Amphetamineの使い方と初期設定|入れた直後に決めておくこと

Amphetamine の使い方でつまずく場所は、操作そのものではなく、決める項目が多いことにあります。Mac を起こしたままにするという目的は単純でも、どのくらいの時間そうするのか、画面まで点けたままにするのか、毎回自分で始めるのか自動にするのかを、入れた直後に決めることになります。ここを決めずに使い始めると、必要なときに切れていたり、逆に会議が終わっても点きっぱなしになったりします。この記事では、入れた直後に決める順番と、後から効いてくる設定の意味を、公開されている情報にもとづいて整理します。

最初に決めるのは、1回のセッションをどれだけ続けるか

このアプリの中心にあるのは「セッション」という考え方です。セッションが動いている間だけ Mac が起きたままになり、終われば通常の省エネルギーの設定に戻ります。ストアの説明文では、始め方として次の形が挙げられています。

無期限に、指定された期間の間、または指定された時間までに設定が可能 ファイルをダウンロード中の間だけでも大丈夫! 特定のアプリが実行中の時のみ設定することも可能 出典: apps.apple.com(2026年9月10日に日本のApp Storeの掲載文を確認)

この4つの始め方のうち、最初に使うものを1つ選んでおくと、以後の操作が短くなります。判断の目安は作業の終わりが読めるかどうかです。書き出しやバックアップのように終わる時刻が読めない作業なら「無期限」を選び、終わったら自分で止める運用にします。会議や講義のように終わりが決まっているなら「指定された時間まで」を選ぶと、切り忘れが起きません。

「無期限」を既定にする場合、止める操作を忘れると電源が入ったままになります。バッテリーが少なくなったときにセッションを自動で終える設定が用意されているので、持ち歩く Mac ではこれを有効にしておくと保険になります。逆に電源につないだままの据え置きの Mac では、無期限で始めて手で止める運用のほうが手数が少なくなります。

セッション中に許すか止めるかを決める5つの動作

「Mac を起こしたままにする」と一口に言っても、止められる動作は5つに分かれています。ストアの説明文に挙がっているのは、ディスプレイのスリープ、スクリーンセーバ、ディスプレイを閉じたときのシステムのスリープ、マウスポインターの自動的な移動、画面のロックです。

ここを一括で「全部止める」にしてしまうと、席を外したときに画面が点いたまま、ロックもかからない状態になります。用途ごとに分けて考えるほうが安全です。

  • 長い書き出しやダウンロードを待つ間: システムのスリープだけを止め、ディスプレイのスリープは許す。画面が暗くなっても処理は続く
  • プレゼンや動画の再生中: ディスプレイのスリープとスクリーンセーバの両方を止める
  • ふたを閉じて外部ディスプレイだけで使う: ディスプレイを閉じたときのシステムのスリープを止める
  • 遠隔の操作や監視の画面を出しておく: 画面のロックの扱いを、席を外す時間の長さで決める

このうち「Mac は起こしたまま、ディスプレイだけをスリープさせる」という組み合わせが用意されている点は、覚えておくと使いどころが多くなります。画面が暗くなるだけで処理は止まらないので、消費電力を抑えながら待てます。マウスポインターを定期的に動かす機能もありますが、これは離席を検知する仕組みを持つ環境では扱いが変わってくるため、職場の運用に合わせて決める項目です。

設定を一通り見るときに見落とされやすい機能も、この流れの中で決めておくと後から探さずに済みます。一定時間の無操作で画面をロックする機能は、ディスプレイのスリープを止めたまま席を外す使い方と組み合わせると効きます。画面は点いたままでも、離れている間はロックがかかるためです。決めた時間が過ぎたらスクリーンセーバを動かす設定も、同じ考え方で使えます。ドライブの状態を保つ Drive Alive は、長い転送の途中で外付けのディスクが止まってしまう環境で意味を持ちます。通知音を自分のものに差し替えられる点も、見た目の話ではありません。セッションが終わったことを音で受け取れるなら、メニューバーを見に行く回数がそのまま減ります。

