MacをHDMIでミラーリングする|同じ画面と広い画面の切り替え

MacをHDMIで繋いだあと、思っていた映り方にならないことがある。同じ画面を出したいのに相手側が余白だけになる、逆に広く使いたいのに同じ絵が2つ並ぶ。この切り替えはケーブルの差し方ではなく、macOSの「ディスプレイ」設定にある1つのポップアップメニューで決まっている。この記事では、その場所と選び方、繋ぐ前に確かめておく条件、映らないときに順番に試すこと、そしてテレビに繋いだときだけ増える選択肢までを扱う。

HDMIで繋いだあとMacが聞いているのは、同じ絵を出すか場所を増やすか

外部ディスプレイを足す理由は、Appleの案内でも3つに整理されている。複数のアプリでの作業を効率化したい、複数の作業を切り替えたい、画面スペースを増やしたい、という場合におすすめだと書かれている。この3つはどれも「場所を増やす」側の動機である。

一方で、同じ絵を相手側にも出したいという用途もある。会議室のテレビに資料を映す、教室のプロジェクタに手元の操作をそのまま見せる、家族に写真を見せる。このときは場所が増えても困るだけで、手元と相手側が一致していることが大事になる。

Macはこの2つを別の状態として持っている。ガイドの説明は次の通りである。

ビデオミラーリングを使ってデスクトップ全体をそれぞれのディスプレイに表示することができます。 デスクトップを2台以上のディスプレイに拡張して、どのディスプレイにFinderとアプリケーションメニューを表示するか選択することができます。 出典: support.apple.com

つまりミラーリングは「同じデスクトップを両方に出す」状態、拡張は「1つのデスクトップを2台にまたがらせる」状態である。ケーブルを繋いだ直後にどちらになるかは環境によって変わるので、思った側になっていなければ設定で切り替える。切り替えの操作は数クリックで済み、何かを消したり作り直したりする必要はない。

用語のずれも押さえておきたい。検索すると「画面共有」という言い方が出てくるが、macOSでは別のMacを遠隔で操作する機能にも同じ言葉が使われている。HDMIケーブルで繋いだ相手に同じ絵を出す話をしているときは、ミラーリングという語で探すほうが目的の手順に当たりやすい。

繋ぐ前に確かめる3つ、ポートと対応台数とケーブル

Appleは接続の前に確かめる事項を挙げている。Macに搭載されているビデオポートの種類、Macが対応しているディスプレイの台数、正しいケーブルを持っているか、の3つである。この順番で確かめると空振りが減る。

ポートの種類は見た目で判別する。ガイドが並べているのは、USB-C、Thunderbolt 3(USB-C)、Thunderbolt/USB-4、Thunderbolt 4(USB-C)、Thunderbolt 5(USB-C)、ThunderboltおよびThunderbolt 2、Mini DisplayPort、そしてHDMIである。機種によっては各ポートの近くに識別のためのアイコンが付いているが、アイコンがない場合でも搭載されているポートは確認できる。

対応台数は仕様書で分かる。アップルメニューから「システム設定」を選び、メニューバーの「ヘルプ」をクリックして、自分のMacの技術仕様を選ぶ。開いたら「ディスプレイのサポート」または「ビデオのサポート」まで下へスクロールする。項目名は機種によって違う。ここに書かれた台数を超えて繋ぐと、増やした分が映らない。

ケーブルとアダプタは組み合わせで決まる。ディスプレイに付属したケーブルがMac側のポートに合うならそれを使う。合わないときはアダプタを挟むことになるが、必要な種類はポートごとに違う。HDMIポートが本体に付いているMacなら、HDMIケーブル1本で済むので迷う要素が少ない。USB-CやThunderboltのポートしかない機種で、相手がHDMIしか持っていない場合に変換が要る。

ハブやドックを経由している環境では、いったんMac本体のポートへ直接繋いで挙動を見比べる価値がある。経路にもう1つ機器が入ると、映らない原因がMacの設定なのか経路なのか分からなくなる。直結で映ってから、経路を1つずつ戻すほうが早い。

ミラーリングと拡張の切り替えは「使用形態」で決まる

設定の入口は1つである。アップルメニューから「システム設定」を選び、サイドバーで「ディスプレイ」をクリックする。サイドバーは下へスクロールしないと出てこないことがある。

開いたら、繋いだディスプレイの名前をクリックし、「使用形態」ポップアップメニューをクリックしてオプションを選ぶ。このメニューは、デスクトップをミラーリングまたは拡張するか、あるいは主ディスプレイとして機能させるかを選ぶ場所である。同じ絵を出したいならミラーリング側、場所を増やしたいなら拡張側を選ぶ。

このオプションが出てくる条件は機種で違う。MacノートブックまたはiMacを使っている場合は、外部ディスプレイを1台接続している状態でこれらのオプションが表示される。Mac miniやMac Studioのように内蔵ディスプレイを持たないデバイスでは、2台以上を接続している状態で表示される。設定を開いても「使用形態」が見つからないときは、まずこの条件に当てはまっているかを見る。

