Macでデュアルディスプレイにする|メニューバーが出る画面を決める

Macでデュアルディスプレイにするとき、詰まる場所はケーブルではなく設定である。繋げば映るところまでは簡単でも、どちらの画面にメニューバーを出すか、アプリをどの画面で開くか、繋ぎ替えたときに並びが元に戻るかは、それぞれ別の設定で決まっている。この記事では接続までの確認事項を先に片づけ、そのあと画面が2枚になってから決めることを順に扱う。

繋ぐ前に確かめることは3つある

Appleの利用ガイドが挙げている確認事項は3つである。Macに載っているビデオポートの種類、Macが対応しているディスプレイの台数、そして正しいケーブルを持っているかどうか。

台数の確認は見落としやすい。ポートが2つあることは、外部ディスプレイを2台使えることを意味しない。対応台数は機種ごとに決まっていて、調べる場所は技術仕様である。アップルメニューから「システム設定」を選び、メニューバーの「ヘルプ」をクリックして、自分のMacの名前が入った技術仕様の項目を選び、「ディスプレイのサポート」または「ビデオのサポート」まで下にスクロールする。表記は機種によって変わる。

ポートの種類は、USB-C、Thunderbolt 3(USB-C)、Thunderbolt/USB-4、Thunderbolt 4(USB-C)、Thunderbolt 5(USB-C)、ThunderboltおよびThunderbolt 2、Mini DisplayPort、HDMIに分かれる。機種によっては各ポートの近くに識別用のアイコンが付いているが、アイコンが無い機種もある。

ディスプレイに付いてきたケーブルのコネクタがMacのポートに合わない場合は、アダプタを使う。ここで注意したいのは、ケーブルが挿さることと映ることが別だという点である。同じ形のポートでも扱える解像度と台数は世代で違う。先に技術仕様を見ておくと、アダプタを買い足す前に判断できる。

繋いだあと、最初に開く画面

物理的に繋いだら、設定を確かめる。アップルメニューから「システム設定」を選び、サイドバーで「ディスプレイ」をクリックする。サイドバーは項目が多いので下にスクロールする必要がある。

ここで解像度、輝度、カラープロファイルを確かめる。外部ディスプレイの解像度が想定より低い場合、ケーブルやアダプタの世代が原因であることが多い。

認識されない場合の手順も同じ画面にある。Optionキーを押したままにすると「Night Shift」ボタンの代わりに「ディスプレイを検出」ボタンが表示されるので、その状態でクリックする。それでも出てこないときは、ディスプレイを外して繋ぎ直す、電源が入っているか確かめる、ケーブルが正しいポートにしっかり挿さっているか確かめる、正しいアダプタを使っているか確かめる、Macをスリープさせてから解除する、といった順で試す。

Appleが示している確認の入口は、ケーブルよりも先に台数である。

次に、接続したいディスプレイの台数にMacが対応しているかを確認する必要があります。そのためには、Macの技術仕様を確認してください 出典: support.apple.com

台数の上限を超えている場合、何を試しても映らない。ここを先に確かめると、無駄な切り分けをせずに済む。

拡張とミラーリングを選ぶ

画面が2枚になったら、それぞれに何を表示するかを決める。「ディスプレイ」設定でディスプレイの名前をクリックし、「使用形態」のポップアップメニューから選ぶ。

  • 拡張: デスクトップを2枚に広げる。画面ごとに別のウインドウを並べられる
  • ミラーリング: 同じ内容を両方に映す。発表や画面共有のときに使う

ノート型やiMacのように内蔵ディスプレイがある機種では、外部ディスプレイを1台繋いだ時点でこのメニューが出る。Mac miniやMac Studioのように内蔵ディスプレイが無い機種では、2台以上繋いだときに出る。

3台以上繋いでいる場合は、一部をミラーリングにして残りを拡張にできる。手順は、まずすべてを拡張として設定し、そのあとOptionキーを押したままディスプレイのアイコンを別のディスプレイのアイコンの上にドラッグする。この操作は「ディスプレイ」設定の配置の図の上で行う。

Macをテレビに繋ぐときやAirPlayを使うときは、デスクトップ全体ではなく1つのウインドウや1つのアプリだけを共有する選択もできる。会議で特定のアプリだけを見せたい場合は、拡張にしてから共有の側で絞るほうが事故が少ない。

