MacでBluetoothをオンにできない|切り替えが戻るときの順番
MacでBluetoothをオンにできないとき、画面で起きていることは1つではない。スイッチを押しても数秒で元に戻る場合、スイッチが灰色のまま押せない場合、オンの表示になっているのに一覧に何も出てこない場合がある。この3つは別の状態で、当たる順番も変わる。この記事では、症状を先に切り分けてから、公式に案内されている手順の並びどおりに見ていく形で整理する。
「オンにできない」は3つの状態に分かれる
同じ言葉で検索しても、たどり着く対処法が噛み合わないことが多い。理由は、症状の区別をしないまま手順だけを並べた説明が多いためである。まず自分の画面がどれなのかを決める。
| 画面の様子 | 起きていること | 最初に見る場所 |
|---|---|---|
| スイッチを押すとオンになるが、数秒で戻る | Bluetoothを扱う仕組みが起動し直せていない | 再起動の前に、接続中のアクセサリを外して試す |
| スイッチが灰色で押せない、項目自体が無い | システム設定を開く権限、または機能制限の側の設定 | 使っているユーザアカウントと、機能制限の設定 |
| オンの表示になるが一覧に何も出ない | 相手の機器がペアリングの状態になっていない、または電波の条件 | 相手の機器の電源と、机の上の障害物 |
この表で言うと、1行目と3行目の区別がいちばん大きい。1行目はMac側の問題で、3行目は相手の機器か周囲の環境の問題である。3行目の状態でMacを何度も再起動しても、状況はほとんど変わらない。
区別が付かないときは、相手の機器を1台だけに絞る。キーボード、マウス、イヤホンを同時に繋ごうとすると、どれが原因なのかが混ざる。1台にして、その1台が一覧に出るかどうかだけを見る。出るなら電波の条件は足りていて、Mac側の設定の話に移れる。
入力機器が使えない状態での逃げ道を先に用意する
Bluetoothがオンにならない状況でいちばん困るのは、ワイヤレスのキーボードとマウスしか持っていない場合である。設定を開く手段そのものが無くなる。この状態に備えて、Appleは画面を触らずに進む道を案内している。
USB マウスがない場合、キーボードが接続されていれば、「command」キーとスペースバーを押して、Spotlight の検索フィールドに「Bluetooth ファイル交換」と入力してから「return」キーまたは「enter」キーを押し、その後「return」キーまたは「enter」キーを押して Bluetooth を有効にします。 出典: support.apple.com
MacBookのように内蔵のトラックパッドがある機種なら、そこから操作できる。Mac miniやMac Studioのように内蔵の入力機器を持たない機種では、有線のキーボードか有線のマウスを1つ用意しておく価値がある。Magic KeyboardとMagic Trackpadは、ケーブルでMacに繋いだままでも使える。Magic Mouseは、使うためにケーブルを外す必要がある。
ここで押さえておくべきなのは、ケーブルで繋ぐ操作そのものがペアリングを兼ねるという点である。Apple製のキーボード、マウス、トラックパッドは、ケーブルでMacに繋ぐと自動でペアリングされる。繋いだあと1分ほど待ってからケーブルを外すと、そのままワイヤレスで使える状態になる。バッテリーの充電も同時に進む。
設定の画面はサイドバーの下のほうにある
Bluetoothの設定は、システム設定のサイドバーにある。ただし項目の並びの中で下のほうに置かれているため、スクロールしないと見つからないことがある。「項目が無いからオンにできない」と判断する前に、サイドバーを下まで送る。
公式に案内されている道順は、Appleメニューからシステム設定を選び、サイドバーでBluetoothをクリックするというものである。開いた画面では、Macに登録済みのデバイスと、近くにあるデバイスが別の欄に分かれて並ぶ。近くにあるデバイスの欄に相手の名前が出たら、ポインタを名前の上に置くと接続のボタンが現れる。確認を求められたときは受信を選ぶか、表示された数字の並びを入力してEnterキーを押す。