拡張を選んだ場合は、どちらを主ディスプレイにするかも決めることになる。主ディスプレイ側にメニューバーが出るので、手元のMacを見ながら作業するのか、大きい画面を正面に置くのかで選び方が変わる。「配置」の項目では、ディスプレイを配置したり、コンテンツをミラーリングしたり、メニューバーの位置を変えたりできる。並びを実際の机の配置に合わせておくと、ポインタが画面の端から端へ移るときに迷わない。

ミラーリング中だけ現れる「解像度の設定」

ミラーリングにすると、設定の並びに項目が1つ増える。「解像度の設定」という項目で、外部ディスプレイ用に最適化するか、デスクトップ用に最適化するかを選ぶ。この項目は、ディスプレイを外部ディスプレイにミラーリングしている場合にのみ表示される。

この選択が要るのは、手元の画面と相手の画面で扱える広さが違うためである。同じ絵を2枚に出すので、どちらかの都合に合わせるしかない。相手側をきれいに見せたいなら外部ディスプレイ用、手元の作業のしやすさを保ちたいならデスクトップ用を選ぶ。会議室で資料を見せる場面では前者、手元で操作しながら補助的に映すだけなら後者が向く。

映った絵の縁が切れる、あるいは周囲に黒い帯が出るという症状も、この項目と解像度で調整できることが多い。テレビ側に「オーバースキャン」や「画面サイズ」の設定があるときは、そちらも合わせて見る。Mac側だけを何度も触っても直らないときは、相手の機器の設定画面に原因があることがある。

リフレッシュレートも見ておきたい。画面を再描画する頻度で、レートを低くしすぎると画面がちらつく可能性があり、高くしすぎるとそのレートに対応していないために画面が暗くなる可能性がある。この項目は、リフレッシュレートの変更に対応している外部ディスプレイが繋がっているときだけ表示される。最適な値は相手のディスプレイのマニュアルに書かれている。

3台以上のときは、ミラーリングと拡張を混ぜられる

繋ぐ画面が3台以上になると、全部を同じ状態にする必要はなくなる。一部のディスプレイでビデオミラーリングを、残りのディスプレイで拡張デスクトップを使うように指定できる。

手順には順番がある。まずすべてのディスプレイを拡張デスクトップとして設定する。次に、Optionキーを押したままディスプレイアイコンを別のディスプレイアイコンの上にドラッグすると、その2台がミラーリングになる。先に全部を拡張にしておくのが要点で、混ざった状態から手を付けると意図しない組み合わせになりやすい。

この使い方が効くのは、手元で作業しながら特定の画面だけを相手に見せたい場面である。プレゼンで登壇者の手元は拡張のまま使い、客席側のディスプレイと壁のプロジェクタだけを同じ絵にしておく、といった組み方ができる。

ただし台数には上限がある。対応台数は機種ごとに決まっていて、これを超えると増やした画面が映らない。3台目を足す前に、先に述べた技術仕様の「ディスプレイのサポート」を見ておく。上限に達している場合は、設定をどう触っても映らない。

映らない、黒い画面にメッセージが出るときの順番

繋いでも認識されない、あるいはぼやけるという症状には、設定からやり直す入口が用意されている。「ディスプレイ」設定を開いた状態でOptionキーを押したままにすると、「Night Shift」ボタンの代わりに「ディスプレイを検出」ボタンが現れる。これをクリックすると再検出が走る。

それでも認識されない場合に試す項目も並んでいる。ディスプレイをMacから外してもう一度接続する、ディスプレイの電源が入っていることを確認する、ケーブルが正しいポートにしっかり接続されているか確認する、正しいケーブルとアダプタを使っているか確認する、Macをスリープ状態にしてからスリープ解除する、繋いでいる台数と種類が自分のMacに対応しているかを確認する、の順である。上から順に試すと、切り分けが進む。

相手の機器が黒い画面にメッセージを出すこともある。会議室の機器で報告されている例では、次のような症状が挙げられている。

macOSから HDMI 出力やThuderbolt による画面出力を Neat デバイスに実した場合、最新のバージョンで「メニューからミラーリングを選択してください」と黒い画面が出力されるケースがあります。 出典: note.com

この種のメッセージは、Mac側が「何を共有するか」をまだ決めていない状態で出ることがある。ケーブルの不良を疑って別のケーブルを探す前に、Mac側の設定で共有する対象を選び直すほうが早い。他社製のディスプレイを使っている場合は、付属の資料を読み、製造元の案内に従って接続しているかも確かめる。

テレビに繋いだときは、共有するものを絞れる

相手がテレビの場合、選べる幅がもう一段広い。Macをテレビに接続するときやAirPlayを使うときには、1つのウインドウまたは1つのアプリのみを共有するように選ぶこともできる。画面全体を出す必要がない場面では、これが一番安全である。

この挙動は設定で固定できる。「テレビに接続されているとき」という項目があり、テレビへの接続時に共有するものや、接続時に毎回確認するかどうかを選べる。毎回同じ使い方をするなら決めておけばよく、場面によって変えたいなら確認する側にしておく。