メニューバーが出る画面を決める

デュアルディスプレイで最初に気になるのが、メニューバーの位置である。拡張にすると、Finderとアプリケーションメニューはどちらかの画面にしか出ない。

この選択は「使用形態」のポップアップメニューで行う。つまり解像度を選ぶのと同じ場所で、どの画面をメインにするかを決める。メインに指定した画面に、画面の上端の帯が出る。

決め方の目安は、視線が最も長く止まる画面をメインにすることである。メニューバーには右側に常駐アプリのアイコンが並んでおり、電池の残量や同期の状況を確かめるたびに視線を動かすことになる。作業する画面と帯のある画面が違うと、1日に何十回も首を振ることになる。

ノート型を閉じて外部ディスプレイだけで使う場合は、この判断は要らない。ただし内蔵画面を開いて2枚で使うなら、外部ディスプレイ側をメインにする構成が多い。内蔵画面にノッチのあるMacBookでは、帯の中央が使えないため並べられるアイコンの数が減る。この点も外部側をメインにする理由になる。

アプリを開く画面を決めておく

拡張にすると、アプリがどちらの画面で開くかが気になってくる。macOSには、アプリを特定の操作スペースやディスプレイに割り当てる仕組みがある。

Dockでアプリのアイコンを、Controlキーを押しながらクリックする。アイコンがDockに出ていない場合は、先にアプリを開く必要がある。「オプション」を選ぶと、「割り当て先」の下に次の選択肢が出る。

  • すべてのデスクトップ: どの操作スペースでも開く
  • このデスクトップ: いまの操作スペースだけで開く
  • ディスプレイ<番号>のデスクトップ: 指定したディスプレイの現在の操作スペースで開く
  • なし: そのとき使っている操作スペースで開く

3つ目が、デュアルディスプレイで効く設定である。チャットは常に右の画面、エディタは常に左の画面と決めておけば、起動のたびにウインドウを運ぶ手間が消える。

操作スペース自体は最大16個まで作れる。Mission Controlに入り、画面上端のSpacesバーで追加する。2台目のディスプレイでMission Controlに入ると、そのディスプレイで開いているウインドウだけが表示される。画面ごとに操作スペースが独立しているので、片方だけを切り替えられる。

もう1つ知っておくと混乱が減る設定がある。既定では、アプリに切り替えたときに、そのアプリのウインドウが開いている操作スペースへ自動で移動する。左の画面で作業しているのに勝手に右へ飛ぶ、という現象はこれが原因である。止めたい場合は「システム設定」の「デスクトップとDock」で「Mission Control」に移動し、「アプリケーションの切り替えで、アプリケーションのウインドウが開いている操作スペースに移動」をオフにする。

2枚のあいだを速く行き来する操作

画面が増えると、ウインドウを探す時間も増える。macOSに最初から入っている操作を覚えておくと、ポインタで探す回数が減る。

Mission Controlに入る方法は4つある。トラックパッドで3本指を使って上にスワイプする、Mission Controlキーを押すかControlキーと上矢印キーを押す、Magic Mouseで2本指でダブルタップする、ウインドウを画面上部までドラッグする。出るときはそれぞれの逆の操作になる。ジェスチャは「トラックパッド」設定と「マウス」設定でオンとオフを切り替えられる。

操作スペースのあいだを移動するには、トラックパッドで3本指または4本指で左右にスワイプするか、Controlキーを押しながら右矢印キーか左矢印キーを押す。Magic Mouseでは2本指でスワイプする。

いま使っているアプリのウインドウをすべて並べたいときは、Optionキーと下矢印キーを押す。「トラックパッド」設定で「アプリExposé」を有効にしていれば、3本指または4本指で下にスワイプしても同じ結果になる。同じアプリのウインドウが2枚の画面に散っているときは、この操作が最も早い。

繋ぎ替えると並びが崩れる

外付けディスプレイを使う環境で最も面倒なのが、繋いだり外したりしたときの崩れである。家では2枚、外では内蔵画面だけ、という使い方をしていると毎日起きる。

解像度とウインドウの位置はmacOSが覚えている。しかしメニューバーの右側に並んだアイコンの並びは、画面の幅が変わるたびに入りきる数が変わる。幅が狭い構成に切り替えた瞬間、入りきらなくなったアイコンは折り畳まれて印になるのではなく、単に描かれなくなる。消えたことを知らせる合図も出ない。

