マックブックの初期設定|移行と新規、どちらで始めるか

マックブックの初期設定で調べ物が増えるのは、項目が多いからではない。順番を間違えると同じ作業を二度やることになる項目と、あとからいつでも変えられる項目が、同じ一覧に混ざっているからである。この記事では、最初に決める分岐と、初期値のままだと不便な設定を分けて並べる。

30項目を並べた一覧を上から順に消化する必要は無い。初日に決めるべきものは数えるほどしかなく、残りは使いながら直せる。

つまずくのは、順番と分岐の2つだけ

初期設定でやり直しが発生する原因は、大きく2つに絞れる。1つは、電源を入れた直後の画面でしか選べない分岐を通り過ぎてしまうことである。もう1つは、初期値のまま使い続けて、あとから不便に気づくことである。

前者は手戻りが出る。後者は手戻りは出ないが、気づくまでのあいだ毎日少しずつ手間が積み上がる。性質が違うので、対処も分ける。

初期設定を終えた時点で完成したと考えないほうがよい。標準の設定は、はじめて触る人にも支障が出ないように置かれている。自分の使い方に合わせる作業は、そのあとに来る。

高いんですが、初期設定のままだと、まだ少し「Appleの標準」に寄っていて、「自分の道具」にはなりきっていない感じもあります。 出典: tomo-web.jp

初期値は出発点であって、完成形ではない。この前提で読み進めると、どこを触るかの判断がしやすくなる。

移行アシスタントで引き継ぐか、新規で始めるか

最初の分岐がこれである。前のMacやバックアップから丸ごと移すか、まっさらな状態から始めるか。使い始めてからでも移行アシスタントは走らせられるが、既に作ったユーザアカウントと衝突して二重のユーザが増えることがある。決めるなら最初の画面がよい。

進め方 向いている場合 注意する点
移行アシスタントで引き継ぐ 仕事の環境をそのまま続けたい 常駐アプリと設定も一緒に来る
新規で始める 環境を整理したい、機種を大きく変えた 必要なアプリを自分で入れ直す
書類だけ手で移す 引き継ぐものが少ない 見落としが出やすい

移行を選んだときに起きやすいのが、使っていない常駐アプリまで連れてくることである。新品なのに画面の上端がアイコンで埋まっているという症状は、ほとんどがこれになる。

引き継いだ直後に、システム設定の一般にあるログイン項目を開く価値は高い。ログイン時に開くアプリと、バックグラウンドで実行が許可されているものが別の欄に並んでいて、心当たりの無い名前がここに残っていることがある。

最初の画面で決める項目

電源を入れてからの流れで通り過ぎてしまう項目を、先に挙げる。

Apple Accountへのサインインは、iCloudの同期の起点になる。回線が細い場所なら後回しでもよいが、写真や書類の同期が始まる時間を見込んでおきたい。

ディスクの暗号化は、ファイルが少ないうちに有効にすると待ち時間が短い。復旧用のキーをiCloudに預けるか自分で保管するかを選ぶ画面が出るので、社用なら会社の方針を先に確かめる。

Touch IDは複数の指を登録できる。左右の人差し指を入れておくと、外付けキーボードを使う日と本体のキーボードを使う日で持ち替えの手間が消える。

自動アップデートは、セキュリティ対応だけ自動、macOSの大きな更新は手動という組み合わせにしておくと、仕事で使うアプリが追いついていない時期の事故を避けられる。

シリアル番号は、アップルメニューの「このMacについて」から確認できる。修理や保証の問い合わせで最初に聞かれる番号なので、購入を証明する書類と一緒に控えておく。保証を延長するかどうかも、購入から一定の期間を過ぎると申し込めなくなるため、初日のうちに判断しておきたい。

初期値のまま不便な設定

ここからは手戻りの出ない領域である。気づいた時点で変えればよいが、早いほど得をする。

トラックパッドは、初期値では押し込まないとクリックにならない。

初期設定では、トラックパッド(指でなぞる板)を「カチッ」と押し込まないとクリックできません。システム設定 > トラックパッド から「タップでクリック」をオンにすると、スマホのようにポンッと軽く触れるだけでクリックできるようになり、指が疲れにくくなります。 出典: macsetting.pinelaurel.com