登録済みの欄に名前があるのに繋がらない場合は、接続のボタンを何度も押すより、Controlキーを押しながら名前をクリックしてペアリング解除を選び、新しいデバイスとして繋ぎ直すほうが早い。古い記録が残ったままでは同じ状態に戻ることが多い。詳しい手順はAppleが案内しているBluetoothデバイスの接続手順にまとめられている。
オンにできたのに繋がらないときは電波の条件を見る
スイッチはオンになるが一覧に何も出てこない、あるいは繋がってもすぐ切れる場合、Mac側の設定ではなく周囲の条件が効いていることがある。BluetoothはWi-Fiと同じ2.4GHz帯を使うため、同じ帯を使う機器が多い場所では信号がぶつかる。
ワイヤレスデバイスを一般的な干渉源(電源ケーブル、電子レンジ、蛍光灯、ワイヤレスのビデオカメラ、コードレス電話など)の近くでは使わないようにする。 出典: support.apple.com
見落としやすいのが、机の上のUSBやThunderboltの機器である。USB 3やThunderbolt 3の機器は近くのワイヤレス接続と干渉することがあり、USBハブも同じ扱いになる。Macの真上に外付けのディスクやハブを置いている机では、その配置を変えるだけで症状が消えることがある。使っていないUSBの機器は電源を切っておく。
遮るものの材質でも変わる。木材やガラスは影響が小さく、水や煉瓦は中程度、コンクリートや土壁は大きく、金属はいちばん大きい。金属のモニタースタンドやノートパソコン用の台がMacと相手の機器の間に入っていると、机の反対側なら問題なく使える接続が不安定になる。Wi-Fiルーターが5GHz帯にも対応しているなら、Wi-Fiの側を5GHz帯に寄せることで2.4GHz帯の混雑を下げられる。
スイッチが灰色で押せない場合に見る場所
スイッチが押し戻されるのではなく、そもそも触れない状態になっていることがある。この場合は、Bluetoothの仕組みが動いていないのではなく、その設定を変える権限が今のユーザに無いという意味になる。
見る場所は2つある。1つは、いま使っているユーザアカウントの種類である。管理者ではないアカウントでは、変更できない設定に鍵の印が付いたり、操作できない見え方になる。共用のMacや、家族で分けて使っているMacで起きやすい。管理者のアカウントに切り替えてから同じ画面を開くと、押せるようになっていることがある。
もう1つは、機能を制限する設定の側である。スクリーンタイムの制限や、会社や学校から配布されたMacに入っている管理の設定で、Bluetoothの変更そのものが止められている場合がある。管理されているMacかどうかは、システム設定の画面に管理されているという表示が出るかどうかで見分けられる。配布元の設定で止められているものは、手元の操作では変えられない。管理の担当へ相談する話になる。
この2つのどちらでもなく、Bluetoothの項目自体が見つからないという場合は、サイドバーを下まで送っていないだけのことがある。項目の並びは長く、画面の高さによっては下が切れて見える。
再起動を試す位置
Appleの案内では、再起動はBluetoothを有効にできないときの手順として置かれている。最初に試すものではなく、設定の画面から操作を試したあとに来る。再起動してから、もう一度Bluetoothを有効にしてみるという並びである。
順番に意味があるのは、再起動すると何が原因だったのかが分からなくなるためである。ペアリングの記録が邪魔をしていたのか、干渉していたのか、一時的に仕組みが応答しなくなっていたのかを区別できないまま、直ったことだけが残る。同じ症状が翌週また出たときに、当たる場所が増えない。
再起動を選ぶときは、入力機器の状態を先に確かめる。ワイヤレスのキーボードしか無い状態で再起動すると、ログイン画面でパスワードを打てなくなる場合がある。有線のキーボードか内蔵のトラックパッドを使える状態にしてから進める。作業中の書類がある場合は、保存も先に済ませておく。
Apple製のアクセサリが相手のとき
相手がMagic Keyboard、Magic Mouse、Magic Trackpadの場合は、確かめる場所が決まっている。Magic Mouseは本体の底面、Magic KeyboardとMagic Trackpadは本体の背面に電源のスイッチがある。緑色が見えていない状態は電源が切れている状態なので、スライドして切り、もう一度スライドして入れる。
