MacBook Airの初期設定、初心者向け|最初に決めることの順番
MacBook Airの初期設定を初心者向けに調べると、やることが30項目ほど並んだ一覧に行き当たる。全部を初日にやる必要は無く、順番を間違えると同じ作業を二度やることになる。この記事では、初期設定を「設定アシスタントの画面で決めること」「初日のうちに決めること」「使いながら決めればよいこと」の3つに分け、どの段階で何を決めるかを並べる。あとから直しにくい項目と、後回しでよい項目を分けて書く。
初期設定の一覧が長くなる理由
検索で出てくる初期設定の記事は、文字数が7,000字から14,000字あり、項目数も10から30と幅がある。長くなるのは、性質の違う作業が同じ列に並んでいるからである。電源を入れた直後の画面でしか決められないこと、期限があること、使い方が見えてこないと判断できないこと。この3つは本来別の話で、混ぜると「どれを先にやるのか」が分からなくなる。
初心者向けの記事がすすめる項目には、もう1つの偏りがある。便利機能を足す方向の提案が多く、増えたものを片づける話がほとんど出てこない。実際に不便が出るのはその逆で、入れた道具が画面の上端と下端に居座り、目的のものを探す時間が毎日少しずつ増えていく。
区切りの目安はこうなる。設定アシスタントの画面では、あとから手戻りが出る項目を決める。初日のうちには、事故と期限に関わるものを片づける。残りは使いながら決める。この順にすると、初日の作業は30分から1時間で終わる。
設定アシスタントの画面で決めること
電源を入れてからの流れで決まってしまう項目が、ここに集まっている。
データの引き継ぎは、この段階で判断する。前のMacやTime Machineのバックアップから移すなら、初回の画面で済ませるほうが手数が少ない。使い始めてから移行アシスタントを走らせると、既に作ったアカウントとぶつかり、同じ人のユーザが2つできることがある。Windowsから移る場合も同じ画面から進める。
Apple Accountへのサインインは、iCloudの同期の起点になる。回線が細い場所なら後回しでよいが、写真や書類の同期が始まると通信量と時間を使う。外出先の共有回線で初期設定を始めるのは向いていない。
ユーザ名とアカウント名も、この画面で決まる。アカウント名はホームフォルダの名前になり、あとから変えるのが面倒な項目の1つである。ローマ字の小文字で短く付けておくと、あとで困らない。
Touch IDは複数の指を登録できる。左右の人差し指を入れておくと、外付けキーボードを使う日と本体のキーボードを使う日で、持ち替える手間が消える。
自動アップデートの扱いも、ここで方針を決めておく。セキュリティ対応は自動、macOSの大きな更新は手動という組み合わせにしておくと、仕事で使うアプリが追いついていない時期の事故を避けられる。
暗号化は「オンにする」前に、すでに掛かっていることを知る
初心者向けの記事でよく上位に置かれるのがディスクの暗号化だが、前提が1つ抜けていることが多い。いまのMacは、何もしなくてもデータが暗号化されている。
AppleシリコンまたはApple T2セキュリティチップを搭載したMacをお持ちの場合、データは自動的に暗号化されます。FileVaultをオンにすると、ほかの人がログインパスワードを入力せずにデータの暗号化を解除したりデータにアクセスしたりできないようにすることで、セキュリティレイヤーが強化されます。 出典: support.apple.com
つまりFileVaultをオンにする作業は、暗号化を始める作業ではなく、ログインパスワードを知らない人に鍵を開けさせないための1段を足す作業である。オンにするときは、ロックを解除する方法をiCloudアカウントにするか、復旧キーを自分で保管するかを選ぶ画面が出る。
ここで注意が要るのは復旧キーの置き場所である。ログインパスワードを忘れてリセットできず、復旧キーも分からないと、ファイルと設定は戻らない。キーを紙に書くなら、Mac本体とは別の場所に保管する。仕事で使う機械なら、会社の方針を先に確かめてから選ぶ。
ファイルが少ないうちにオンにすると、暗号化の処理が短く済む。初日に置く理由があるのは、その1点である。
控えは2系統。Time Machineとクラウドは役割が違う