毎回自分で始めるのをやめたいときは、トリガーに移す

同じ場面で毎回同じセッションを始めているなら、その条件をトリガーとして登録すると、手で始める操作がなくなります。ストアの説明文に挙がっている条件は15種類あり、外部ディスプレイの接続、ミラーリング中、USB や Bluetooth の機器の接続、特定のアプリの起動中、そのアプリが最前面のとき、バッテリーの充電中や残量のしきい値、電源アダプターの接続と切断、特定の IP アドレス、特定の Wi-Fi ネットワーク、Cisco AnyConnect VPN の接続、特定の DNS サーバ、ヘッドフォンなどの音声出力の使用中、特定のドライブやボリュームのマウント、CPU の使用率のしきい値、一定時間の無操作が並びます。

実務で効くのは、条件を組み合わせずに1つだけで始めることです。たとえば「外部ディスプレイをつないでいる間」だけを登録しておけば、机に戻ってケーブルを挿した瞬間から自動で有効になり、外せば元に戻ります。会議のためだけに起こしておきたいなら「特定のアプリが最前面のとき」を選ぶと、会議アプリを閉じた時点で終わります。

条件を増やすほど、動かなかったときにどれが原因か分からなくなります。最初は1つ登録して1週間使い、足りない場面が出てから2つ目を足す進め方が、結果的に早く落ち着きます。トリガーが動いている間はメニューバーのアイコンの見た目で状態が分かるので、自動で始まったことに気づけるかどうかも、アイコンを見える場所に置くかどうかの判断材料になります。

アプリを条件にしたトリガーが候補に出てこないとき

トリガーの設定で「特定のアプリ」を選ぼうとしたときに、目当てのアプリが一覧に出てこない場合があります。これは設定の間違いではなく、App Store から配布されるアプリに課されている制限が原因です。ストア配布のアプリはサンドボックスの中で動く決まりになっていて、Mac 上で動いている全てのプロセスの一覧を取ることができません。

この部分を補うために、開発者は Amphetamine Enhancer という別のアプリを GitHub で配布しています。費用はかからず、ライセンスは MIT、配布物には Apple の公証が通っていると説明されています。使うには本体が 5.0 以上である必要があり、入れると、起動中の全てのプロセスをトリガーやアプリ基準のセッションで使えるようになります。あわせて、ふたを閉じたまま使うモードの保険も追加されます。

補助アプリを入れるかどうかは、使いたいトリガーの種類で決まります。外部ディスプレイや Wi-Fi のように、本体だけで扱える条件で足りるなら追加は不要です。特定の開発ツールやバックグラウンドで動く処理を条件にしたい場合だけ、追加を検討することになります。

Apple シリコンのノートで、ふたを閉じたまま使うとき

ふたを閉じて外部ディスプレイだけで作業する使い方は、Apple シリコンのノート型 Mac で追加の手当てが要る場合があります。電源アダプターや給電つきのディスプレイをつないだり外したりしたときに、セッションの動きが想定と変わることがあるためです。

これに対処するのが Power Protect と呼ばれる仕組みで、本体には同梱されていません。スクリプトと設定ファイルを自分で取得し、決められた場所に置く手順になっています。置き場所は、スクリプトが利用者のホームの Library/Application Scripts/com.if.Amphetamine/、設定ファイルが /private/etc/sudoers.d/ です。設置後にターミナルから1行のコマンドを実行して有効にします。

開発者はこの手順が手作業になっている理由を、Apple の仕組み上、アプリから直接インストールすることが認められていないためだと説明しています。設定ファイルの置き場所は管理者権限の領域なので、内容を確認してから進める種類の作業です。ふたを閉じて使う予定がないなら、この手順は飛ばして構いません。

ホットキーを1つ決めると、アイコンを押す回数が減る

セッションの開始と終了、ディスプレイのスリープの有効と無効の切り替えには、ホットキーを割り当てられます。ここを設定しておくと、メニューバーのアイコンを押してメニューを開き、項目を選ぶという3手が1手になります。

割り当てるキーは1つで足ります。毎日使うのは「開始と終了の切り替え」だからです。他のアプリと重なりにくい組み合わせを選び、押したときに状態が変わったことがメニューバーで分かるようにしておけば、アイコンを目で追う必要も減ります。AppleScript にも対応しているので、作業の開始と終了を自動化している環境では、その手順の中にセッションの開始を組み込む方法もあります。

