MacBookのファンがうるさいとき|回っている理由を先に見る

macbook ファン うるさいという状態には、放っておいてよいものと、原因を潰すべきものが混ざっている。どちらなのかは音の大きさでは決まらず、何が走っているかで決まる。この記事は、ファンが回る仕組みをAppleの公開資料で確かめたうえで、正常な冷却と異常な回り方を分ける見方と、確かめる順番を整理したものになる。

ファンの音は症状であって、原因ではない

ファンは勝手に回るのではなく、温度を検知して回る。Appleは、一部の製品にはシステムやデバイスの内部の温度変化を検知すると反応し、ファンを作動させて重要なコンポーネントに冷却用の風を送り込むセンサーが内蔵されていると説明している。つまり音が大きくなったのは、内部の温度が上がったことへの反応である。

この順番を押さえると、対処の方向が決まる。音を小さくしたいなら、ファンの回転を抑えるのではなく、熱を作っている処理を止めるほうが筋になる。ファンの回転数を操作する道具で音だけを下げると、冷却の能力が落ちた状態で同じ負荷を続けることになる。

負荷のかかる作業でファンが回ることは、想定された動作である。

デバイスのプロセッサで負荷のかかる作業(HDビデオの圧縮や、グラフィック重視のゲームのプレイ、データ移行後のSpotlightによるインデックスの作成など)が実行されている場合、ファンの回転が速くなり、送風量が増えます。このとき、静かな環境では特に、ファンの動作音が聞こえる場合があります。こうした風切り音は、冷却工程において通常発生するものです。 出典: support.apple.com

静かな部屋では同じ回転数でも音が目立つ。夜になってから気になり始めた、という話は、Mac側で何も変わっていない場合がある。買い替えや機種の移行の直後にうるさくなるのも、索引の作成が走っているためで、終われば収まる。

周辺温度が高いと、早い段階からファンが回る

ファンの反応を左右するもう1つの要素が、デバイスの外側の温度である。Appleは、周辺温度が高いとすぐにファンが回り出し、高速回転すると説明している。同じ作業をしていても、室温によって音の出方が変わるということになる。

Macノートブックの使用環境として案内されているのは、周辺温度が10度から35度の場所、相対湿度が0%から95%(結露しないこと)の範囲である。駐車中の車内は室温がこの範囲を超えることがあるため、放置しないよう書かれている。夏場に「先月より音が大きい」と感じるときは、まず室温を数字で見る余地がある。

置き場所の条件もはっきりしている。テーブルや机のような固く平らな面に置いて使うほうが、温度管理の面では最適とされている。ソファ、枕、ベッド、膝の上といった表面が柔らかいものの上で使うと、ファンの回転が速くなることがある。通気口がある機種では、そこを塞がないことも条件に入る。キーボードの上に物を置かないという注意も、同じ理由から来ている。

底面が沈み込む場所で使っているだけで音が変わるため、対処としては最も費用がかからない。スタンドを置くか、机の上へ移すかで済む場合がある。

異常な回り方の定義は、Appleの文書に書かれている

音が大きいこと自体ではなく、どういう状態を異常とみなすかが判断の分かれ目になる。Appleは、さほど高い負荷がかかっているわけでもなく、通気もよいはずなのにデバイスのファンが高速回転する場合を、確かめる対象として挙げている。

この定義には2つの条件が入っている。負荷が低いこと、通気が確保されていること。両方を満たしているのに回り続けているなら、追う価値がある。逆に、書き出しやゲームの最中に回っていることは、定義から外れている。

条件を満たしたうえでの対処は、機種で分かれる。Appleシリコンを積んだMacでは、ノートブックの蓋を閉じてから再び開けるか、コンピュータを再起動する。IntelベースのMacでは、システム管理コントローラ(SMC)をリセットする。どちらも最後の手段ではなく、負荷を確かめたあとの次の一手として案内されている順番になる。