控えの話はどの初期設定の一覧にも出てくるが、Time Machineとクラウドを同じものとして書いている記事が多い。役割は違う。
Time Machineは、Mac全体をまるごと戻すための控えである。外付けのディスクかネットワーク上の場所を1つ指定しておくと、あとは自動で積み上がる。新しいMacに買い替えたときに、設定ごと移せるのはこちらである。
iCloud Driveや他社のクラウドは、ファイルを複数の機械で同じ状態に保つ仕組みである。手元で消したファイルは、同期先でも消える。「間違って消した」に効くのは、各サービスが持っている履歴の機能で、期間の上限がある。
初日にやるのは、Time Machineの行き先を1つ決めることと、クラウドに置くフォルダを決めることの2つでよい。外付けディスクがまだ無いなら、買うまでの間はクラウド側だけで進めて構わない。控えが無い状態を長く続けないことが、ここでのポイントになる。
シリアル番号も初日に控えておく。アップルメニューの「このMacについて」から確認でき、修理や保証の問い合わせで最初に聞かれる番号である。購入を証明する書類と一緒に保管しておくと、いざ必要になったときに探す手間が消える。保証を延長するかどうかも、購入から一定の期間を過ぎると申し込めなくなるため、迷うより先に判断しておくほうが選択肢が残る。
標準アプリの代わりを入れるかどうか
初心者向けの記事の後半は、たいてい「最初に入れたい無料アプリ」の一覧になる。ここが最も判断を誤りやすい場所である。
先に道具を並べると、困っていない場所まで置き換えてしまう。逆に、困ったときに1つずつ探すと、常駐するアプリの数が最小限で済む。Macは起動中の常駐アプリが増えると、メニューバーが埋まり、動作も重くなっていく。
判断の順番はこうなる。まず、標準アプリの設定を変えて済まないかを見る。次に、無料で公開されているものを試す。それでも足りないときに、有料のものを比較する。無料の段階で足りる領域は、思っているより広い。
比較するときは、金額だけでなく払い方も見る。買い切りなのか、年額なのか、どちらも選べるのか。同じ機能でも、買い切りと年額では2年目からの負担が変わる。無料のオープンソースのものと、有料のものを同じ表に並べて、必要な機能に印を付けていくのが早い。
もう1つ、対応するmacOSの下限を見ておく。新しいMacなら問題になりにくいが、家族のお下がりを設定する場合は、入れたい道具が動かないことがある。
初日では後回しでよい設定
初日に決めなくてよいものを外しておくと、作業が半分になる。
トラックパッドの速度、キーリピート、スクロールの向きは、しばらく使ってから直すほうが自分に合う値が分かる。初日に触っても、比べる基準が無い。
Dockの位置と大きさ、壁紙、スクリーンセーバも同じである。ウインドウの使い方が見えてから決めればよい。
集中モードとスクリーンタイムは、生活の中で邪魔になっている通知が分かってから作る。初日に作った集中モードは、たいてい使われないまま残る。
ウィジェットも後回しでよい。デスクトップに置いたウィジェットは、ウインドウが開いていれば見えない。壁紙の上に情報を並べる前に、ウインドウを開いたままでも見える場所に何を置くかを考えるほうが効く。
よくある失敗の3つ
1つ目は、道具を先に入れて困りごとを後から探すこと。これをやると、使っていない常駐アプリが3つ4つ残り、メニューバーが埋まる。
2つ目は、控えを「あとで」にすること。控えが無い期間に事故が起きると、初期設定をやり直すところから始まる。行き先を決めるだけなら数分で済む。
3つ目は、通知を初日に全部オンにすること。初期設定の直後はアプリが少ないので通知も少ないが、2週目には数が増える。オンにしてから減らすより、必要なものだけをオンにしていくほうが手数が少ない。
常駐アプリが増えたあと、メニューバーで何を決めるか
初期設定から2週間ほど経つと、次の不便が出る。画面の右上に並んだアイコンが増え、押したいものを目で探すようになる。MacBook Airは画面の中央にカメラの部分があり、アプリのメニューが左から、状況を示すアイコンが右から埋まっていくため、数が増えると左側のアイコンが描かれなくなる。これは不具合ではなく、幅が足りなくなったときの決まった振る舞いである。並び順は自分で変えられる。
