MacBookで音が出ないとき|出力先の選び間違いから疑う
mac book 音 が 出 ないという状態は、まず「どこまで出ていないのか」を決めないと調べる場所が定まらない。すべての音が無いのか、あるアプリだけが無音なのか、通知音だけが鳴らないのかで、開く画面が別になるためである。この記事は、Appleが公開している手順に沿って、枝分かれのさせ方と、それぞれの枝で確かめる場所を順番に並べたものになる。
枝分けを先に決める。範囲が原因を絞る
同じ「音が出ない」でも、範囲によって候補が変わる。次の4つのどれに当たるかを最初に決める。
- すべての音が出ない。出力先の選択、音量、消音の設定が候補になる
- 特定のアプリだけ出ない。アプリ側の音量、アプリ内の出力先の指定が候補になる
- 通知音だけ出ない。通知音の音量と通知音の設定が候補になる
- 特定の装置に繋いだときだけ出ない。装置の認識と、出力先の差し戻しが候補になる
範囲を決めずに設定画面を開き直すと、同じ場所を何度も見ることになる。Appleのユーザガイドも、機器の話に入る前に切り分けの段取りを置いている。別のオーディオファイルを再生してみるか、別のコンピュータやメディアプレーヤーでそのファイルを再生してみて、問題を特定するという手順である。別のファイルでは鳴るなら、Macの設定ではなくそのファイルか再生アプリの側になる。
この2つを済ませるだけで、以降の作業範囲は半分になる。切り分けを飛ばして再起動から始めると、何が効いたのか分からないまま同じ症状が翌日また出る。
内蔵スピーカーから出したいときは、繋いでいる装置を先に抜く
すべての音が出ない枝で、最初に当たるのが内蔵スピーカーの選択である。Appleの手順は、装置を外すところから始まっている。
ヘッドフォンや外部スピーカーを取り外します。Macでシステム設定アプリに移動します。サイドバーで「サウンド」をクリックします。「出力」をクリックします。「[ Macの機種 ]のスピーカー」を選択していること、「出力音量」スライダが左端にないこと、および「消音」チェックボックスのチェックマークが外れていることを確認します。 出典: support.apple.com
確かめる点が3つある点が重要になる。選んでいる装置、音量スライダの位置、消音のチェック。このうち1つでも外れていれば音は出ないため、1つを直して鳴らなかったからといって次の工程へ進むのは早い。
内蔵スピーカーの名前は機種名を含む形で並ぶ。「MacBook Airのスピーカー」のような表示になっていて、単に「スピーカー」と書かれた行を探すと見つからない。ここで名前が一致しないと、選んでいるつもりで別の装置を選んでいることがある。
出力先の一覧に何が並ぶかを知っておく
サウンド設定の「出力」に並ぶものは、繋いでいるものによって変わる。Appleのユーザガイドは、コンピュータの内蔵スピーカー、コンピュータのサウンドポートに接続されている装置、USBスピーカー、AirPlayデバイスなど、使用できるすべてのサウンド出力装置が表示されると説明している。
紛らわしいのが名前の付き方である。サウンドポートに接続されている装置の場合は「ヘッドフォン」を選択する、と案内されている。差した機器の製品名が出るわけではないため、一覧で自分の機器の名前を探すと見つからない。いっぽうUSB接続の装置は製品名や型番で並ぶことが多く、同じ「音の出口」でも接続の形で表示が変わる。
USB接続の装置が一覧に出てこない場合は、音の設定ではなく認識の問題になる。Optionキーを押したままアップルメニューから「システム情報」を開き、サイドバーのハードウェアにある「USB」で装置が載っているかを確かめる。載っていなければ、取り外してもう一度接続する手順が案内されている。
AirPlayの装置は、電源が入っていて同じネットワークにいるときだけ一覧に出る。前回使えた装置が今日は出てこないという症状は、Mac側ではなくその装置とネットワークの側を見る枝になる。ゲスト用のネットワークと普段のネットワークが分かれている環境では、Macだけが別の側に繋がっていることがあり、これも一覧から装置が消える原因になる。ポートの形で繋がっているものと、ネットワーク越しに見えているものは、出てこないときに疑う先が違うと覚えておくと迷いが減る。
