Macのフルディスクアクセス|常駐アプリに許可を出す前の確認

フル ディスク アクセス macという言葉に行き着くのは、たいていアプリの案内に従っているときである。指示された通りにチェックを入れれば動くようになる。ただ、その許可で何が渡るのかを知らないまま入れてしまうと、あとで取り消す判断ができない。この記事では、この許可が具体的に何を開けるのか、似た名前の許可とどう違うのか、そして常駐アプリに出す前に確かめる順番を整理する。

この許可が開けるのは「他のアプリの中身」まで

名前の通り、この許可はディスク全体を対象にする。ただ、範囲の広さは名前から想像するより大きい。Appleはこの項目を、コンピュータ上のすべてのファイルへのアクセスを許可するものだと説明している。そこに含まれるものとして挙げられているのが、このMacにおけるすべてのユーザーのほかのアプリのデータ、Time Machineバックアップのデータ、そして特定の管理設定のデータである。ほかのアプリの例としては、メール、メッセージ、Safari、ホームが名指しされている。

つまり、受信したメールの本文、やり取りしたメッセージ、Safariが持っている情報、バックアップの中身までが、そのアプリから読める状態になる。自分だけでなく、そのMacにいる別のユーザーの分も対象に入る。

ここが、ふだん出している許可との決定的な違いである。マイクの許可なら音、カメラの許可なら映像で、範囲がはっきりしている。この許可は範囲が「全部」なので、渡す相手を選ぶ判断が要る。

Appleは、他社製のアプリやウェブサイトにファイルおよびフォルダへのアクセスを許可する場合、収集されるすべての情報は各社の条件およびプライバシーポリシーに従って取り扱われる、と添えている。判断の材料はアプリの側にあるという前提である。

「ファイルとフォルダ」との違いを先に押さえる

システム設定のプライバシーとセキュリティには、似た名前の項目が並んでいる。混ざりやすいのがこの2つである。

項目 渡すもの 一覧への入り方
フルディスクアクセス コンピュータ上のすべてのファイル。ほかのアプリのデータ、Time Machineバックアップのデータ、特定の管理設定のデータを含む 自分で追加のボタンから入れる
ファイルとフォルダ このMacのさまざまな場所にあるファイルおよびフォルダ。デスクトップ、ダウンロード、書類といった場所ごとに切り替える アクセスを要求したアプリが一覧に出る

ファイルとフォルダの側は、アプリが要求した場所だけが一覧に現れる。書類フォルダを読みたいアプリは書類の欄に出てくるので、その欄だけをオンにすればよい。Appleの案内も、リストのアプリごとに特定の場所にあるファイルとフォルダにアクセスする機能のオンとオフを切り替える形だと説明している。

つまり、目的が「特定のフォルダを扱いたい」であれば、ファイルとフォルダの側で足りる場合がある。アプリの案内が最初からフルディスクアクセスを求めてきたときは、本当に全部が必要なのかを一度考えたい。ただし、バックアップの中身やほかのアプリのデータを扱う種類のソフト、たとえばウイルス対策やバックアップの道具は、仕組み上どうしても全部が必要になる。

ウイルスバスター for Mac の設定ガイドを使用した「フルディスクアクセス」の設定方法をご案内します。 出典: helpcenter.trendlife.com

この種のソフトは、ディスク上のあらゆるファイルを検査するのが仕事である。そこを絞ると仕事にならないので、求められるのは筋が通っている。

追加する手順と、一覧に出てこないときの理由

操作そのものは短い。アップルメニューからシステム設定を選び、サイドバーでプライバシーとセキュリティをクリックする。項目は下のほうにあるので、スクロールが必要な場合がある。そこでフルディスクアクセスを開く。

一覧の下にある追加のボタンを押し、表示されたリストでアプリを選び、開くをクリックする。この許可は、要求を待って一覧に現れるのではなく、自分で入れる形になっている。アプリ側の案内に「一覧に無い場合は追加してください」と書かれているのは、この作りが理由である。