同じ考え方で見直す価値がある項目を並べる。キーのリピート速度は、初期値では文章を打つ人には遅い。Finderは、開いたときに表示されるフォルダと、ファイル名の拡張子を出すかどうかを決めておく。スクロールバーは常に表示に変えると、長い書類のどこにいるかが分かる。

画面の上端の帯も、初期設定の対象になる。システム設定のメニューバーには、帯を自動的に隠すかどうかの設定があり、選べるのは常に、デスクトップのみ、フルスクリーンのみ、しないの4通りである。2択だと思っている人が多い。

コントロールセンターの欄も同じ画面にある。Bluetooth、画面ミラーリング、サウンド、Focusのように押す頻度が週に数回のものは「使用中のみ表示」に変えるか、メニューバーから外してコントロールセンターの中に置ける。機能は残ったまま本数が減る。

よくある失敗と、その場での直し方

初期設定の前後で起きやすいつまずきを挙げる。

1つ目は、バックアップの置き場所を決めないまま使い始めることである。Time Machineは外付けストレージに世代ごとの控えを取る仕組みで、iCloudはファイルを同期する仕組みである。役割が違うので、片方だけでは取りこぼしが出る。

2つ目は、アプリをドラッグして消したつもりになることである。アプリケーションフォルダから消しても、設定ファイルと常駐の登録が残ることがある。メニューバーのアイコンだけが残る症状が出たら、ログイン項目を確認する。

3つ目は、紹介記事を上から順に入れてしまうことである。用途の来ないアプリが常駐し、起動が遅くなる。困りごとが出てから探すほうが本数が少なく済む。

4つ目は、変えた設定を記録しないことである。半年後に同じ症状が出たときに、どこを触ったか分からなくなる。変えた項目を1行ずつ書き残しておくと、次の買い替えでそのまま使える。

人に譲る、売るときの初期化

同じ「初期設定」という語で、工場出荷時に戻す作業を指している場合がある。こちらは手順が別になる。

Macの消去だけを行い、工場出荷時の初期設定にリセットしない場合は、Appleシリコン搭載のMacについてはこちらの記事、Intel搭載のMacについてはこちらの記事で消去方法をご確認ください。 出典: support.apple.com

消去とリセットは別の操作で、搭載しているチップによって手順が分かれる。譲る前にはApple Accountからのサインアウトと、紛失時に備える機能の解除も必要になる。ここは記憶で進めず、公式の手順を開いて1つずつ確かめるほうが早い。

初日にやることと、1週間かけて決めること

項目を時間で区切ると、抜けが減る。初期設定の一覧が長く感じるのは、性質の違う作業が同じ列に並んでいるからである。

最初の1時間は、あとから手戻りが出る設定に使う。移行するかどうか、ディスク暗号化、Apple Accountへのサインイン、Touch IDの登録、自動アップデートの範囲。ここまでで区切ってよい。

初日のうちは、期限や事故に関わるものに使う。シリアル番号を控える、保証の延長を判断する、紛失や盗難に備える機能を有効にする、バックアップの置き場所を決める。外付けストレージを使うなら、容量は本体の2倍から3倍を目安にすると世代が残りやすい。

最初の1週間は、使ってみて分かった不便を直す時間に充てる。トラックパッドやキーボードの初期値、Finderの表示、スクロールバー、そして画面の上端の帯。この段はいつ着手してもよいので、初日に詰め込む必要が無い。

設定を書き残すと、次の買い替えが短くなる

初期設定で一番もったいないのは、触った内容が記録に残らないことである。次にMacを買ったとき、同じ調べ物をもう一度することになる。

残す形は簡単でよい。変えた項目を1行ずつ、どの画面のどの設定をどう変えたかだけ書いておく。長く使っている人の環境構築の記録が公開されているのは、この積み上げが効くと分かっているからである。

書き残しておくと、不具合の切り分けにも使える。ある日から挙動が変わったときに、直前に触った設定の一覧があれば、戻すべき場所が絞れる。記憶だけを頼りにすると、関係のない設定まで初期値に戻して、余計に時間を使うことになる。

