Barbeeの代わりを探すとき|手放してよい機能を先に決める

メニューバーのアイコンを隠すために入れたアプリの、代わりになるものを探している。動機は費用かもしれないし、macOSを上げてから挙動が変わったからかもしれないし、App Storeの外にある道具を試したくなったからかもしれない。この作業は候補を並べるところから始めると長引く。先に決めるべきなのは、いま使っている機能のうちどれを手放してよいかのほうである。この記事では、公開されている情報をもとに、その仕分けの材料を並べる。

代わりを探す理由を1つに絞る

理由が複数あるまま探し始めると、どの候補も一長一短に見えて決まらなくなる。実際には、次の4つのどれかが主な動機になっていることが多い。

  • 費用。App内課金の金額、あるいは年ごとの支払いを続けることへの抵抗
  • 不具合。特定のmacOSの版で挙動が変わった、Mac全体の動きに影響が出ている
  • 配布経路。App Storeの審査と更新の枠組みの内側か、開発元から直接受け取る形か
  • 機能。並べ替えの細かさ、自動化との連携、複数ディスプレイでの扱い

理由が費用なら、無料のオープンソースの選択肢がそのまま答えになる。不具合なら、乗り換える前に確かめる場所がいくつか残っている。配布経路なら、機能ではなく提供の形で選ぶことになる。機能なら、次の節の書き出しが必要になる。

App Storeの製品ページには、このアプリがどういう位置づけで作られたかが、最初の2行に書かれている。

Need a Bartender alternative? Barbee gives you full control over your menu bar! 出典: apps.apple.com

つまりこのアプリ自体が、別のアプリの代わりとして選ばれてきた経緯を持つ。同じ用途のアプリが複数あり、それぞれが誰かの乗り換え先になっている。代わりを探す作業は、この輪の中で自分の条件に合う位置を選び直すことにあたる。

使っている機能を、7つの軸で書き出す

配布ページに挙げられている主な機能は7つある。まず、この7つのうち実際に触っているものに印を付ける。

機能 中身 使っていれば印
表示と非表示の切り替え 隠したアイコンを一度に出し入れする
自動での出し入れ 状況に応じて自動で隠す、出す
ショートカット キー操作で切り替える
見た目の差し替え 絵文字、SF Symbols、文字、画像に置き換える
ノッチへの対応 ノッチのある機種での表示の調整
間隔を詰める アイコン同士の隙間を狭める
アプリのメニューを隠す メニューバー左側の項目を隠す

印を付けてみると、多くの場合は上の3つに集中する。4つ目の見た目の差し替えと7つ目の左側のメニューを隠す機能は、入れた直後に一度触って、その後は放置されていることが多い。ここが仕分けの分かれ目になる。上の3つだけに印が付いたなら、候補は一気に広がる。無料のものを含め、ほとんどのアプリがその3つは持っている。

さらに細かい軸として、有料の側に置かれている項目も見ておく。配布ページのVIPの説明には、切り替え回数の上限が外れること、並べ替え、間隔の調整、設定のクラウドでのバックアップと同期、スクリプトやショートカットとの連携、メニューの見た目の変更が挙がっている。このうち設定の同期と自動化との連携は、代わりの候補では持っていないものが多い。印が付いているなら、候補は狭くなる。

引き継げるもの、引き継げないもの

移るときに何が持っていけるのかを先に把握しておくと、作業の量が読める。

  • 引き継げない。隠す対象の選び方、並び順、ショートカットの割り当てなどの設定は、アプリをまたいで移す仕組みがない。設定画面の内容を写真に撮っておくと作り直しが早い
  • 引き継げない。App内課金で支払った分は、そのアプリのためのもので、別のアプリには使えない
  • 引き継げる。Apple IDに紐づく購入は、同じApple IDを使っているかぎり別のMacでも有効になる。機種を替えるだけなら乗り換えは不要
  • 条件付き。無料体験は3日間で、Apple IDごとの提供と書かれている。移った先の体験期間とは別枠になる

作り直しの手間は、印を付けた機能の数に比例する。上の3つだけなら10分ほどで済むが、条件を決めた自動化まで組んでいるなら、同じ条件を新しいアプリの語彙に置き換える作業が要る。ここを見積もらずに移ると、途中で戻れなくなる。