ホットキーを決めると、そのアイコンをメニューバーの見える場所に置いておく理由が1つ減ります。押すためではなく、状態を確かめるためだけに見えていればよいことになるからです。この整理は、次の節のメニューバーの席の話につながります。

メニューバーに何を出すかを決める

アイコンの見た目と情報量も、設定で変えられます。用意されているのは、メニューバーのアイコンを自分のものに差し替える機能と、セッションの残り時間をメニューに表示する機能です。残り時間の表示は12時間制と24時間制のどちらにも対応しています。

残り時間を出すと、アイコンの右に数字が並ぶため、席の幅が広がります。MacBook のノッチがある機種では、この数文字分がそのまま他のアイコンを押し出す原因になります。残り時間を1日に何度も見るのでなければ、切っておくほうが並びは落ち着きます。時間を指定して始める使い方をしていて、あと何分かを常に把握したい場合だけ、幅を渡す価値があります。

アイコンの差し替えは、見た目の好みだけの話ではありません。似た形のアイコンが並んでいると、目的のものを探す時間が増えます。他と重ならない形にしておくと、メニューバーが混んでいても目が止まります。メニューバーを整理する道具の側でできることはできることに一覧があるので、隠す範囲を決める前に一度見ておくと、どこまでを設定で解決できるかが分かります。

常駐させるアプリを、見える側と隠す側に分ける

設定が一通り終わったら、最後にこのアイコンをメニューバーのどこに置くかを決めます。判断の基準は2つだけです。状態を目で確かめる必要があるか、そして押す回数が多いか。

トリガーで自動化していて、ホットキーも割り当ててあるなら、押す回数はほぼゼロになります。残るのは「いま防止が効いているか」を確かめる用途だけで、これは残り時間の表示を切っていれば、アイコンの見た目の違いで足ります。この状態なら、隠す側に回しても困る場面は少なくなります。逆に、手で始めて手で止める運用を続けるなら、見える場所に残すほうが速く済みます。

隠す側に回す場合、隠したあとに押せるかどうかが分かれ目になります。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける形であれば、たまにセッションを手で始めたくなったときも、並びを開き直さずに済みます。道具ごとの違いはほかの道具との違いに整理してあり、費用の考え方は料金にまとめてあります。設定中に迷いやすい点はよくある質問を、手元の並びで試すならダウンロードを入口にできます。

よくある質問

セッションを止め忘れるのが心配です。どう設定すればよいですか?

終わりの時刻が読める作業では「指定された時間まで」を選ぶと切り忘れが起きません。終わりが読めない作業で無期限を選ぶ場合は、バッテリーが少なくなったときにセッションを自動で終える設定を有効にしておくと保険になります。持ち歩く Mac では、この2つを組み合わせておくのが実用的です。

トリガーの一覧に、条件にしたいアプリが出てきません。

本体は App Store 配布のためサンドボックスの中で動いており、起動中の全プロセスの一覧を取れない制限があります。開発者が GitHub で配布している補助アプリ(Amphetamine Enhancer)を入れると、全てのプロセスをトリガーやアプリ基準のセッションで使えるようになります。本体が5.0以上であることが条件です。

ふたを閉じたまま外部ディスプレイで使うには、追加の設定が要りますか?

セッション側で「ディスプレイを閉じたときのシステムのスリープ」を止める設定が必要です。Apple シリコンのノート型 Mac では、電源のつなぎ外しで動きが変わる場合があり、その対処としてスクリプトと設定ファイルを手で設置する手順が別に用意されています。ふたを閉じて使わないなら不要な手順です。

メニューバーの残り時間表示は、出しておくべきですか?

時間を指定して始める使い方をしていて、残りを常に把握したい場合だけ有効にする価値があります。数字が並ぶ分だけ席の幅が広がるため、ノッチのある MacBook では他のアイコンを押し出す原因になります。1日に数回しか見ないなら、切っておくほうが並びは落ち着きます。

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