MacBookの初期設定を初心者が進める|迷いやすい画面の順に
MacBookの初期設定を初心者向けに調べると、やることが30項目ほど並んだ一覧に行き当たる。項目は正しいのだが、電源を入れた直後の画面でしか決められないことと、あとからいつでも変えられることが同じ列に並んでいるため、どこで手を止めて考えればよいのかが分からない。この記事では、実際に画面に出てくる順に沿って、その画面で何が決まるのか、あとから変えられるのかを並べる。初心者がつまずきやすい箇所と、やりがちな失敗も合わせて整理する。
迷う画面は決まっている
初期設定の解説記事を並べると、分量は5,500字から14,000字あり、項目数も10から30まで開きがある。それでも、読者が手を止める画面はほぼ共通している。キーボードの配列を選ぶ画面、データの引き継ぎを選ぶ画面、Apple Accountにサインインする画面、ディスクの暗号化を選ぶ画面の4つである。
この4つに共通しているのは、選択の結果があとの作業に影響するという点である。ほかの画面は、選び間違えても設定アプリから直せる。先にこの4つだけ方針を決めておくと、残りは流れで進められる。
MacBook Air が始めての人も、ここで紹介する内容を一通り設定すれば、MacBook Airをすぐに日常使いできる状態にすることができます。 出典: macbook-winuser.com
初日にどこまでやるかの目安は、この4つと、控えの行き先を決めるところまでである。残りは使いながら直せばよい。
設定アシスタントの画面を順に見る
電源を入れると、国と地域を選ぶ画面から始まる。ここで決まるのは表示の言語と単位、そして時刻の扱いである。あとから変えられるため、迷う必要は無い。
次にキーボードの配列を選ぶ画面が来る。日本語の配列を選ぶか、英語の配列を選ぶかで、記号の位置と変換キーの扱いが変わる。本体のキーボードは刻印の通りに選べばよい。外付けのキーボードを後から繋いだときは、そのキーボードに対して別途配列を選ぶ画面が出る。
アクセシビリティの案内が挟まり、次にWi-Fiに繋ぐ画面が来る。共有の回線でも進められるが、次の引き継ぎとサインインで通信量を使うため、回線が細い場所では先に進めないほうが早い。
データの引き継ぎを選ぶ画面は、初期設定でいちばん判断が要る場所である。前の機械やバックアップから移すなら、この画面で済ませたほうが手数が少ない。使い始めてから移行アシスタントを走らせると、すでに作ったアカウントとぶつかり、同じ人のユーザが2つできることがある。Windowsの機械から移す場合も同じ画面から進められる。移すものが無ければ「今は情報を転送しない」を選ぶ。
Apple Accountへのサインインは、iCloudの同期の起点になる。ここでサインインすると、写真や書類の同期が始まり、通信量と時間を使う。持っていない場合はこの画面で作れるが、あとから設定アプリでサインインしてもよい。
続いて利用規約、ユーザアカウントの作成、位置情報、解析データの送信、Siri、画面モードの選択が並ぶ。ユーザアカウントの画面で決まるアカウント名は、ホームフォルダの名前になり、あとから変えるのが面倒な項目の1つである。ローマ字の小文字で短く付けておくと、後で困らない。
あとから変えられる項目と、変えにくい項目
判断の重さを分けると、次のようになる。
| 項目 | あとから変えるとき |
|---|---|
| 国と地域、言語 | 設定アプリからいつでも変えられる |
| キーボードの配列 | 設定アプリからいつでも変えられる |
| ユーザアカウント名 | ホームフォルダ名に関わるため手数が多い |
| データの引き継ぎ | 移行アシスタントで後からもできるが、ぶつかりやすい |
| Apple Accountのサインイン | いつでもサインインできる |
| ディスクの暗号化 | いつでもオンにできるが、後にすると処理が長い |
| Touch IDの登録 | いつでも追加できる |
| 位置情報、解析データ | いつでも変えられる |
変えにくいのはアカウント名と引き継ぎの2つだけである。ここだけ落ち着いて選び、残りは進めてよい。
Touch IDは複数の指を登録できる。左右の人差し指を入れておくと、外付けキーボードを使う日と本体のキーボードを使う日で持ち替える手間が消える。