候補を、価格と配布経路と更新の状況で並べる

同じ用途のmacOS用アプリを、2026年9月10日に各配布ページとリポジトリで確認した内容で並べる。

名前 価格 配布経路 ライセンス 直近の更新
Ice 無料 GitHub GPL-3.0 2025年9月にリポジトリへの更新
Hidden Bar 無料 GitHub、Mac App Store MIT 2026年6月にリポジトリへの更新
Bartender 6 販売ページに「Buy from $12」と表示 開発元サイト 商用 販売中
Dozer 無料 GitHub MPL-2.0 2023年11月が最後

出典はGitHub上の各リポジトリとBartenderの販売ページである。Iceは公開されている星の数が29,000を超えており、正式版として公開されている最新の版は2024年10月付、その後は開発版が公開されている。Hidden Barは14,000を超える星が付いており、GitHubで公開されている最新の版は2026年3月3日付の1.10、Mac App Storeで配布されている版は1.8で更新日は2021年6月1日と表示されている。同じ名前でも配布経路によって版が違うため、入手先を決めてから確かめることになる。Dozerはリポジトリが残っているが、最後の更新は2023年11月で、それ以降のmacOSでの動作は自分で確かめることになる。

Bartenderについては、価格のほかに知っておくとよい事実がある。販売ページには「Copyright © 2026 Applause Group, Inc.」の表記があり、このアプリは2024年に運営元が変わっている。当時、変更が事前に告知されなかったことが利用者の間で話題になった。現在は買い切りの版と、年ごとの契約の上位の枠が並んで販売されている。価格はページ上で読み込まれてから表示される作りのため、金額は自分の画面で確かめることになる。

無料のものを選ぶ場合、費用がかからない代わりに、質問の窓口が課題管理の場になる。返答の速さは開発者の状況によって変わる。有料のものを選ぶ場合、支払いの記録と問い合わせの窓口が用意される。どちらが良いかではなく、詰まったときに自分がどちらの動き方をするかで決まる。

macOS本体でまかなえる範囲を先に削る

候補を比べる前に、OSの機能だけで減らせる分がある。ここを削っておくと、そもそも道具が要らない場合もある。

システム設定のコントロールセンターの画面では、Wi-Fi、Bluetooth、集中モード、画面ミラーリング、サウンド、バッテリーなど、macOSが用意している項目について、メニューバーに出すかどうかを個別に決められる。使っていない項目を外すだけで、アイコンが2個から4個減ることは珍しくない。時計の表示も、日付や曜日を消せば横幅が縮む。

各アプリ側の設定も見ておきたい。クラウドストレージ、バックアップ、パスワード管理などのアプリは、それぞれの設定に「メニューバーに表示」の項目を持っていることが多い。押す用途がなく、状態を見る必要もないものは、アプリ側で消せる。この作業で残ったアイコンが、道具で扱うべき対象になる。詳しい手順はAppleサポートにも案内がある。

削ったうえでまだ8個以上残っているなら、隠す道具の出番になる。4個以下まで減ったなら、道具を入れずに済む可能性がある。この数を数えてから候補を見ると、判断の基準がはっきりする。

候補を1週間で確かめる段取り

機能の一覧を見比べる作業は候補を絞るところまでしかできない。決めるのは、普段の仕事の中で1週間使ってみたときに残る観察のほうになる。順番を決めておくと、感想ではなく数字が残る。

初日は設定だけを行う。毎日押さないものを隠し、状態を見たいものだけを表に残して、設定に何分かかったかを控える。設定に1時間かかる道具は、Macを買い替えるたびに同じ時間を使うことになる。

2日目から4日目は、隠したアイコンに手を伸ばした回数を数える。展開してから押すなら2回、畳んだまま押せるなら1回で、この差が1日に何度も積み上がる。同時に、隠していたせいで気づけなかった場面も数えておく。この数が、条件を決めて自動で出す機能に費用を払う理由になる。

5日目はディスプレイの繋ぎ替えを試す。ここは飛ばされやすいが、外部ディスプレイを外して戻したときに並びが保たれるかどうかは、持ち運ぶ使い方をしている人にとって決定的になる。繋ぎ替えのたびに並べ直す道具は、良い点が他にあっても1か月で外されることが多い。