2つほど、詰まりやすい点がある。

1つ目は、許可を与えた直後に効かないことである。すでに動いているアプリは、起動したときの状態を持ったままになる。一度終了させて開き直すと反映される。常駐するものは終了させたつもりで動き続けている場合があるので、メニューバーのアイコンから終了を選ぶか、システムを再度ログインさせる。

2つ目は、同じ名前のアプリが複数ある場合である。アプリケーションフォルダに入れる前のもの、ダウンロードフォルダに残っているもの、更新前の古い版が別の場所にあるものが混ざっていると、許可を出した相手と動かしている相手が違うことになる。追加するときは、アプリケーションフォルダに入っている実体を選ぶ。

似た名前の許可が、それぞれ別のものを開ける

プライバシーとセキュリティの一覧には、目的の近い項目がいくつも並ぶ。渡すものが違うので、混ぜて考えないほうがよい。

  • アクセシビリティ。アプリがMacを制御するスクリプトやシステムコマンドを実行することを許可する。ほかのアプリの画面を押す、ウインドウを動かす、といった操作を代わりに行うために使う
  • 入力監視。アプリがマウスやトラックパッドからの入力を監視し、キーボードで入力する内容を確認することを許可する
  • 画面収録とシステムオーディオ録音。アプリが画面とオーディオの両方を収録すること、またはオーディオだけを収録することを許可する
  • アプリ管理。アプリがMacのほかのアプリをアップデートまたは削除することを許可する
  • オートメーション。アプリがMacのほかのアプリにアクセスして制御することを許可する
  • ローカルネットワーク。アプリがローカルネットワーク上のデバイスを見つけて通信することを許可する

この並びを見ると分かる通り、ファイルの中身を読むのがフルディスクアクセス、画面の見た目を読むのが画面収録、操作を送るのがアクセシビリティ、と担当が分かれている。たとえばメニューバーのアイコンを扱う常駐アプリが必要とするのは、帯の描画を読み取るための画面収録と、アイコンを押すための操作を送るアクセシビリティである。ファイルの中身を読む必要は無いので、フルディスクアクセスは要らない。

ここを混同すると、要らない許可を出したまま忘れる形になる。アプリの案内に許可の名前が書かれていない場合は、そのアプリが何をするものかから逆算して、どの欄なのかを判断したい。

取り消す判断と、取り消したあとの動き

許可は、あとから変えられる。Appleは、共有する内容はあとから変更でき、プライバシーの全体的なレベルを上げ下げすることが可能だと説明している。

アプリは、Mac上の何かを初めて使用したい場合、その情報をどのように使用するかを説明してアクセス権を求めます。共有する内容はあとから変更でき、プライバシーの全体的なレベルを上げ下げすることが可能です。 出典: support.apple.com

見直すきっかけは3つある。使うのをやめたアプリが一覧に残っているとき、試しに入れて消したアプリの名前が残っているとき、そして何のために出した許可か思い出せないときである。どれも、切ってみて困ったら戻せばよい。

取り消したあとの動きはアプリによって変わる。検査や同期が止まるだけのものもあれば、起動のたびに許可を求める画面を出すものもある。業務で使っているものを切るなら、作業のない時間帯に試したい。

なお、会社から支給されたMacでは、この種の設定が管理者によって配られていて自分で変えられない場合がある。スイッチが灰色で動かないなら、手元の操作の問題ではない。Appleも、システム管理者がセキュリティ設定を配備する方法についてはAppleプラットフォーム導入の資料を参照するよう案内している。

出す前に確かめる順番

判断を毎回ゼロから考えないために、順番を決めておくと速い。

まず、そのアプリが何を読む必要があるのかを言葉にする。特定のフォルダの中身だけなら、ファイルとフォルダの側で足りる可能性がある。ほかのアプリのデータやバックアップの中身を扱うなら、フルディスクアクセスが筋になる。