以前のモデルのApple Wireless KeyboardやMagic Trackpadは、本体の右側面に電源ボタンがある。本体上部の緑色のランプが消えるまで長押しし、もう一度、ランプが点灯するまで押す。電池を自分で交換できる世代なので、電池の残量も確かめる対象になる。
アクセサリの充電残量は、メニューバーのコントロールセンターのアイコンを押し、Bluetoothの項目を開くと見られる。ここで残量が見えない機器は、そもそもMacから認識されていないことになる。判定の材料として使える。
メニューバーからBluetoothの状態を見えるようにしておく
ここまでの切り分けは、Bluetoothの状態が画面のどこかに見えているほど速く進む。切れた瞬間が分かれば、そのとき机の上で何が動いていたのかを結び付けられる。
Bluetoothの項目をメニューバーに出すかどうかは、Bluetoothの設定ではなく、システム設定のサイドバーにある「メニューバー」で決まる。メニューバーコントロールの一覧にWi-Fi、Bluetooth、集中モード、画面ミラーリング、ディスプレイ、サウンドなどが並んでいて、出すものを選ぶ形になっている。項目ごとに「使用中に表示」と「常に表示」を選べるので、切断を追いたい時期だけ常に表示にしておく使い方ができる。設定の内容はAppleのメニューバー設定の説明に載っている。
問題は、メニューバーの幅が決まっていることである。常駐アプリのアイコンが増えるほど、古いものから押し出される。ノッチのある機種では隠れて押せなくなる項目も出る。Bluetoothの項目が最初に犠牲になるのは、この順番のためである。
メニューバーを整理する道具を入れると、ふだん見る項目と、ふだんは見なくてよい項目を分けられる。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける形にしておくと、必要なときだけ呼び出す運用になる。何を隠して何を残せるのかはできることにまとめてある。ほかの同じ役目の道具との違いはほかの道具との違いで並べている。
切り分けの実務としては、Bluetoothと音量の項目を常に見える側に置き、日に一度も押さない常駐アプリを隠す側へ回す。この並べ替えだけで、接続が切れた瞬間に画面で何が起きたのかを確かめられるようになる。対応しているmacOSの版や、同じ役目の道具を2つ同時に動かした場合にどうなるかはよくある質問に書いてある。試す場合の条件は料金に、動く環境はダウンロードに載っている。
よくある質問
Bluetoothのスイッチを押してもすぐオフに戻るのはなぜ?
Bluetoothを扱う仕組みが起動し直せていない状態である。接続中のアクセサリをいったん外し、システム設定のBluetoothの画面からもう一度オンにする。それでも戻る場合は、Appleの案内どおりに再起動してからもう一度オンにする。再起動は最初ではなく、設定からの操作を試したあとに置かれている手順である。
ワイヤレスのキーボードしか無い状態でBluetoothをオンにできる?
キーボードが繋がっている状態なら、commandキーとスペースバーでSpotlightを開き「Bluetooth ファイル交換」と入力してreturnキーを押す方法が案内されている。繋がっていない場合は、Apple製のキーボードならケーブルでMacに繋ぐと自動でペアリングされる。1分ほど待ってからケーブルを外す。
オンになっているのに相手の機器が一覧に出てこないのはなぜ?
相手の機器がペアリングの状態になっていないか、電波の条件が足りていない。相手の電源を確かめ、Macと近付ける。BluetoothはWi-Fiと同じ2.4GHz帯を使うため、電子レンジやコードレス電話の近く、USB 3やThunderbolt 3の機器の真上では不安定になる。金属の台が間に入っている場合も同じである。
メニューバーにBluetoothのアイコンを出すのはどこで設定する?
Bluetoothの設定ではなく、システム設定のサイドバーにある「メニューバー」で決める。メニューバーコントロールの一覧からBluetoothを選ぶと出る。項目ごとに「使用中に表示」と「常に表示」を選べるので、接続が切れる症状を追っている時期だけ常に表示にしておく使い方ができる。