暗号化の画面で何を聞かれているのか
設定アシスタントを抜けたあと、あるいはシステム設定の「プライバシーとセキュリティ」で、ディスクの暗号化をオンにするかどうかを選ぶ場面が来る。初心者向けの記事では上位に置かれることが多い項目だが、前提が1つ抜けていることが多い。いまの機械は、何もしなくても本体のデータが暗号化されている。
つまりここでオンにする作業は、暗号化を始める作業ではなく、ログインパスワードを知らない人に鍵を開けさせないための1段を足す作業である。オンにすると、ロックを解除する方法をApple Accountにするか、復旧キーを自分で保管するかを選ぶ画面が出る。
注意が要るのは復旧キーの置き場所である。ログインパスワードを忘れてリセットできず、復旧キーも分からないと、ファイルと設定は戻らない。キーを紙に書くなら、本体とは別の場所に保管する。仕事で使う機械なら、会社の方針を先に確かめてから選ぶ。ファイルが少ないうちにオンにすると処理が短く済むため、初日に置く理由があるのはこの1点である。
Windowsから移ってきた人が迷うところ
Windowsを長く使ってきた人がつまずく箇所は、設定の項目そのものではなく操作の前提である。
- 修飾キーの位置が違う。コピーと貼り付けはCommandキーを使い、Controlキーは別の役割を持つ
- スクロールの向きが逆に感じる。トラックパッドの設定で「ナチュラルなスクロール」を切ると従来の向きになる
- 閉じるボタンの位置が左上にあり、ウインドウを閉じてもアプリが終了しないことがある
- かな漢字変換の切り替えが、スペースキーの左右のキーで行われる
- アプリの入れ方が、インストーラを走らせる形とフォルダへ入れる形の2通りある
この5つは初日に全部直す必要は無い。2週間ほど使うと、直したい順番が自分で分かる。先に全部変えると、解説記事の説明と画面が合わなくなって調べにくくなる。
初心者がやりがちな失敗
初期設定の段階で起きる失敗は、3つに集約される。
1つ目は、道具を先に入れて困りごとを後から探すことである。おすすめアプリの一覧を見ながら片端から入れると、使っていない常駐アプリが3つ4つ残り、画面の上端が埋まる。困った場面が出てから1つずつ探すほうが、残る本数が少ない。
2つ目は、控えを後回しにすることである。控えが無い期間に事故が起きると、初期設定をやり直すところから始まる。全体を戻すための控えと、ファイルを複数の機械で同じ状態に保つ仕組みは役割が違う。前者は外付けのディスクかネットワーク上の場所を1つ決めるだけで動き始める。後者は手元で消したファイルが同期先でも消えるため、消した事故には効かない。行き先を決めるだけなら数分で済む。
3つ目は、通知を初日に全部オンにすることである。設定の直後はアプリが少ないので通知も少ないが、2週目には数が増える。オンにしてから減らすより、必要なものだけをオンにしていくほうが手数が少ない。
シリアル番号も初日に控えておく。アップルメニューの「このMacについて」から確認でき、修理や保証の問い合わせで最初に聞かれる番号である。保証を延長するかどうかも、購入から一定の期間を過ぎると申し込めなくなるため、迷うより先に判断しておくほうが選択肢が残る。
標準アプリの代わりを入れるかどうか
初心者向けの記事の後半は、たいてい標準アプリの代わりに使うアプリと、最初に入れたい無料アプリの一覧になる。ここが最も判断を誤りやすい場所である。
判断の順番は3段になる。まず標準アプリの設定を変えて済まないかを見る。次に無料で公開されているものを試す。それでも足りないときに、有料のものを比較する。無料の段階で足りる領域は思っているより広い。
比較するときは、金額だけでなく払い方を見る。買い切りなのか、年額なのか、両方選べるのか。同じ機能でも、買い切りと年額では2年目からの負担が変わる。あわせて、対応するmacOSの下限と、Appleの署名と公証を受けているかどうかを見る。公証を受けているものは、初めて開いたときに警告が出ない。
常駐アプリが増えたあとに起きること
