Amphetamineをきれいに消す手順|残るファイルと、消してよいもの
Amphetamine を消したい理由は、たいてい2つに分かれます。使わなくなったので片付けたい場合と、メニューバーの席を1つ空けたい場合です。前者なら残ったファイルまで消したくなりますし、後者なら消さずに隠すだけで済む可能性があります。この記事では、消す前に確かめておくこと、本体を消す手順、消したあとに残る場所、そして消す代わりに隠すという選択肢を順に整理します。App Store 経由で配布されるアプリなので、片付ける範囲は普通のアプリより限られていて、どこを見ればよいかが決まっています。
消す前に、いま何がスリープを止めているのかを確かめる
アンインストールの前にやっておくと後悔しない確認が1つあります。いま Mac のスリープを止めているのがそのアプリなのかどうかを、OS 側の情報で見ることです。ターミナルで pmset -g assertions を実行すると、スリープ防止の状態と、それを要求しているプロセスの一覧が出ます。
見るのは PreventUserIdleSystemSleep と PreventUserIdleDisplaySleep の2行、そして下に続く「Listed by owning process」の欄です。ここに並ぶのが、いま実際にスリープを止めているプロセスです。消したいアプリの名前が出ていなければ、スリープしないのは別の原因ということになります。会議アプリ、動画の再生、バックアップ、ファイルの共有など、スリープを止める常駐物は他にもあります。
この確認をしないままアンインストールすると、消した後もスリープしないままで、原因の切り分けをやり直すことになります。逆に、名前が出ていれば消す判断は正しかったと分かりますし、消したあとにもう一度同じコマンドを実行すれば、止めていたものが消えたことも確認できます。数値が 1 から 0 に変われば、要求は残っていません。
本体を消す手順
本体の削除は普通のアプリと同じです。次の4つを上から順に進めます。
- 動いているセッションを終える。メニューから終了させるか、アプリ自体を終了させる
- アプリを終了する。メニューバーのアイコンからの終了で構わない
- アプリケーションフォルダから本体をゴミ箱へ入れる。Launchpad から長押しで消す方法でも同じ
- ゴミ箱を空にする
セッションが動いたまま消しても、アプリが終了した時点でスリープ防止の要求は解除されます。その意味では順番を守らなくても大きな問題は起きませんが、消したあとに pmset の表示で確かめるつもりなら、先にセッションを終えておくほうが結果が読みやすくなります。
トリガーを登録していた場合は、消す前に内容を書き出しておくと後が楽になります。設定を持ち出す仕組みは用意されておらず、保存先はその Mac とそのユーザーアカウントに紐づいたフォルダの中にあるためです。条件と、それによって何を始めていたかを数行のメモに残しておけば、入れ直すときも、別の Mac で同じ構成を組むときも、一から考え直さずに済みます。消したこと自体より、条件を組み立て直す時間のほうが惜しくなる場面が多いので、この1分は先に払っておく価値があります。
もう1つ、消す前に知っておくと気が楽なことがあります。このアプリは Mac App Store で無料配布されているため、一度取得していれば App Store の購入済みの一覧に残ります。消したあとで必要になっても、同じ Apple のアカウントで入れ直せます。ライセンスの再発行や、キーの控えを探す作業は発生しません。試しに消してみて、不便なら戻すという進め方が取れる種類のアプリです。
消したあとに残る3か所
App Store 経由のアプリはサンドボックスの中で動くため、設定やデータの保存先が決まった場所に限られます。散らばらない代わりに、本体をゴミ箱へ入れただけでは、その保存先が残ります。確認する場所は次の3つです。
| 場所 | 何が入っているか | 消してよいか |
|---|---|---|
| ホームの Library/Containers/com.if.Amphetamine | 設定、差し替えたアイコン、通知音などアプリのデータ一式 | 設定を捨ててよければ消してよい |
| ホームの Library/Application Scripts/com.if.Amphetamine | Power Protect のスクリプト(入れた人だけ) | 本体を消すなら不要 |
