MacでWi-Fiの設定を削除する|勝手に繋がるのを止める
Macを開いたら、意図しないWi-Fiに繋がっている。以前つないだ店舗や施設の電波を覚えていて、そちらを先に選んでしまう。MacでWi-Fiの設定を削除する操作は数手で済むが、削除と自動接続の停止は別の話であり、どちらを選ぶかで後の面倒が変わる。この記事では、2つの操作の違いと手順、そして削除する前に控えておくものを整理する。
削除には2つの意味がある
Wi-Fiの設定を消す操作は、目的によって2つに分かれる。押す場所が違うので、先に見分けたい。
1つ目は、覚えているネットワークの一覧から外すこと。過去につないだ電波の記録を消す操作で、勝手に繋がるのを止めたいときはこちらである。
2つ目は、いま使っているネットワークの設定そのものを作り直すこと。IPアドレスやDNSの設定を含めて白紙に戻す操作で、繋がっているのに通信が通らないときに使う。
Appleは一覧から外す操作について次のように説明している。
使用しなくなったWi-Fiネットワークがある場合は、そのネットワークと資格情報をMacの「接続したことのあるネットワーク」リストから削除することができます。 出典: support.apple.com
資格情報という言葉が入っている点が大事である。削除するとパスワードも一緒に消える。次につなぐときは、また入力を求められる。共有の電波でパスワードを自分で管理していない場合、消す前に誰に聞けばよいかを確かめておきたい。
| やりたいこと | 押す場所 | 消えるもの |
|---|---|---|
| 勝手に繋がるのを止めたい | 接続したことのあるネットワークから削除 | そのネットワークの記録とパスワード |
| 記録は残して自動接続だけ止めたい | 自動接続の切り替えをオフ | 何も消えない |
| 繋がるのに通信が通らない | このネットワーク設定を削除 | いまのネットワークの設定 |
覚えているネットワークを一覧から削除する
手順は短い。アップルメニューから「システム設定」を選び、サイドバーで「Wi-Fi」をクリックする。次に「詳細」をクリックすると、「接続したことのあるネットワーク」の一覧が出る。
一覧の中から外したいネットワークを探し、その名前の横にある「もっと見る」のボタンをクリックして、「リストから削除」を選ぶ。削除の確認が出たら決定する。
一覧は長くなりがちである。引っ越しや出張を重ねていると、もう二度と行かない場所の電波が何十件も並ぶ。名前を見ても自分でつないだ記録かどうか判断できないものは、無理に消さないほうがよい。仕事で使う機器の名前が混ざっている場合、消した結果として別の機器に繋がらなくなることがある。
判断が付かないときは、まず名前を控えておく。一覧を画面に出した状態でスクリーンショットを撮っておけば、消したあとに困ってもどの名前を消したのかを追える。パスワードは画面に出ないので、そちらは別に管理している場所から探すことになる。
なお、電波の一覧に自分の知らない名前が並んでいても、それだけで不審な接続があったとは言えない。近くの機器が同じ名前を配っていた、あるいは以前の持ち主の設定が残っていた、という説明も付く。判断が付かないものは、消す前に名前を控えておくと後から追える。
記録を消さずに自動接続だけを止める
勝手に繋がるのを止めたいだけなら、削除しなくてもよい場合がある。Appleは、自動接続の切り替えを使う方法を別に案内している。
同じ「詳細」の一覧で、対象のネットワークの詳細のボタンをクリックすると、自動接続の切り替えが出る。これをオフにすると、ネットワークとパスワードは記憶したまま、自動では繋がらなくなる。次に自分で選べば、パスワードの入力なしで繋がる。
この選択が向いているのは、たまにしか使わないが、使うときは確実に繋ぎたい電波である。実家や取引先の電波、出張で毎回泊まる宿の電波などが当てはまる。消してしまうとパスワードを聞き直すことになるため、記録は残しておく価値がある。
逆に削除が向いているのは、二度と使わない電波と、素性の分からない電波である。店舗や交通機関の無料の電波は、同じ名前が各地で使われていることがある。名前が一致しただけで繋がってしまうと、意図しない通信を通すことになる。使い終わった時点で外しておくほうが安全である。