初期設定から2週間ほど経つと、次の不便が出る。画面の右上に並んだアイコンが増え、押したいものを目で探すようになる。MacBookは画面の中央上にカメラの部分があり、アプリのメニューが左から、状況を示すアイコンが右から埋まっていくため、数が増えると左側のアイコンが描かれなくなる。これは不具合ではなく、幅が足りなくなったときの決まった振る舞いである。
macOSが自分で出しているアイコンは、システム設定の「メニューバー」から選べる。
使用中に表示: その項目の使用中にのみ状況アイコンをメニューバーに表示します。 常に表示: 状況アイコンを常にメニューバーに表示します。 出典: support.apple.com
押すことがほとんど無い項目を「使用中に表示」に切り替えるだけで、2つか3つ分の幅が空く。同じ画面には「メニューバーに追加することを許可」という欄もあり、アプリが出している項目のうちmacOS側で止められるものはここに並ぶ。それでも足りないときは、アプリ側の設定でアイコンを消せるものを消す。1つずつ設定を見ると、3つか4つは無くしても困らないことが分かる。
何を隠して何を残すかを決める
残ったものを押す頻度で3段階に分けると、整理する道具の設定が短時間で終わる。1日に何度も押すものは、たいてい2つか3つしかない。次に、気になったときだけ押すもの。最後に、動いていることさえ分かればよく、押すことがほぼ無いもの。3段目は常に隠す扱いにしてよく、2段目は畳んでおいて必要なときだけ呼び出す形が合う。
呼び出し方は道具の作りで分かれる。帯の上に一度展開してから押す形、メニューバーの下のポップアップにまとめて出す形、そして隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける形の3通りである。呼び出したときに電池の残量の数字や未読の件数がそのまま出るかどうかも、日々の使い勝手に効く。仕切りより左へ送って時計のまわりを空ける仕組みと、隠したものを本物の見た目のまま出す仕組みはできることに説明がある。
金額と払い方を並べた表はほかの道具との違いにあり、2026年9月3日に各社の販売ページで調べた値として載っている。無料のオープンソースのものも同じ表に入っているので、無料で足りるかどうかの見当が付く。有料のものは買い切りで1,980円のものから、年額と永久ライセンスを選べるものまで幅がある。買い切りの範囲は料金で確かめられる。
この種の常駐アプリは、メニューバーの帯の描画を読み取るために画面収録の許可を、アイコンを押してメニューを開くためにアクセシビリティの許可を求める。求める理由はよくある質問に説明があり、対応するmacOSの下限と試用の条件はダウンロードに載っている。
初期設定の流れを通して並べると、キーボードの配列と引き継ぎとアカウント名を落ち着いて選び、初日に暗号化と控えとシリアル番号を押さえ、残りは使いながら直す。道具は困りごとが出てから入れ、常駐が増えたところで押す頻度の分類を作る。この順で進めると、買ってから1か月たっても画面の上端が散らからない。
よくある質問
MacBookの初期設定で、初心者が特に注意する画面はどれ?
キーボードの配列、データの引き継ぎ、Apple Accountのサインイン、ディスクの暗号化の4つになる。なかでも引き継ぎとユーザアカウント名は、あとから直すと手数が多い。アカウント名はホームフォルダの名前になるため、ローマ字の小文字で短く付けておく。
初期設定は初日に全部終わらせたほうがいい?
全部を初日にやる必要は無い。設定アシスタントの画面で決まる項目と、控えの行き先、シリアル番号の控えまでを初日に済ませ、トラックパッドの速度やキーリピートのような好みの設定は使いながら直す。比べる基準が無いうちに触っても、自分に合う値は分からない。
最初に入れるアプリはまとめて選んだほうが早い?
片端から入れると常駐するものが増え、画面の上端が埋まり、動作も重くなる。標準アプリの設定を変えて済まないかを先に見て、次に無料のものを試し、それでも足りないときに有料のものを比較する順が無駄が少ない。初週は無いと作業が止まるものだけに絞る。
Windowsから移ってきた場合、初日に設定を変えるべき?
初日に全部変えないほうがよい。修飾キーの位置、スクロールの向き、変換の切り替えは2週間ほど使うと直したい順番が自分で分かる。先に全部変えると、解説記事の説明と手元の画面が合わなくなり、調べるときに手間が増える。