順序を守る理由は、先に再起動すると走っていた処理の正体が分からなくなる点にある。同じ症状が翌日また出たとき、手がかりが何も残らない。

何が回しているかは、アクティビティモニタの2つのタブで分かる

負荷を確かめる道具は、macOSに入っている。Appleは、集中演算を要するタスクを何も実行していないのにMacノートブックが熱を帯びる場合や、ファンが長時間回り続ける場合に、アクティビティモニタでCPUの動作状況を確認し、機能不全のプロセスがあるせいでCPUが過負荷状態になっていないか調べるよう案内している。

CPUタブの下に並ぶ3つの割合が、最初に読む場所になる。Appleのユーザガイドは、システムを「macOSに属するプロセスによって使用されているCPU能力の割合」、ユーザを「開いたアプリまたはそれらのアプリによって開かれたプロセスによって使用されているCPU能力の割合」、アイドルを「使用されていないCPU能力の割合」と定義している。

ユーザ側が高いなら、自分が開いたアプリが仕事をしているだけで、プロセス一覧に名前が出る。閉じれば収まる。システム側が高く、心当たりのアプリが無いなら、索引の作成、クラウドとの同期、失敗を繰り返している常駐サービスの再試行といったmacOS側の処理が候補になる。

断続的に回る症状には、ウインドウメニューの「CPU使用率」と「CPU履歴」が本体のタブより役に立つ。前者は小さな計測窓を出しっぱなしにでき、後者はコアごとの推移をグラフで残す。数分おきにファンが回る症状は、CPU履歴に規則的な山として現れる。1回の作業で回ったのか、周期的に何かが起きているのかが、ここで初めて区別できる。

もう1つのタブがエネルギーである。こちらにはMacノートブックにだけ出る「12時間の電力」の列があり、直近12時間、あるいは起動してからの平均を示す。いま静かにしているアプリの過去を追えるため、CPUタブの上位に出てこないのに断続的に回している犯人を見つけられる。同じタブの「スリープを妨げている」の列は、蓋を閉じたのに回り続ける症状の手がかりになる。

通気口の状態と、年数を経たあとの音の変化

ファンが冷風を取り込み、温風を排出するための通気口がある機種では、そこが塞がれていないかが条件に入る。Appleは、デバイスが最適な状態で動作するよう通気口は塞がないようにと書いている。布の上、書類の下、背面を壁に寄せた配置は、どれも同じ影響を与える。

年数を経てから音が気になり始めた場合も、まず確かめる順番は変わらない。負荷が低く通気も確保されている状態で高速回転しているかどうかを見て、その条件を満たしていれば機種別の対処へ進む。Appleシリコンの機種は蓋を閉じてから開けるか再起動、Intelの機種はSMCのリセットが案内されている手順になる。

それでも解決しない場合について、Appleは動作時温度に異変があるときの窓口を示している。Appleに問い合わせるか、Apple StoreやApple正規サービスプロバイダへ持ち込む形になる。内部の清掃や部品の交換が要るかどうかは、この経路で判断される。自分で筐体を開ける前に、負荷の側の確認を終えておくと、持ち込んだときに伝えられる情報が増える。

温度を表示するアプリの数字を、判断の根拠にしない

ファンの音が気になると、温度を数字で見せるアプリを入れたくなる。ここにはAppleが明示している注意がある。他社製のアプリは外部ケースの温度を計測しているのではなく、ケースの温度はずっと低くなる。そのうえで、ハードウェアに問題があるかどうかを診断する場合、他社製のアプリには頼らないようにと書かれている。

数字が大きく出ると不安になるが、その数字が何を測ったものかは製品によって違う。判断の根拠に据えるなら、温度ではなくプロセスの側を見るほうが確かである。温度は結果で、プロセスが原因だからである。

同じ理由で、ファンの回転数を直接操作する道具も扱いが難しい。音は下がるが、熱の逃げ道を細くしている状態になる。原因のプロセスを特定してから、それでも音が気になる場合の最後の調整として考える順番になる。