Appleは、設定を削除したあとの振る舞いについても補足している。削除しても、そのネットワークが検出されなくなるわけではない。一覧からは消えても、接続できるネットワークとしては表示される。つまり削除は「見えなくする操作」ではなく「覚えているのをやめる操作」になる。
自宅と職場で同じ名前を使っている場合も混乱しやすい。機器を買い替えたときに前と同じ名前を付け直すと、記録が二重になることがある。古いほうを消しておくと、どちらに繋がっているのか分からない状態を避けられる。名前を付ける段階で場所が分かる名前にしておくと、こうした見分けの手間が消える。
いまのネットワークの設定を作り直す
繋がってはいるが通信が通らない、という症状のときは、設定そのものを作り直す。
手順は、アップルメニューから「システム設定」を選び、サイドバーで「Wi-Fi」をクリックし、「詳細」をクリックしてから「このネットワーク設定を削除」をクリックする。そのあとネットワークに再接続する。
この操作で消えるのは、そのネットワークに紐づいた設定である。IPアドレスの取り方やDNSの指定を手で変えていた場合、その内容も消える。会社や学校の指定で手入力していた値があるなら、消す前に画面を控えておきたい。控えを取っていないと、再接続したあとに同じ値を聞き直すことになる。
再接続してもうまくいかない場合、疑う先は機器側に移る。電波を出している機器の再起動、別の機器から同じ電波に繋がるかの確認、有線でつないだときに通信が通るかの確認という順で切り分けると、Macの側の問題か機器の側の問題かが分かれる。
順番を決めておくと事故が減る
Wi-Fiまわりの操作は、消す前に控えておけば戻せるものが多い。順番を決めておくと、消してから慌てる場面が減る。
1つ目は、対象の名前を正確に控えることである。似た名前の電波が並んでいると、1文字違いを消してしまう。画面を撮って残しておけば照合できる。
2つ目は、パスワードの在り処を確かめることである。自分で決めた電波なら手元の記録に、共有の電波なら管理している人に。削除するとパスワードも消えるため、次につなぐ手段を先に持っておく。
3つ目は、消す前に自動接続のオフで足りないかを考えることである。目的が「勝手に繋がるのを止めたい」だけなら、記録を残したまま止められる。消すのは、二度と使わないと判断できたものに絞る。
この3つを踏むと、削除の作業は数分で終わる。逆に控えを取らずに進めると、出先で繋がらなくなってから探し回ることになる。
消したのに戻ってくる場合
一覧から削除したはずのネットワークが、しばらくすると戻っていることがある。原因は2つ考えられる。
1つは、ほかのデバイスに同じ記録が残っている場合である。同じApple Accountで使っているiPhoneやiPadにも、同じ電波の記録とパスワードが入っていることがある。Macだけで消しても、手元の別のデバイスからは今まで通り繋がる。すべての機器で繋がらないようにしたいなら、それぞれで同じ操作をする形になる。Appleの案内も、iPhoneとiPad、Macで手順を分けて示している。
2つ目は、会社や学校から配られた設定が入っている場合である。組織が用意した構成プロファイルでWi-Fiの設定を配っていると、一覧から消してもプロファイル側の指定が残る。この場合に見るのはWi-Fiの画面ではなく、システム設定の「一般」にあるデバイス管理の項目になる。プロファイルそのものを外すかどうかは組織の管理者の判断が絡むため、消す前に確認したい。
どちらでもないのに戻る場合は、近くに同じ名前の電波があり、それを新しくつないでいる可能性がある。一覧に並ぶ名前と、繋がっている電波の名前を見比べると切り分けられる。
つないでいる電波を見間違えないために
意図しない電波に繋がっていたことに気付くのは、たいてい通信が遅くなってからである。気付くまでの時間を短くするには、いまどこに繋がっているかを常に見える場所に置いておく。