| /private/etc/sudoers.d の設定ファイル | Power Protect の権限の設定(入れた人だけ) | 内容を確認してから扱う |
この一覧が短くて済む理由も押さえておくと、無駄な探し物をせずに済みます。ネットで見かける汎用のアンインストール手順は、開発元のサイトから直接配布されるアプリを前提にしていることが多く、/Library/Application Support/、/Library/Preferences/、/Library/Caches/、起動時に動く項目を置く LaunchAgents のフォルダを順に見るように案内しています。App Store 経由のアプリはサンドボックスの中で動くため、これらの場所ではなく自分の容れ物の中に書き込みます。通常なら利用者の Library に直接置かれる設定のファイルも、容れ物の内側に振り替えられます。念のため名前で検索するのは構いませんが、該当するものは出てきません。
1つ目は、設定を保存している場所です。ここを消すと、セッションの既定値もトリガーの登録も差し替えたアイコンも一緒に消えます。入れ直す予定があるなら残しておくと設定を引き継げますし、完全に片付けるなら消して構いません。設定だけを初期状態に戻したいときにも、この場所を消す方法が使われます。
2つ目と3つ目は、Apple シリコンのノート型 Mac で Power Protect を設置した人にだけ関係します。設置していなければ、そもそも作られていません。心当たりがなければ、1つ目だけ片付ければ終わります。
Power Protect を入れた場合に触る2つのファイル
Power Protect は本体に同梱されておらず、利用者が2つのファイルを自分で決められた場所に置く形になっています。置き場所は公式のリポジトリに明記されています。
Download the Power Protect script and install it in the following location: /Users/YourUserAccount/Library/Application Scripts/com.if.Amphetamine/ Download the Power Protect configuration file and install it in the following location: /private/etc/sudoers.d/ 出典: github.com(2026年9月10日に公式リポジトリの手順を確認)
スクリプト側は利用者のホームの中にあるので、フォルダごとゴミ箱へ入れれば片付きます。注意が要るのは設定ファイル側です。/private/etc/sudoers.d/ は、管理者としてコマンドを実行するときの許可を決めている場所で、ここに壊れた内容のファイルが残ると、管理者権限を使う操作そのものが通らなくなる場合があります。
扱う手順としては、まずそのフォルダの中身を一覧して、Amphetamine 用のファイルがあるかを確認します。ある場合は、そのファイルだけを削除します。削除のあとに sudo visudo -c を実行すると、設定全体に文法の誤りがないかを検査できます。この検査が通れば、管理者権限を使う操作に影響は残っていません。心配な場合は、削除の前にファイルを別の場所へ複製しておくと、元に戻せます。
設置の際にターミナルから実行した設定の有効化は、1つ目の保存先を消せば一緒に消えます。個別に戻す操作は不要です。
補助アプリは別に消す
トリガーで全てのプロセスを扱うために Amphetamine Enhancer を入れていた場合、そちらは本体とは別の配布物です。App Store ではなく GitHub でディスクイメージとして配布されているため、本体を消しても残ります。
こちらもアプリケーションフォルダから本体をゴミ箱へ入れる手順で消せます。あわせて、ダウンロードしたディスクイメージがダウンロードフォルダに残っていないかも見ておくと、容量が戻ります。マウントしたままのディスクイメージがあれば、先に取り出してから消します。
補助アプリを入れた覚えがない場合は、この節は飛ばして構いません。本体だけを使っていた人には関係のない手順です。どちらを入れていたか分からなくなっているなら、アプリケーションフォルダを名前順に見て、似た名前が2つ並んでいないかを確かめると早く判断できます。
システム設定に残る行を見る
アプリを消すと、多くの場合はシステム設定側の項目も一緒に消えます。ただし、消えたはずの名前が残って見える場面があるので、片付けの最後に2か所を見ておくと確実です。