6日目と7日目は、最初の仕分けで印を付けた機能そのものを試す。別のアプリを前面にした状態でショートカットが効くか、スクリプトから呼び出せるか、2台目のMacに設定が現れるか。ここで動かせなかった機能は、あとから急いでいるときに動かせるようにはならない。

移る前に片付けておく手続き

別のものに移ると決めた場合、順番を守らないと二重に手間がかかる。

  • 年ごとの契約をしているなら、自動更新を先に止める。App内課金の解約はApple IDのサブスクリプションの画面から行い、期間の終わりまでは使える
  • 新しい候補を入れる前に、いまのアプリを終了する。2つを同時に動かすとアイコンの位置を取り合い、どちらの動作も確かめられなくなる
  • いまのアプリのログイン項目を外す。システム設定の一般にあるログイン項目の画面で、自動起動を切る
  • アンインストールは、App Storeから入れたアプリならLaunchpadから、あるいはアプリケーションフォルダからゴミ箱へ移す
  • 設定の残りを消す場合は、利用者のライブラリの ~/Library/Containers/ にある、バンドルIDの名前が付いたフォルダを退避する

新しい候補を入れたあと、許可を求める案内が出たら、その場で与える。あとで与えるつもりで閉じると、システム設定の一覧から手で追加することになり、手数が増える。試用の期間は、平日と休日の両方を含む日程にすると、常駐アプリの顔ぶれが変わる場面まで確かめられる。

候補を絞りきる最後の3つの問い

ここまでの仕分けで候補が2つか3つに残ったら、次の問いで決める。判断の材料は、いずれも各社が公開しているページで確かめられる。

1つ目は、隠したアイコンを呼び出すときに何回押すかである。畳んだ状態から一度展開して、それから目的のアイコンを押す作りだと2回になる。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りなら1回で終わる。1日に何度も触るものなら、この差は積み上がる。挙動の違いはできることに画面付きで説明されている。

2つ目は、出す条件を決められるかである。隠したアイコンの表示が変わったとき、電池が決めた割合を下回ったとき、特定のアプリを使っているとき、といった条件で自動的に出し入れできるかどうかで、隠したまま気づかない事故が防げるかが変わる。

3つ目は、費用の形と対応する範囲である。買い切りか期間契約か、対応するmacOSはどこからか、Apple SiliconとIntelの両方かは、料金ダウンロードに書いてある。同じ用途のアプリを価格と払い方と出典付きで並べた表はほかの道具との違いにあり、調査日が明記されているので、自分で各社のページを開き直すときの起点として使える。許可の要否や、乗り換えたときに前の設定を読み込めるかはよくある質問にまとまっている。

決める順番をもう一度書いておく。理由を1つに絞り、7つの機能に印を付け、OS側で減らせる分を削り、残った数を数える。そのうえで候補を2つか3つに絞り、上の3つの問いで決める。この順で進めると、候補を眺めるだけで終わる時間を短くできる。

よくある質問

設定はそのまま新しいアプリへ移せる?

隠す対象の選び方、並び順、ショートカットの割り当てを、アプリをまたいで移す共通の仕組みはない。移る前に設定画面を撮っておくと作り直しが早い。乗り換え先によっては、特定のアプリの分け方を読み込む機能を持っている場合があるため、候補のよくある質問のページを先に確認しておくとよい。

無料のオープンソースのものでも足りる?

表示と非表示の切り替え、常に隠す指定といった基本の動きは、無料のものでも扱える。2026年9月10日時点で、IceはGPL-3.0、Hidden BarはMITで公開されている。足りなくなるのは、設定の同期、自動化との連携、条件を決めた自動の出し入れといった細かい制御を使っている場合になる。

App内課金で払った分はどうなる?

支払いはそのアプリに対するもので、別のアプリには引き継げない。年ごとの契約をしている場合は、乗り換えを決めた時点でApple IDのサブスクリプションの画面から自動更新を止めておくと、期間の終わりまで使いながら新しい候補を試せる。返金の申請先はAppleで、購入履歴から手続きする。

乗り換える前に確かめておくことは?

候補を入れる前に、いまのアプリを終了してログイン項目からも外す。メニューバーを扱うアプリを2つ同時に動かすと、アイコンの位置を互いに書き換え合い、どちらの動作も正しく確かめられなくなる。あわせて、システム設定のコントロールセンターで不要な項目を消し、残ったアイコンの数を数えておくと判断が早い。

記事一覧へ戻る