外付けディスプレイを繋いでいると、選んだ出力先が戻ることがある
外付けのディスプレイを使っている環境では、出力先が意図どおりに固定されないことがある。Appleは、オーディオ出力または入力がサウンド設定で選択したものとは別のオーディオデバイスにすぐ戻ってしまう場合の手順を用意している。
ディスプレイに接続したMacにヘッドフォンや外部スピーカーが繋がっている状態では、サウンド設定の「出力」でディスプレイの内蔵スピーカーを選んでも、ヘッドフォンや外部スピーカーへ戻ることがある。ディスプレイのスピーカーを選ぶには、まずヘッドフォンや外部スピーカーを取り外してから選択する、というのが案内されている順番になる。
入力の側にも同じ挙動がある。ヘッドセットを繋いだ状態でディスプレイの内蔵マイクを選ぶと、ヘッドセットへ戻ることがある。会議で相手に声が届かない症状は、出力ではなく入力側のこの挙動に当たることがある。
ディスプレイの内蔵スピーカーを使いたい場合の手順も決まっている。ヘッドフォンや外部スピーカーをMacから取り外し、ディスプレイのケーブルがMacのポートに接続されていることを確かめてから、サウンド設定の「出力」で機種名のスピーカーが選ばれているかを見る形になる。机の上に音の出口が4つも5つも同時に繋がっている環境では、いちど数を減らすほうが選択が安定する。
デジタル出力を使っているときは、Mac側の音量調節が効かない
光デジタルの出力ポートを持つ機種でデジタルレシーバーへ繋いでいる場合は、確かめる場所が変わる。サウンド設定の「出力」で「デジタル出力」が選ばれているか、光デジタルケーブルでレシーバーへ繋がっているか、レシーバー側がデジタル入力用に設定されているかの3点になる。
ここで知っておく価値があるのは、音量の扱いである。Appleのユーザガイドは、デジタル出力を使用している場合、コンピュータの音量調節つまみを使用して音量を調節することはできないと書いている。つまりMac側で音量を上げても変わらず、レシーバー側で調節することになる。
「音が出ない」と思っていた状態が、実際にはレシーバーの音量が絞られていただけ、という枝がここにある。Mac側の設定をいくら見ても原因が出てこないときは、音量の主権がどちらにあるかを確かめる。
通知音だけ聞こえないときは、別の系統になる
音楽や動画は鳴るのに、通知音だけ聞こえないことがある。これは出力先の層ではなく、通知音の設定の層になる。
通知音の音量は、システム設定の「サウンドエフェクト」にある通知音の音量スライダで決まる。Appleのユーザガイドは、通知音量ではコンピュータの音量が基準になるため、コンピュータの音量を下げると通知音の再生音量も下がると説明している。相対値であるため、全体の音量を絞った状態では通知音が先に聞こえなくなる。
特定の通知音だけが聞こえない場合は、通知音そのものの設定を見る枝に入る。アプリごとの通知の設定で音を切っている場合や、集中モードで通知を止めている場合もこの層に属する。音の経路を疑う前に、通知を出す側が鳴らす設定になっているかを確かめる順番になる。
複数の装置を同時に使いたいときは「機器セット」がある
出力先はひとつしか選べない作りになっているため、2台のスピーカーへ同時に出したい、複数のマイクを同時に使いたいという場面では詰まる。この用途に用意されているのが機器セットである。
Appleは、機器セットを作成すると複数の機器がアプリの中で1台の機器として表示され、同時に扱えるオーディオ入力と出力の数を増やせると説明している。作成の場所はAudio MIDI設定アプリで、Finderから「移動」の「ユーティリティ」を開いて起動する。「オーディオ装置」ウインドウのサイドバーの一番下にある追加のボタンから「機器セットを作成」を選び、含めたい機器の「使用」チェックボックスを入れる形になる。
作成した機器セットをMacのサウンド出力として使うこともできる。Audio MIDI設定で機器セットをControlキーを押しながらクリックし、「このサウンド出力装置を使用」を選ぶと、ほかのアプリの音もその機器セットを通って鳴る。音が出ない原因を探していて、覚えのない機器セットが出力先に選ばれていた場合は、ここが出どころになる。