Wi-Fiの状態は、メニューバーの右側に扇形の印として出ている。ここを見れば、繋がっているかどうかと電波の強さが分かる。印をクリックすれば、繋がっているネットワークの名前も出る。表示するかどうかは、アップルメニューから「システム設定」を開き、サイドバーで「メニューバー」を選んだ先で切り替えられる。
問題は、この印が見えなくなることである。メニューバーは、左にいま前面にあるアプリのメニュー、右に状態を示す項目が並ぶ構造になっている。左のメニューはアプリによって長さが変わり、項目の多いアプリに切り替えた瞬間に右側が押し出される。あふれた項目は折り畳まれるのではなく、単に描かれなくなる。消えたことを知らせる合図も出ない。
切り分けは簡単で、開いているアプリをFinderに切り替えてみればよい。Finderはメニューの数が少ないため左側が短くなり、その分だけ右側に余裕が生まれる。それでWi-Fiの印が出てくるなら、原因は横幅である。ノッチのあるMacBookでは帯の中央が分断されるため、この押し出しが早く起きる。
何を残し、何を畳むかを決める
Wi-Fiの印は、常に見えていてほしい項目である。通信が怪しいときに最初に見る場所であり、押す頻度も高い。逆に、更新の確認や在席の状態のように、動いていることさえ分かればよい項目もある。
目安は押す頻度で3段階に分けることである。1日に何度も押すものは、たいてい2つか3つしかない。次に、気になったときだけ押すもの。最後に、押すことがほぼ無いもの。3段目は常時隠す扱いにしてよく、2段目は畳んで必要なときに呼び出す形が合う。この分け方で組むと、帯の上にはWi-Fiや電池のような1段目だけが残る。
できることには、使わないアイコンを仕切りの向こうへ送って時計のまわりを空ける仕組みと、隠したものをその瞬間の描画のまま呼び出す仕組みが説明されている。電波の強さや同期の進み具合は絵柄そのものに描かれているため、似せた別の絵に置き換えられると呼び出した意味が薄れる。本物の描画のまま出るかどうかは、確かめておきたい点になる。
呼び出し方の作りにも差がある。展開してから押し直す形と、隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける形では、1日の手数が変わる。価格と払い方を並べた表はほかの道具との違いにあり、調査日が添えられている。支払いの形は料金、必要な許可の理由はよくある質問、対応するmacOSの下限はダウンロードで確かめられる。
進め方を整理する。まず目的が「勝手に繋がるのを止めたい」のか「設定を作り直したい」のかを決める。前者なら自動接続のオフで足りるかを考え、二度と使わない電波だけを一覧から削除する。後者なら手で入れた値を控えてから設定を削除する。そのうえで、Wi-Fiの状態が常に見える並びにしておくと、次に同じことが起きたときすぐ気付ける。
よくある質問
MacでWi-Fiの設定を削除するとパスワードも消えますか?
消えます。Appleの案内では、ネットワークと資格情報を「接続したことのあるネットワーク」リストから削除すると説明されています。次につなぐときはパスワードの入力を求められるため、共有の電波の場合は、誰に聞けば分かるかを確かめてから削除してください。
勝手に繋がるのを止めたいだけなら削除が必要ですか?
必要ありません。システム設定のWi-Fiで「詳細」を開き、対象のネットワークの詳細から自動接続をオフにすると、ネットワークとパスワードを記憶したまま自動では繋がらなくなります。たまに使う電波は、この方法のほうが後で手間がかかりません。
削除するとそのネットワークは表示されなくなりますか?
なりません。Appleは、設定を削除してもデバイスがネットワークを検出できなくなるわけではないと補足しています。覚えているのをやめるだけなので、電波が届く場所では接続できるネットワークとして一覧に出てきます。
繋がっているのに通信が通らないときはどこを押しますか?
システム設定のWi-Fiで「詳細」を開き、「このネットワーク設定を削除」をクリックしてから再接続します。IPアドレスやDNSを手で入れていた場合はその内容も消えるため、先に画面を控えてください。それでも通らない場合は、電波を出している機器の側を確かめます。