同じ理由で、入れたアプリの一覧も残す価値がある。とくに常駐するものは、どの用途で入れたかを1行添えておくと、半年後に消してよいかどうかの判断が付く。用途が思い出せないものは、その時点で要らなくなっていることが多い。

初期設定のあとに増える、画面の上端のアイコン

設定を終えてアプリを入れ始めると、次に詰まるのが画面の上端になる。バックアップ、通信の状態、クリップボード、電池の充電上限、スクリーンショット。1本ずつは小さいのに、気づくと押す目的のものを探す時間が発生している。

macOSは、入りきらなかったアイコンを一覧にまとめない。時計から遠い順に、単に描かれなくなる。警告も出ないため、アプリが落ちたと勘違いすることになる。ノッチのある機種では帯の中央が使えないので、入りきらなくなるのが早い。

道具を入れる前に、押す頻度で3段に分けておくと設定が短時間で終わる。1日に何度も押すものは、数えてみると2つか3つしかない。次に、気になったときだけ押すもの。最後に、動いていることさえ分かればよく、押すことがほぼ無いもの。3段目は常時隠す扱いにしてよく、2段目は畳んでおいて必要なときに呼び出す形が合う。

呼び出し方は作りによって分かれる。帯の上に展開してから押す形、メニューバーの下のポップアップにまとめて出す形、そして隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける形の3通りがある。呼び出したときに残量の数字や未読の件数がそのまま出るかどうかも、実際の使い勝手に効く。

初期設定の続きとして、帯を整える

仕切りより左へ送って時計のまわりを空ける仕組みと、隠したものを本物の見た目のまま出す仕組みはできることに画面付きで並べてある。アイコンを名前の一部で探してそのままメニューを開けるショートカットや、ディスプレイ構成ごとに並びを覚える動きも同じページにある。

価格と払い方を並べた表はほかの道具との違いにあり、2026年9月3日に各社の販売ページで調べた金額として載っている。無料のオープンソースのものも同じ表に入っているので、無料で足りるかどうかの見当が付く。買い切りの範囲と、次のメジャー版の扱いは料金で確かめられる。

この種の常駐アプリは、メニューバーの描画を読み取るために画面収録の許可を、アイコンを押してメニューを開くためにアクセシビリティの許可を求める。求める理由と送っている情報の範囲はよくある質問に書いてある。対応するmacOSの下限と試用の条件はダウンロードに載っている。

初期設定を通して並べると、最初の画面で移行か新規かを決め、暗号化とApple Accountとシリアル番号を押さえ、初期値のまま不便だった箇所を順に直す。アプリを入れ終えたところで、画面の上端を数え直す。この順で進めると、買ってから1か月たっても上端と下端が散らからない。

よくある質問

マックブックの初期設定で、最初に決めるべきことは何ですか?

前のMacやバックアップから引き継ぐか、新規で始めるかの分岐です。使い始めてからでも移行アシスタントは走らせられますが、作成済みのユーザアカウントと衝突して二重のユーザが増えることがあります。最初の画面で決めるほうが手数が少なく済みます。

移行で引き継ぐと、要らないアプリも来ますか?

来ます。常駐アプリとその設定が一緒に移るため、新品なのに画面の上端がアイコンで埋まっている状態になります。引き継いだ直後にシステム設定の一般にあるログイン項目を開き、ログイン時に開くものとバックグラウンドで実行されるものを選び直してください。

初期設定のうち、あとから変えられないものはありますか?

ほとんどの項目はあとから変えられます。手戻りが出るのは、移行するかどうかの分岐と、保証の延長のように申し込める期間が決まっているものです。トラックパッドやキーボード、Finderの表示などは、気づいた時点で直せば足ります。

メニューバーのアイコンが増えすぎたときは、どこから手を付けますか?

まずシステム設定のコントロールセンターで、押す頻度が週に数回の項目を「使用中のみ表示」に変えるか、メニューバーから外します。機能は残ったまま本数が減ります。それでも足りないときは、押す頻度で3段に分けて、ほぼ押さないものを常時隠す扱いにします。

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