとつはアプリ側の設定で消す方法で、上に挙げた手順がこれにあたる。アプリはメニューバーに項目を作らなくなり、行の幅が一つ分空く。取り戻すには設定画面まで戻って項目を外す必要がある。
もうひとつは、行に置いたまま普段は見えない位置へ送る方法である。メニューバーを整理する道具がこの役割を担う。項目はメニューバーの中に存在し続けるが、普段は畳まれていて見えない。必要になったときだけ広げて押す。この方式なら隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りのものもあり、広げる操作すら挟まずに済む。
二つの違いは、判断を後から変えられるかどうかに出る。アプリ側で消した場合、気が変わったときの戻し先はそのアプリの設定画面になる。常駐アプリを十数個抱えていると、どのアプリのどのタブで消したのかを一つずつ思い出すことになる。畳む方式なら、扱いは全アプリで共通になる。何を畳んで何を出しているかを一覧で確認でき、順番の入れ替えもその場でできる。整理する道具そのものが何をするものなのかはできることに一覧としてまとまっており、アプリ側の設定で消す方法との差はほかの道具との違いで整理されている。
何を残し、何を隠すかを決める順番
メニューバーに並ぶ項目を一つずつ吟味すると時間がかかる。順番を決めておくと早い。
第一に、macOS側で減らせるものを先に減らす。コントロールセンターの設定では、Bluetooth、サウンド、集中モードといった標準の項目を個別に非表示にできる。ここで減る分は、追加の道具を入れなくても片づく。
第二に、残った項目を役割で分ける。絵柄が状態を示しているもの、つまり表示装置型は残す候補にする。押して初めて意味が出る入口型は、隠す候補にする。
第三に、入口型の中で押す頻度を見る。毎日押すものは残し、月に一度も押していないものは隠す。ランチャーの帽子は、ホットキーを日常的に使っている人にとってはこの基準で隠す側に入りやすい。逆に、入れたばかりでホットキーが指に入っていない時期や、複数のMacで違うキーを割り当てている場合は、しばらく残しておく判断のほうが実務的である。
第四に、決めた内容を後から見直せる形にしておく。Alfred 5 が動作の下限としているのは macOS 10.14 以降で、対応するOSの幅が広いぶん、機種を買い替えても設定はそのまま持ち越されることが多い。数年単位で使う設定だからこそ、消した理由を思い出せる仕組みのほうが持つ。
判断を固定せずに済む形にしておく
ここまでの整理をひとことにすると、山高帽は情報を持たない入口型のアイコンであり、ホットキーが指に入っている人にとっては優先度の低い一枠だが、忘れたときの戻り道でもある、ということになる。だから「消す」を選ぶ前に「畳む」を試す価値がある。
畳む方式を選んだ場合、判断の対象はランチャー単体ではなくメニューバー全体になる。十数個の常駐アイコンのうち、どれを出しっぱなしにして、どれを畳むかを一度決めれば、以後は同じ仕組みの中で入れ替えるだけで済む。導入前に確認しておきたい費用の考え方は料金にまとまっており、権限やログイン時の起動、他の常駐アプリとの併用といった導入時に出やすい疑問はよくある質問に集めてある。実際に手元のメニューバーで試してから決めたい場合はダウンロードから入るのが早い。
判断を一度で正解にしようとしないほうがよい。メニューバーに何を出しておくかは、使うアプリが入れ替われば変わるし、外部ディスプレイをつなぐかどうかでも並びの見え方が変わる。半年に一度、出しっぱなしの項目を見直すくらいの頻度で十分に追いつく。見直しの単位がアプリごとにばらばらだと、この作業自体が面倒になって放置される。
そのうえで、ランチャー側の設定はいったん触らずに残しておくことを勧める。アプリ側で消してしまうと、畳む方式が合わなかったときに戻す手数が増える。まずメニューバー全体を畳んでみて、それでも帽子が邪魔だと感じたときに初めてアプリ側の設定を開けばよい。順番を逆にしないだけで、やり直しの手間はほとんど発生しなくなる。
よくある質問
メニューバーの山高帽を消すと、ランチャー自体が止まりますか?
止まりません。アイコンの表示とアプリの常駐は別の設定です。ログイン時の自動起動は一般設定の別項目で管理されており、アイコンを消しても常駐は続きます。ホットキーを押せばこれまでどおり検索窓が開きます。
アイコンを消したうえにホットキーも忘れたら、どうやって設定画面に戻りますか?
アプリケーションフォルダからアプリ本体をダブルクリックすると検索窓が開きます。その状態で command キーとカンマを押せば設定画面に入れます。検索窓に preferences と打ち込んで候補を選ぶ経路も案内されています。Appearanceタブの左下Optionsで表示を戻せます。
アプリ側で消すのと、メニューバー管理アプリで畳むのは何が違いますか?
アプリ側で消すと項目そのものが作られなくなり、戻すにはそのアプリの設定画面に入り直します。畳む方式では項目はメニューバーに存在したまま普段は見えない位置に送られ、必要なときだけ広げて押します。扱いが全アプリで共通になるぶん、後から入れ替えやすくなります。
メニューバーのアイコンを減らすのに、まず何から手を付ければよいですか?
macOS標準のコントロールセンターの設定から始めます。Bluetoothやサウンド、集中モードといった項目は個別に非表示にでき、追加の道具なしで減らせます。そのうえで残った常駐アプリを、状態を示すものと押すだけのものに分け、後者から隠す候補にしていく順番が早いです。