次に、アプリの入手元を見る。システム設定のプライバシーとセキュリティには、アプリケーションの実行許可という項目があり、App Storeからダウンロードしたアプリのみを許可するか、App Storeと確認済みの開発元から入手したアプリを許可するかを選べる。ここの考え方をそのまま当てて、署名と公証を受けているかどうかを確かめたい。

最後に、出した許可を書き留める。一覧を開けば確かめられるが、何のために出したのかは残らない。数か月後に見直せるよう、アプリの名前と理由を控えておくと、切る判断ができる。

常駐アプリの許可は、見えている数と釣り合わない

許可の話で最後に触れておきたいのが、常駐するアプリの数である。

許可を出した相手は増えていくのに、メニューバーに並ぶアイコンは増えるにつれて見えなくなる。メニューバーは左にアプリのメニュー、右に状態を示す項目が並ぶ構造になっている。左のメニューは前面のアプリによって長さが変わるので、項目の多いアプリに切り替えた瞬間に右側が押し出される。押し出された項目は折り畳まれるのではなく、単に描かれなくなる。ノッチのあるMacBookでは中央が使えないぶん、これが早く起きる。

結果として、許可を出して動かしているアプリが目に入らなくなる。何を入れているか分からない状態は、許可を見直す機会も失わせる。できることには、使っていないアイコンを仕切りの左へ送って時計のまわりを空ける仕組みと、隠したものを本物の見た目のまま呼び出す仕組みが説明されている。名前の一部を打って探せる作りもあるので、絵柄で覚えていないものでも呼び出せる。

このたぐいの道具そのものが必要とする許可は、画面収録とアクセシビリティの2つである。帯の描画を読み取るために画面収録、アイコンを押してメニューを開くためにアクセシビリティを使う。どちらもファイルの中身を読む許可ではない。それぞれが何のために要るのかはよくある質問に説明があり、通信する内容も同じ場所に書かれている。

同じ用途の道具は無料のものから買い切りのものまで幅がある。価格と払い方を並べた表はほかの道具との違いにあり、調査日が添えられている。支払いが一度きりか継続かで数年後の総額が変わるので、料金で買い切りの範囲を確かめておきたい。対応するmacOSの下限と試用の条件はダウンロードに書かれている。

手順を整理しておく。許可を求められたら、そのアプリが読む必要のあるものを言葉にして、ファイルとフォルダで足りるかを考える。全部が必要な種類なら、システム設定のプライバシーとセキュリティからフルディスクアクセスを開き、追加のボタンでアプリケーションフォルダの実体を選ぶ。効かないときはアプリを終了させて開き直す。そして、出した許可と理由を控え、使わなくなったものは一覧から外す。

よくある質問

フルディスクアクセスを許可すると、具体的に何が読めるようになる?

Appleの案内では、コンピュータ上のすべてのファイルへのアクセスを許可するものとされている。そこにはこのMacのすべてのユーザーのほかのアプリのデータ、Time Machineバックアップのデータ、特定の管理設定のデータが含まれる。ほかのアプリの例として、メール、メッセージ、Safari、ホームが挙げられている。

「ファイルとフォルダ」の許可では足りない?

目的によって変わる。デスクトップや書類のような特定の場所を扱いたいだけなら、ファイルとフォルダの側でその場所だけをオンにすれば足りる場合がある。ほかのアプリのデータやバックアップの中身を扱う種類のソフトは、仕組み上どうしても全部を求めることになる。

許可を入れたのに動きが変わらない。

すでに起動しているアプリは、起動したときの状態を持ったままになる。一度終了させて開き直すと反映される。また、同じ名前のアプリが複数の場所にあると、許可を出した相手と動かしている相手が違うことがある。追加するときはアプリケーションフォルダに入っている実体を選ぶ。

メニューバーを整理する常駐アプリにも、この許可が必要?

必要になるのは画面収録とアクセシビリティの2つで、ファイルの中身を読む許可は要らない。帯の描画を読み取るために画面収録を、アイコンを押してメニューを開くためにアクセシビリティを使う。アプリの案内に許可の名前が無い場合は、何をするものかから逆算して欄を選びたい。

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