1つはログイン項目です。macOS のシステム設定の一般の中にあるログイン項目の一覧に、消したアプリの行が残っていないかを確認します。残っていれば、その行を選んで取り除きます。ログイン時に自動で起動する設定を有効にしていた場合に、ここが残ることがあります。
もう1つは通知の設定です。通知の一覧はアプリごとに作られるため、消したあともしばらく行が残る場合があります。実害はありませんが、一覧が長くて目的のアプリを探しにくくなっているなら、片付けておくと見通しが良くなります。macOS の各設定の場所や操作は、版によって名称が変わることがあるので、手元の版の説明をAppleサポートで確認すると確実です。
消したあとに、省エネルギーの設定を見直す
スリープを止めるアプリを使っている間に、システム側の省エネルギーの設定を触っていた場合、消したあとにその設定だけが残ります。ディスプレイを切るまでの時間を長めにしていたり、自動でスリープしない設定にしていたりすると、アプリが無くなっても Mac は起きたままになります。
冒頭の pmset -g assertions をもう一度実行して、スリープ防止の要求が残っていないことを確認したうえで、システム設定のロック画面やバッテリーの項目で、時間の設定を元に戻すところまでが片付けの範囲です。ここまでやって初めて、アプリを入れる前の状態に戻ります。
逆に、スリープしない状態を保ちたくてアプリを入れていたなら、システム側の設定だけで足りる場合があります。決まった時間だけ起こしておきたいのか、常に起こしておきたいのかで、必要な道具は変わります。常に起こしておくだけなら、アプリを足さずに済むこともあります。
消すのではなく、隠すという選択
メニューバーの席を空けたいという理由で消そうとしているなら、消す前に検討できる選択肢があります。アプリはそのまま残して、アイコンだけを隠す方法です。
隠す場合、動作そのものは変わりません。メニューバーを整理する道具がやっているのは、アイコンの描画位置を変えることであって、アプリを止めることではないためです。セッションもトリガーも動いたままで、見た目の席だけが空きます。トリガーで自動化していて、アイコンを押す機会がほとんど無いアプリほど、この扱いに向いています。
判断の分かれ目は、隠したあとに押せるかどうかです。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける形なら、たまに手で操作したくなったときも、並びを開き直す手間が要りません。反対に、状態を目で確かめる必要があるアプリは、隠すと確認の手間が増えるので、見える側に残すほうが合理的です。何をどこまで隠せるかはできることに、道具ごとの違いはほかの道具との違いに整理してあります。費用の考え方は料金、判断に迷いやすい点はよくある質問、手元の並びで試すならダウンロードが入口になります。
よくある質問
アプリをゴミ箱に入れるだけでは、何が残りますか?
ホームの Library/Containers の中にある com.if.Amphetamine のフォルダが残ります。ここに設定やトリガーの登録、差し替えたアイコンなどが入っています。完全に片付けるならこのフォルダごと消し、入れ直す可能性があるなら残しておくと設定を引き継げます。
消したのに Mac がスリープしません。どこを見ればよいですか?
ターミナルで pmset -g assertions を実行し、Listed by owning process の欄に何が並んでいるかを見ます。ここに出ているプロセスがスリープを止めている本体です。会議アプリや再生中の動画、バックアップなど別の常駐物が原因のことがあります。あわせて、システム設定の省エネルギー関連の時間設定も確認します。
sudoers.d に置いた設定ファイルは消しても大丈夫ですか?
Power Protect を設置した人だけに関係するファイルで、本体を消すなら不要になります。削除の前に別の場所へ複製しておき、削除後に sudo visudo -c を実行して文法の検査が通ることを確認すると安全です。この場所は管理者権限の設定に関わるため、内容を確認してから触ってください。
消さずにメニューバーの席だけ空けることはできますか?
できます。メニューバーを整理する道具はアイコンの描画位置を変えるだけなので、隠してもセッションやトリガーは動いたままです。押す機会が少ないアプリほど隠す側に向いています。逆に、動作中かどうかを目で確認したいアプリは、見える場所に残すほうが手間が増えません。