疑う順番を決めておくと、毎回ゼロから探さずに済む

アクティビティモニタで名前が挙がるものは、利用者が開いたアプリより、起動と同時に動き出して居続けるものが多い。順番を決めておくと探す時間が短くなる。

  • 索引の作成。移行や大量のファイル追加の直後に走り、終われば止まる
  • クラウドストレージの同期。共有フォルダに他の人が大きなファイルを置いた直後に上がる
  • バックアップ。外付けドライブやネットワーク越しで、時間帯が決まっていることが多い
  • ビデオ会議と画面共有。会議が終わってもプロセスが残っていることがある
  • ブラウザのタブ。動画の自動再生や広告の描画が、閉じたつもりのタブで続いていることがある

このうち、終了させても次の起動で戻ってくるものは、起動項目の側に登録されている。恒久的に外すつもりなら、アプリを終了させるのではなく、起動時に立ち上がる設定を変えることになる。1回の対処と毎日効く対処を混ぜないのが要点になる。

止める判断も要る。同期やバックアップを切れば音は収まるが、守られていたものが守られなくなる。止めるなら止めっぱなしにせず、時間帯をずらすほうが結果として負荷は平らになる。間隔が空いたぶんだけ、次の1回の処理が長くなるためである。

常駐の一覧はメニューバーに出ている。見えているかが問題になる

常駐しているアプリの顔ぶれを最も正直に映しているのは、画面上端の右側である。そこに並ぶアイコンは、そのまま「いま居続けているもの」の一覧になっている。ファンの音を追ってアクティビティモニタを開く前に、ここを1度数えてみると、把握していなかった常駐が見つかることがある。

ところが、この一覧は幅で崩れる。アイコンが増えると古いものから順に画面の外へ押し出され、カメラ部分の切り欠きがある機種では、その周辺の項目が見えなくなる。見えないものは棚卸しの対象から落ちるため、並んでいるものは全部把握しているという前提が成り立たなくなる。

メニューバーを整理する道具を使う場合、判断の分かれ目は、隠したアイコンにどう触れるかにある。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りであれば、普段は畳んでおいて、同期を一時停止したいときだけ開く運用ができる。何ができるのかを確かめるなら、機能を一覧にしたできることから見ると見当が付く。

同じ用途のアプリどうしでは、対応するmacOSの版や配布の形が分かれる。比較の軸を並べたほかの道具との違いに、どの観点で違うのかが整理されている。費用の扱いは料金、動かす前の条件はダウンロード、残った疑問はよくある質問にそれぞれまとまっている。

ファンの音に戻すと、メニューバーの整理そのものが回転を止めるわけではない。効くのは順序である。常駐の全体が一覧で見える状態を先に作っておくと、アクティビティモニタに出たプロセス名を「どのアプリのものか」に結び付けられる。名前と正体が結び付かないまま強制終了を繰り返す段階から抜けられることが、実務上の差になる。

よくある質問

ファンがうるさいのは故障ですか?

負荷のかかる作業中や周辺温度の高い場所でファンが回るのは、想定された冷却の動作になる。Appleが確かめる対象として挙げているのは、さほど高い負荷がかかっておらず通気もよいはずなのに高速回転する場合である。この2つの条件を満たしているかを先に見ると、追うべきかどうかが分かれる。

ファンの回転数を下げるアプリを入れてもよいですか?

音は下がるが、熱の逃げ道を細くしている状態になる。Appleは温度を計測する他社製アプリについて、外部ケースの温度を測っているのではなく、ハードウェアの診断に頼らないよう案内している。原因のプロセスを特定したあと、それでも音が気になる場合の最後の調整として考える順番になる。

何もしていないのに回り続けるときは、どこを見ますか?

アクティビティモニタのCPUタブで、システムとユーザのどちらの割合が高いかを先に見る。心当たりのアプリが無くシステム側が高いなら、索引の作成や同期といったmacOS側の処理が候補になる。数分おきに回る症状は、ウインドウメニューの「CPU履歴」に規則的な山として現れる。

蓋を閉じてもファンが回っています?

アクティビティモニタのエネルギータブに「スリープを妨げている」の列があり、どのアプリが妨げているかを確かめられる。バックアップや書き出しのように、意図してスリープを止めている処理もあるため、止めるかどうかは中身を見てから決める形になる。

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