特定のアプリだけ音が出ないときに見る場所
枝分けのうち、範囲が1つのアプリに限られている場合は、システム設定の側を何度見ても原因が出てこない。Appleのユーザガイドは、音量調節できるアプリを使用している場合、その音量設定をコンピュータの出力音量より大きくすることはできないと書いている。つまりアプリ側が絞られていれば、システム側を上げても小さいままになる。
アプリの側に確かめる箇所が3つある。アプリ内の音量、アプリ内の出力先の指定、そしてブラウザであればタブごとの消音である。会議アプリや配信アプリは、システム設定とは別に出力先を持っていることが多く、そちらが古い装置を指したままになっていることがある。前の週に使ったヘッドセットの名前が残っているのは、この形になる。
切り分けの手は単純で、同じ音源を別のアプリで鳴らしてみることになる。鳴るならアプリ側、鳴らないならシステム側の枝へ戻る。この1回の確認で、探す範囲が半分に減る。
サウンドの表示をメニューバーに出しておくと、確認が1手で済む
ここまでの手順は、どれもシステム設定を開くところから始まる。同じ切り分けを月に何度も行うなら、確認の入口を画面上端に置くほうが早い。Appleのユーザガイドは、メニューバーにサウンドがある場合はどこでも音量を上げたり下げたりできると書いている。出力先の切り替えも、この項目から行える。
問題は、その項目が見えるかどうかである。常駐するアプリのアイコンが増えると、メニューバーの並びは幅の限界から古いものが押し出され、カメラ部分の切り欠きがある機種では、その周辺の項目が隠れる。サウンドの表示を出したつもりで出ていないという状態は珍しくない。
メニューバーを整理する道具を使う場合、判断の分かれ目は、隠したアイコンにどう触れるかにある。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りであれば、普段は畳んでおいて、音の出口を切り替えたいときだけ開く運用ができる。何ができるのかを確かめるなら、機能を一覧にしたできることから見ると見当が付く。
同じ用途のアプリどうしでは、対応するmacOSの版や配布の形が分かれる。比較の軸を並べたほかの道具との違いに、どの観点で違うのかが整理されている。費用の扱いは料金、動かす前の条件はダウンロード、残った疑問はよくある質問にそれぞれまとまっている。
音が出ない話に戻すと、道具を入れること自体が音を鳴らすわけではない。効くのは順序である。出力先の一覧をメニューバーから1手で開ける状態を作っておくと、枝分けのうち上の2本を数秒で通過できる。そのうえで残った症状だけをシステム設定で追えば、毎回ゼロから探す手間が消える。
よくある質問
内蔵スピーカーから音を出したいのに、選べません?
Appleの手順は、ヘッドフォンや外部スピーカーを取り外すところから始まっている。繋がっている装置があると選択がそちらへ戻ることがあるため、先に抜いてからサウンド設定の「出力」で機種名のスピーカーを選ぶ。音量スライダの位置と消音のチェックも同じ画面で確かめる。
サウンド設定の一覧に、差した機器の名前が出てきません?
コンピュータのサウンドポートに接続した装置は、製品名ではなく「ヘッドフォン」として並ぶ。USB接続の装置は製品名で出ることが多い。USBの装置が一覧に出ない場合は、Optionキーを押したままアップルメニューから「システム情報」を開き、ハードウェアの「USB」に載っているかを確かめる。
デジタル出力で音量が変わらないのですが?
Appleのユーザガイドは、デジタル出力を使用している場合、コンピュータの音量調節つまみで音量を調節することはできないと書いている。音量はレシーバー側で調節することになる。音が出ないと思っていた状態が、レシーバーの音量が絞られていただけという場合がある。
音楽は鳴るのに通知音だけ聞こえません?
通知音の音量は、システム設定の「サウンドエフェクト」にある通知音の音量スライダで決まる。この値はコンピュータの音量を基準にした相対値で、全体の音量を下げると通知音も下がる。アプリごとの通知の設定や集中モードで止まっている場合も、同じ層に属する。