状況メニューの配置を変更するには、Commandキーを押したままアイコンをドラッグします。状況メニューを素早く削除するには、Commandキーを押したままアイコンをメニューバーの外にドラッグします。 出典: support.apple.com
macOSが自分で出しているアイコンは、システム設定の「メニューバー」から選べる。Wi-Fi、Bluetooth、バッテリー、集中モード、画面ミラーリング、サウンド、再生中などが並び、いくつかは「使用中のみ表示」と「常に表示」を選べる。押すことがほとんど無い項目を「使用中のみ表示」にするだけで、2つか3つ分の幅が空く。
それでも足りないときは、アプリが出しているアイコンの側を減らす。多くの常駐アプリは、アイコンを消しても本体は動き続ける設定を持っている。Appleは開発者に対して、メニューバーの場所は限られているので、アイコンを隠す設定を用意するようにと書いている。1つずつ設定を見ると、3つか4つは無くしても困らないことが分かる。
そこまでやって残ったものを、押す頻度で3段階に分けると、整理する道具の設定が短時間で終わる。1日に何度も押すものは、たいてい2つか3つしかない。次に、気になったときだけ押すもの。最後に、動いていることさえ分かればよく、押すことがほぼ無いもの。3段目は常に隠す扱いにしてよく、2段目は畳んでおいて必要なときに呼び出す形が合う。
呼び出し方は道具の作りで分かれる。帯の上に展開してから押す形、メニューバーの下のポップアップにまとめて出す形、そして隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける形の3通りである。呼び出したときに残量の数字や未読の件数がそのまま出るかどうかも、日々の使い勝手に効く。仕切りより左へ送って時計のまわりを空ける仕組みと、隠したものを本物の見た目のまま出す仕組みはできることに説明がある。
金額と払い方を並べた表はほかの道具との違いにあり、2026年9月3日に各社の販売ページで調べた値として載っている。無料のオープンソースのものも同じ表に入っているので、無料で足りるかどうかの見当が付く。買い切りの範囲は料金で確かめられる。
この種の常駐アプリは、メニューバーの描画を読み取るために画面収録の許可を、アイコンを押してメニューを開くためにアクセシビリティの許可を求める。求める理由はよくある質問に説明があり、対応するmacOSの下限と試用の条件はダウンロードに載っている。
初期設定の流れを通して並べると、設定アシスタントの画面で引き継ぎとアカウント名とTouch IDを決め、初日に暗号化と控えとシリアル番号を押さえ、残りは使いながら直す。道具は困りごとが出てから入れ、常駐が増えたところで押す頻度による分類を作る。この順で進めると、買ってから1か月たっても画面の上端が散らからない。
よくある質問
MacBook Airの初期設定で、最初に決めるべき項目はどれ?
あとから直しにくい項目に時間を使う。データの引き継ぎ、Apple Accountへのサインイン、ユーザ名とアカウント名、Touch IDの登録、自動アップデートの範囲の5つになる。アカウント名はホームフォルダの名前になるため、ローマ字の小文字で短く付けておくと、あとで変えたくなる場面が減る。
FileVaultは初心者でもオンにしたほうがいい?
Appleシリコン搭載のMacはデータが自動的に暗号化されているので、FileVaultはログインパスワードを知らない人に鍵を開けさせないための1段を足す機能になる。オンにするなら、復旧キーはMac本体と別の場所に保管する。パスワードと復旧キーの両方が分からなくなると、ファイルは戻らない。
最初に入れるアプリは、まとめて選んだほうが早い?
片端から入れると常駐するものが増え、メニューバーが埋まり動作も重くなる。標準アプリの設定を変えて済まないかを先に見て、次に無料のものを試し、それでも足りないときに有料のものを比較する順が無駄が少ない。初週は無いと作業が止まるものだけに絞ると、あとで外す手間が消える。
メニューバーのアイコンが増えて押しにくいときは何をすればいい?
まずシステム設定の「メニューバー」で、押すことがほとんど無い項目を「使用中のみ表示」に切り替える。次にアプリ側の設定でアイコンを消せるものを消す。それでも並びきらないときに、押す頻度で3段階に分けて整理する道具を入れる。無料のオープンソースのものもある。