AirPlayでテレビに映す場合の手順も短い。メニューバーから画面ミラーリングのアイコンをクリックし、テレビを選ぶ。入力を求められたら、表示された4桁のコードをMacで入力する。その後、画面に表示される指示に従って、ウインドウを共有するか、Macの画面をテレビにミラーリングまたは拡張するかを選ぶ。「デフォルトに設定」を選ぶと設定が保存され、次回テレビに接続したときにこの手順を省ける。

選び直したいときは、同じアイコンをクリックして「変更」をクリックする。ウインドウをもう1つ足すなら「ウインドウを追加」、共有を終えるなら「停止」ボタンを押す。ケーブルで繋ぐ場合とAirPlayで繋ぐ場合で入口は違うが、共有する対象を選ぶという考え方は共通している。

画面構成が変わると、メニューバーの右側の中身が入れ替わる

ミラーリングと拡張を行き来する使い方には、見落とされやすい副作用がある。主ディスプレイが変わると、メニューバーが出る画面も変わる。そして画面の幅が変われば、メニューバーの右側に入る項目の数も変わる。

メニューバーの右側には、常駐アプリが置いた状況メニューが並んでいる。時計が右端に固定され、その左へ順に積まれていく。幅が足りなくなった分は単に描かれなくなるので、拡張からミラーリングへ切り替えた直後、あるいは会議室から自席へ戻ってケーブルを抜いた直後に「アイコンが消えた」と感じることがある。消えたのではなく、入らなくなっただけである。

macOSが用意している手当ては、Commandキーを押したままアイコンをドラッグして並び順を変えること、そしてCommandキーを押したままメニューバーの外へドラッグして外すことの2つである。幅の変動に応じて自動で並べ替える仕組みは無いので、繋ぎ替えが多い人ほど毎回の手直しが積み上がる。

そこで使われるのが、メニューバーを整理する常駐アプリである。できることには、ふだん押さないアイコンを仕切りの左へ送って時計のまわりを空ける仕組みと、隠したものを紋章から呼び出す仕組みが並んでいる。並びと紋章の設定をディスプレイの構成ごとに覚えていて、繋いだり外したりしたときに自動で切り替わる作りになっているため、HDMIで画面を足したり外したりする人には効き方が大きい。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開けるので、押すために全部を並べ直す必要もない。

同じ用途のアプリは無料のものから買い切りのものまである。価格と払い方を並べた表はほかの道具との違いにあり、調べた日付を添えた形で載っている。買い切りの範囲と試用の条件は料金にまとまっていて、1,980円の買い切りと14日間の試用が示されている。メニューバーの描画を読み取る許可が要る理由はよくある質問にあり、対応するmacOSの下限を見たうえで手元で試すならダウンロードから入る流れになる。

進める順番を決めておくと迷いが減る。繋ぐ前にポートと対応台数を確かめる。繋いだら「ディスプレイ」設定の「使用形態」でミラーリングか拡張かを決める。ミラーリングにしたら「解像度の設定」でどちらの画面に合わせるかを決める。映らなければOptionキーを押して「ディスプレイを検出」から順に試す。テレビなら共有する対象を絞る。この5つを覚えておけば、会議室で慌てる場面は減る。

よくある質問

MacをHDMIで繋いだあと、ミラーリングに切り替える場所はどこ?

アップルメニューから「システム設定」を選び、サイドバーで「ディスプレイ」をクリックする。繋いだディスプレイの名前をクリックし、「使用形態」ポップアップメニューでミラーリングか拡張かを選ぶ。MacノートブックやiMacでは外部ディスプレイを1台繋いでいるとき、Mac miniやMac Studioでは2台以上繋いでいるときにこのオプションが表示される。

ミラーリングにすると手元の文字が小さくなる。

ミラーリング中は「解像度の設定」という項目が現れ、外部ディスプレイ用に最適化するかデスクトップ用に最適化するかを選べる。相手側をきれいに見せたいなら外部ディスプレイ用、手元の作業のしやすさを保ちたいならデスクトップ用を選ぶ。同じ絵を2枚に出すため、どちらかの都合に合わせる形になる。

繋いでも外部ディスプレイが認識されない。

「ディスプレイ」設定を開いた状態でOptionキーを押したままにすると「ディスプレイを検出」ボタンが現れるので、これをクリックする。直らなければ、ケーブルを抜き差しする、相手の電源を確かめる、ケーブルとアダプタが正しいかを確かめる、Macをスリープさせてから解除する、対応台数を超えていないかを確かめる、の順に試す。

画面全体ではなく1つのアプリだけをテレビに映せる?

できる。Macをテレビに接続するときやAirPlayを使うときは、1つのウインドウまたは1つのアプリのみを共有する選択ができる。「ディスプレイ」設定の「テレビに接続されているとき」で、接続時に何を共有するか、毎回確認するかを決めておける。AirPlayの場合は接続後に画面の指示から選び、「デフォルトに設定」で次回以降を省ける。

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