戻したときに元の並びに復帰するかどうかは、常駐しているアプリ側が覚えている値で決まる。macOSの仕組み上、並び順は各アプリが保持しているため、Macの側で一括して戻す設定は無い。Commandキーを押しながらアイコンをドラッグすれば手で直せるが、構成を切り替えるたびに直すことになる。

この作業を自動にする道具はある。ディスプレイの構成ごとに並びと分類を覚えておき、繋いだり外したりしたときに自動で切り替える作りになっているものである。「Studio Displayと内蔵Retinaディスプレイ」の構成と「内蔵のみ」の構成で別の設定を保存し、接続と切断で入れ替わる。メニューバーの整理を目的にした道具で何ができるかはできることにまとめてあり、呼び出し方が製品ごとにどう違うかはほかの道具との違いで比べられる。

画面が増えても、帯は1枚だけ

デュアルディスプレイにすると作業領域は倍近くになる。しかしメニューバーが出るのはメインの1枚だけなので、常駐アプリのアイコンを並べられる幅は増えない。画面を増やしたのに合わせてアプリを増やすと、帯の側だけが足りなくなる。

前面のアプリのメニュー項目が多いと、右側の席はさらに狭くなる。左側のアプリケーションメニューと右側の常駐アイコンは同じ帯を分け合っているため、項目名の長いアプリに切り替えた瞬間に右側がまとめて消えることがある。

対処は、常に出すものを絞ることである。押す頻度で3段に分けると決めやすい。

  • 常に出す: 1日に何度も押すもの
  • 条件つきで出す: 特定の場面だけ意味を持つもの
  • 常に隠す: 設定のときだけ触るもの

3段目を隠すだけで、残したアイコンが押し出されにくくなる。2段目は、条件で出し入れする仕組みがあると扱いやすい。電池の残量が決めた割合を下回ったとき、指定した時間帯のあいだ、特定のアプリを使っているとき、隠したアイコンの表示が変わったときなどに、一時的に帯へ出して、条件が成立しなくなったら引っ込める形である。

隠したものへ手が届くかどうかは、道具の作りで差が出る。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りであれば、畳んだ状態を崩さずに中身を確認できる。名前の一部を打って探せる仕組みがあれば、どこへ隠したか覚えていなくても届く。導入前に確かめたいことはよくある質問に、費用の形は料金に、試すための配布はダウンロードにまとめてある。

通して並べると、先に対応台数を技術仕様で確かめ、繋いでから「使用形態」で拡張かミラーリングかとメインの画面を決め、Dockの「割り当て先」でアプリの開く場所を決め、最後に帯の席の配り方を決める。この順で進めると、構成を切り替えるたびに画面を直す作業が残らない。

よくある質問

ポートが2つあれば外部ディスプレイを2台使えますか?

ポートの数と対応台数は別です。対応台数は機種ごとに決まっているため、技術仕様で確かめます。アップルメニューから「システム設定」を選び、メニューバーの「ヘルプ」をクリックして自分のMacの技術仕様を開き、「ディスプレイのサポート」または「ビデオのサポート」まで下にスクロールします。上限を超えている場合は、何を試しても映りません。

メニューバーを出す画面は変えられますか?

変えられます。「システム設定」の「ディスプレイ」でディスプレイの名前をクリックし、「使用形態」のポップアップメニューから選びます。メインに指定した画面に、Finderとアプリケーションメニューが並ぶ帯が出ます。視線が最も長く止まる画面をメインにすると、電池の残量や同期の状況を確かめるたびの視線移動が減ります。

アプリを決まった画面で開くようにできますか?

できます。DockでアプリのアイコンをControlキーを押しながらクリックし、「オプション」を選ぶと「割り当て先」が出ます。ここで「ディスプレイ<番号>のデスクトップ」を選ぶと、そのディスプレイの現在の操作スペースで開くようになります。アイコンがDockに出ていない場合は、先にアプリを開いてから操作します。

外部ディスプレイを外すとメニューバーのアイコンが消えます。設定は残っていますか?

残っています。幅が足りずにmacOSが描くのをやめた状態で、削除されたわけではありません。幅の広い構成に戻せば再び出てきます。毎日繋ぎ替える環境では、ディスプレイの構成ごとに並びと分類を覚えて自動で切り替える道具を使うと、繋ぎ替えのたびに手で直す作業がなくなります。

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